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ダイヤモンド・オンラインに掲載されておりましたニューホライズン キャピタルの安東泰志氏による経済情勢の近未来予測は、比較的妥当性の高い内容であると思います。文面は下記(※1)に引用した通りですが、内容を要約しますと、次のようになります。 @ユーロは当面維持されるが、年内にギリシャの離脱と同国がデフォルトに陥り新たな政策対応を迫られる。 Aドル円相場は当面は円高傾向だが、日銀の国債買い入れの大幅増額表明を契機に、いずれは90円をはるかに越える円安に向かう。 B消費税増税法案は、与野党の反対議員によって骨抜きとなり日本国債の格下げと金利の上昇(価格の下落)が起こる。 Cその場合、日本国債の格付けは2段階以上の引き下げに直面し、銀行などによる狼狽売りから、一気に値を崩すことになって、円・債券・株式のトリプル安となる可能性が高い D日銀は国債の買い入れ額を大幅に増額すると共に、いざという時には新発債の引受もやむを得ずとの立場を表明する。 E公的年金を原資とする日本版SWF構想が具体化する。 さて、@のギリシャ問題は、ギリシャのデフォルトとユーロ離脱という点で、これまでに述べました様に当室と同見解です。 Aの日銀による国債買い入れ額大幅増額についても、過去に触れました様に、具体的に国会議員ベースでは検討がなされている様子です(→国債暴落時、日銀には買い切りオペ大幅増額など期待=自民党部会http://toshukou.at.webry.info/201106/article_1.html)。 いざ、ヘッジファンドが日本国債(JGB)の売りを仕掛けて来た場合には、最終対抗手段としては、日銀買いしかありませんから、政策的に枠取りの内定を出しておくことは必要でしょう。 Bの消費税増税法案の骨抜きは、実現してしまう可能性が高い感じがします。もっとも、消費税が10%に引き上げられたとしても、規模的に力不足であり、国債信用力の劣化が短期間防止できるだけで、中長期的には根本的財政再建策とはなり得ませんが、それでも消費税増税が失敗してしまうのと、そうでないのとでは、日本国としての財政再建の意思表明が出来るかどうかという点で、格付け判断上は大きく違いが生じるものと思います。 そして、Cの消費税増税の失敗に起因する格付けの引き下げ、これが日本国債の価格下落のきっかけとなる可能性は、相当に高い印象を持ちます。さらに、国債の格付け引き下げは、円貨の対外的価値下落(=円安)を招来することにもなりますので、円・債券・株式のトリプル安という事態になりそうです。 その場合には、Dの通り、日銀はさらに国債買い入れ増額を余儀なくされるでしょう。ますます円安となり、輸入物価が上昇します。 なお、Eの政府系ファンドについては、当室は消極意見です。役所は責任を取らないので、設立・運営しても余り上手く行くとも思えません。 以上の当室の散漫な意見をまとめますと、次のようになります。 (1)景気がいま一つの中で増税を実施するのは、経済時期的に当室としては気が引けますが、国債格下げの影響も厳しいので、比較衡量しますと消費税増税もやむなしと思います。どこかで増税の踏ん切りを付けないと、いつまでも財政収入が増加できないまま、財政事情がズルズルと悪化しかねません。 (2)ただし、野田内閣による消費税増税は、骨抜きとなる可能性が結構高そうに感じます。増税の代償努力として強調されている国会議員定数の削減、国家公務員の給与削減などは、金額的に見て小手先の目くらましに過ぎません。 財政支出削減の本丸は、かつて野田総理自身が国会で指摘した天下り法人4500社に対する予算12.1兆円の削減でしょう(※2)し、あるいはまた一般論として年金・健保等の社会保障支出の削減でしょう。本丸を除外した目くらまし程度の支出削減提案では、大方の賛同を得るのは困難だという気がします。 (3)そして、消費税増税の失敗による日本国債格下げを発端として、外人売りが一気呵成に生じる可能性、つまり意図的売り崩しが開始される可能性がゼロではありません。日本国債の格付けは、現在「AA−」ですので、これがその下のAゾーンに低下する場合には、単なる1ノッチの低下以上の大きな衝撃となる可能性があります。 (4)その場合には、日銀が本格出動する以外にはありませんが、国債買取りを進めれば進めるほど、円安・株安、そして円安による輸入インフレが進行し、日本経済はスタグフレーション状態に陥る可能性があります。日銀買取りによって国債の下落は防止可能だとしても、ベースマネーの拡大による円安(=海外からの評価下落)は進行するものと思われます。 しかしながら、ここまでは、現在考えても仕方がありませんので、取りあえずは、野田内閣による財政再建策(財政支出削減策と消費税増税案)の成り行きを注視したいと思います。 なお、当室はすべてを単純化することを基本的信念としていますので、政策的にも次の妄想を保持しています。 (a)税率はすべて10%とする。消費税・所得税・法人税・贈与税・相続税・固定資産税・・・すべて。 (b)年金制度は廃止し、必要と判断する個人は自己責任で積み立てる。 (c)健康保険は混合診療を認め、基本ベースとなる必要最低限の保険保障のみとする。 (d)基本六法以外の法律は、一度すべて廃止する。必要不可欠なもののみを再編成する。 (e)土地はすべて国有化し、国は使用者から相場相応の地代を取る。土地は使用権証書による利用とする。 (f)生活保護制度は廃止し、国民個人全員すべて一律に毎月定額手当てを一生涯支給することで、最低生活保障を行う。年金も雇用保険も不要となる。 (g)納税者番号、社会保険番号、住民基本台帳番号を統一し、IDカード化する。 (h)国会議員は全国区のみとし、ネット投票とする。 (i)経済政策専門の官庁として、経済政策省を創設し、その下に国債管理庁を設置して国債残高を総合管理する。 (j)できれば税金は消費税(付加価値税)と資産税の2本のみに集約する。年金保険料、健康保険料、介護保険料、労働保険料は税制に統合する。 (k)永久国債、またはGDP債(トリルズ)のような返済不要の財政資金調達を実施する。 (l)外国為替は、日銀が「両建て両替介入」で無制限に介入し、一定レート水準範囲に調節する。 [以下、引用] ◆(※1)円ドルは当面円高後90円を超える円安へ 日本国債は格下げで金利上昇が起こる ――ニューホライズン キャピタル 会長兼社長 安東泰志氏 (2012年1月20日ダイヤモンド・オンラインより引用) 2011年は東日本大震災、円高、ユーロ危機、タイの大洪水と、日本にとっては内外ともに災厄多き年だった。12年はそれ以上に不確実性、不安定性が高まる年となりそうだ、何しろ世界は政治の季節に突入する。1月の台湾総統選に始まり、露、仏、米、韓では大統領選、中国でも政権交代が行われる。北朝鮮情勢も不安材料だ。そうした状況下、12年を予想する上で、何がポイントになるのか。経営者、識者の方々に、アンケートをお願いし、5つののポイントを挙げてもらった。第14回は、ニューホライズン キャピタルの安東泰志会長兼社長。 @ユーロは当面維持されるが年内にギリシャの離脱と同国がデフォルトに陥り新たな政策対応を迫られる 昨年のEU首脳会談の合意内容では不十分。問題の根底にある南欧諸国と、ドイツほか北欧諸国の競争力格差は埋められない。抜本策のためにはユーロ共同債や南欧への産業補助金の供与など、ドイツが痛みを負う政策を取るしかないが、政治的に困難と見る。 結局、ギリシャのユーロ離脱とデフォルトに至る可能性が高い。但し、イタリア・スペインなどのユーロ離脱はコストが高すぎるので、万一これら諸国にまで危機が及んだ場合には、緊急にECB(欧州中央銀行)による国債の買い支えが発動されると考える。また、そのような場合、急激な信用収縮に対応するために、銀行の自己資本比率規制(バーゼルV)の緩和が検討される可能性がある。 Aドル円相場は当面は円高傾向だが日銀の国債買い入れの大幅増額表明を契機にいずれは90円をはるかに越える円安に向かう ドル円は当面は日本のデフレに伴う購買力平価である60円台を窺う動きを予想するが、BCの理由により、日銀による大胆な金融緩和を進めるとのアナウンスメントを契機にして市場にインフレ期待が高まり、一気に円安に向かうと見る。なお、ユーロ円は一旦90円を割り込んだ後、ドル円の円安傾向にひきずられて110円近くまでのリバウンドがあるものと予想する。 B消費税増税法案は与野党の反対議員によって骨抜きとなり日本国債の格下げと金利の上昇(価格の下落)が起こる 民主党政権は、骨太の成長戦略を描くことが出来ないまま、消費税増税法案を提出して国債の信認維持を図るが、与野党の反対勢力によって増税に厳しいタガが嵌められるなど、骨抜きになるか、または廃案になると予想する。 その場合、日本国債の格付けは2段階以上の引き下げに直面し、銀行などによる狼狽売りから、一気に値を崩すことになるのではないか。その場合は、円・債券・株式のトリプル安となる可能性が高い。 C日銀は国債の買い入れ額を大幅に増額すると共にいざという時には新発債の引受もやむを得ずとの立場を表明する 上記環境下、国債の円滑な消化が困難となり、まず日銀はいわゆる「日銀券ルール」を放棄し、国債買い入れ額を大幅に拡充して価格の安定を図る。最悪のケースでは、財政法の改正を経て新発債の日銀引受に至る可能性がある。 D公的年金を原資とする日本版SWF構想が具体化する 現在の財政状況の中で、成長戦略を描くことは困難との認識が共有され、公的年金の運用を日本経済の成長に振り向けようという政治的な決断がなされると予想する。特にVC・国内プライベートエクイティ・不動産・インフラ分野への運用多様化が図られ、これらが日本産業活性化の救世主となることを期待する。 [以上 引用/マクロ経済動向と資産運用形成研究室] ◆(※2)会議録 第171回国会 衆議院本会議 第46号(平成21年7月14日(火曜日)) 平成二十一年七月十四日午後一時 本会議 ○本日の会議に付した案件 麻生内閣不信任決議案(鳩山由紀夫君外八名提出)における民主党野田佳彦氏の発言内容 「○野田佳彦君 私は、ただいま議題となりました麻生内閣不信任決議案に対して、民主党・無所属クラブを代表して、賛成の立場で討論をいたします。(中略) 私どもの調査によって、ことしの五月に、平成十九年度のお金の使い方でわかったことがあります。二万五千人の国家公務員OBが四千五百の法人に天下りをし、その四千五百法人に十二兆一千億円の血税が流れていることがわかりました。その前の年には、十二兆六千億円の血税が流れていることがわかりました。消費税五%分のお金です。さきの首都決戦の東京都政の予算は、一般会計、特別会計合わせて十二兆八千億円でございました。 これだけの税金に、一言で言えば、シロアリが群がっている構図があるんです。そのシロアリを退治して、働きアリの政治を実現しなければならないのです。残念ながら、自民党・公明党政権には、この意欲が全くないと言わざるを得ないわけであります。 わたりも同様であります。年金が消えたり消されたりする組織の社会保険庁の長官、トップは、やめれば多額の退職金をもらいます。六千万、七千万かもしれません。その後にはまた、特殊法人やあるいは独立行政法人が用意されて、天下りすることができる。そこでまた高い給料、高い退職金がもらえる。また一定期間行けば、また高い給料、高い退職金がもらえる。またその後も高い給料、高い退職金がもらえる。六回渡り歩いて、退職金だけで三億円を超えた人もおりました。 まさに、天下りをなくし、わたりをなくしていくという国民の声に全くこたえない麻生政権は、不信任に値します。」 [以上 衆議院のHPより引用/マクロ経済動向と資産運用形成研究室] |
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