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zoom RSS 日本経済「12月ショック」に備えよ

<<   作成日時 : 2016/11/20 18:43   >>

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株式市場の先行きについて、現代ビジネスに警鐘記事が掲載されていましたので、気分引締めのために引用しておきたいと思います(※1)。

FRBによる12月の利上げは、マーケットでは確かにすでに織り込み済みと言える状況となっていますが、これが仮に先延ばしとなるようですと、ドル高円安→ドル安円高→株安に反転することは間違いありません。油断大敵というのはこのことだと思いますので、そういう指摘があることも考えに入れておく必要はあるものと思います。

また、米国の金利上昇に伴って新興国から資金が引き上げられつつあるのも事実ですので、マーケットの予測通りにFRBが12月に利上げする場合、徐々に新興国の成長率低下をもたらすことにもまた考慮が必要です。

それらの動きがショック性のものとなるかどうかは判断の難しいところですが、その背後要因としては、中国経済の不振やイタリアの銀行の不良債権実態など、複数存在しますので、どのような展開となるかは個人の解釈となります。

当室としては、米国の金利上昇の影響は世界的最重要のファクターですので、幾分やはり保守的解釈をしてポジションをやや圧縮しておきたいと思います。


[以下、引用]
◆(※1)日銀の極秘レポート入手! 株価1万3000円割れも…衝撃の試算結果
日本経済「12月ショック」に備えよ

週刊現代 2016.11.14
講談社

GDPはマイナス転落、トヨタなど輸出企業が一気にやられる。不動産も大暴落へ…!?
11月1日、黒田日銀総裁は政策目標を突如変更したが、それもそのはずだ。実はこの直前、日銀本店では近未来の破滅的な危機について徹底調査がなされていたのだから——。

不気味な未来予測
日本の株価がとんでもなく暴落する——。
そんな不気味な「未来予測」を描いた日本銀行のレポートがいま、マーケット関係者の間で話題を呼んでいる。
レポートの正式名称は、『金融システムレポート 別冊シリーズ』。金融システムレポートは日銀の金融機構局が年に2回作成し、日本の金融システムの健全性について日銀が分析するものである。
その『別冊シリーズ』は特定の課題やテーマをより掘り下げて分析するもので、10月末に完成した最新版ではマーケットで異常事態が起きた場合にどういう影響が及ぶかについて、専門数式やグラフを用いた徹底分析に紙幅が割かれている。
レポートを作成した金融機構局は、総勢300名を超す日銀マンが働く大所帯。経営危機で資金繰りに行き詰まった金融機関への緊急融資を担うことから、金融システムの安定をつかさどる「最後の砦」とも言われる。つまりは日銀の中枢の一つであり、そこが「株価暴落レポート」を出したのだから余計に衝撃が大きくなっている。
今回のレポートではまず、これから米国の長期金利が急上昇するという事態を見込んで、その際には世界経済や日本経済にいったいどんな破滅的なことが起こり得るのかを詳述している。
なぜこのような想定をしているかといえば、日本企業にとってドル金利の上昇は目下の課題であるからにほかならない。
というのも、グローバル化を進める多くの日本企業はすでにドルの調達難に直面していて、今後さらなる調達難に見舞われるリスクが高まっている。日銀はあえて喫緊の現実問題の「近未来」を徹底予測することで、最悪の事態に備えようとしているわけだ。

「世界同時株安」がやってくる
レポートの中身は、背筋が凍るようなものになっている。
実際にレポートを引けば、米国の金利上昇が始まるとまず、〈米国経済が減速する。米国経済の下振れは、貿易・金融チャネルを通じて世界経済に波及する結果、わが国経済も減速する〉と、はなから「世界同時不況」のリスクを指摘している。
さらに、こうした世界同時不況が顕在化してくると今度は、〈グローバルに企業財務を悪化させ、信用コストが増加する。この間、新興国から米国など先進国への資金流出が起こり、新興国の成長率がさらに下押しされたり、ドル建て債務を抱える新興国企業の財務悪化を招く可能性もある〉。つまりは、世界中でグローバル企業の決算が急激に悪化するという。
レポートは続けて、これによって〈各国の株価は下落〉する、要は「世界同時株安」がやってくると見越すのである。
もちろん、このような状況下では日本企業への影響も甚大なものとなり、まず〈ドル調達市場において資金供給が抑制され、(中略)わが国金融機関の海外ビジネスに収益や経営体力面から大きな影響が及ぶ可能性が高い〉。
つまり、邦銀がドルを手に入れるのに莫大なコストがかかるようになるため、海外ビジネスが立ち行かなくなると警鐘を鳴らしている。
続けて、〈流動性が低い海外貸出については、これをファイナンスする外貨が確保できなければ、損失覚悟での売却(投げ売り)を余儀なくされるため、金融機関への影響も相応に大きくなると考えられる〉と、金融危機リスクにまで言及しているのである。

衝撃の試算結果
この日銀レポートが恐ろしいのは、こうした金融パニックが起きた時、日本ではGDPや株価がどうなるのかまで具体的に試算しているところにある。以下が、その衝撃の試算結果である。
〈国内経済(実質GDP)の成長率も、2015年度0・8%から2017年度マイナス0・2%へと低下する。この間、わが国の株価は、ドルの長期金利上昇の影響を踏まえ、2割弱下落すると想定する〉
日本経済はマイナス成長に転落し、1万7000円台の株価が一気に1万3000円台まで暴落するというのだから、ただ事ではないが、RPテック代表の倉都康行氏は「当然想定しておくべきシナリオです」と言う。
「いま米国では、『インフレが始まってきた』という意見が徐々に多勢を占めてきています。当然、インフレが始まればこれまで低金利だった長期国債が売却されて、長期金利は上昇を始める。まさにその兆候が出てきているわけです。
しかも、ここ数年は世界中が超低金利に慣れきって、金利高への抵抗力がなくなってきている。そうした中で金利上昇が始まると、これまでの流れが一挙に逆回転するリスクが高まります。
レポートは遠慮気味に株価は2割ほどの下落としていますが、それでは済まないでしょう」
1万3000円割れもあり得るというわけだ。
実際、米国債の利回りは今夏からジワリと上昇を開始。10月末には、5ヵ月ぶりの高値をつけるほど急上昇する場面も出てきた。ここへきて、金利が急上昇を始める不気味な予兆が散見されるようになってきている。
ミョウジョウ・アセット・マネジメント代表の菊池真氏は、「日銀が描く『米金利上昇→新興国経済の悪化』の流れは十分に起こり得る」とした上で、日本企業への影響を次のように指摘する。
「世界同時不況が起きた際、真っ先に売れなくなるのは自動車やスマホなどの不要不急の買い替え商品。トヨタ、ホンダ、日産などの自動車メーカーから、ソニーなどの電機メーカーは直撃を受けるでしょう。
製品が売れなくなれば企業は工場の稼働や設備投資を減らすので、日本の『お家芸』と言われる工作機械のファナック、安川電機などもダメージを負う」

銀行が真っ先にやられる
前出・倉都氏は、「銀行」と「インバウンド関連企業」が危険だと言う。
「すでに邦銀は日銀によるマイナス金利で打撃を受けていますが、ここに米国の金利上昇が『Wパンチ』で襲い掛かってくる。海外投資を積極的に展開してきた三菱UFJフィナンシャル・グループをはじめとする3メガはもちろんのこと、体力のない地銀の中には経営危機に追い込まれるところも出てくるでしょう。
また、世界的にリスクオフの空気が蔓延すれば、当然インバウンド需要も消えてなくなる。すでに訪日観光客の減少が始まって減益ラッシュになっている百貨店、家電量販店などには、致命的な影響を及ぼしかねません」
目を覆いたくなるような惨状だが、日銀レポートのインパクトはこれだけにはとどまらない。
実は日銀レポートはこれとは別に、より過激な分析も行っている。
それは〈リーマンショック並みの厳しい金融経済情勢〉が発生したケースを想定したもので、その場合に日本のGDP、株価、為替などがどれほど「暴落」するかを詳細に試算している。以下、その結果を紹介しよう。
〈国内経済(実質GDP)の成長率は、2017年度はマイナス3・7%と大幅なマイナス成長となる〉
〈金融市場では、株価(TOPIX)は、2017年第3四半期にかけてマイナス55%下落〉
〈名目為替レートは、2017年度80円/ドル、2018年度78円/ドルで推移する〉
GDPは'08年と同水準の大不況レベルに落ち、株価は1万円を割るほど暴落し、為替は80円を超える超円高になるというわけだが、そんな悪夢のシナリオも決して絵空事ではないというのが経済のプロたちの共通見解である。

イタリア・リスク
実際、目下の世界経済を見渡すと、「リーマン級」の火種があちこちに転がっている。中でもプロたちが口を揃えて警戒するのは、欧州と中国の2大リスクである。
欧州リスクについて、エコノミストの中原圭介氏が指摘する。
「いま欧州各国では極右政党や急進左派政党が台頭していて、その政治的リスクが非常に高まっています。特にフランスの『国民戦線』やドイツの『ドイツのための選択肢』など反ユーロを掲げる政党がさらに台頭してくれば、欧州通貨の根幹が揺らぎかねません。たとえば年末にでも欧州でテロが起きれば、実際にそうした気運が高まりかねない」
欧州についてはドイツとフランスだけではなく、「イタリア・リスク」も指摘されている。クレディ・スイス証券チーフエコノミストの白川浩道氏が言う。
「いまイタリアの銀行全体が抱えている不良債権は、EU(欧州連合)の銀行が抱える全不良債権の約45%を占めると言われるほど深刻化しています。
そのイタリアで12月に憲法改正の是非を問う国民投票が実施されますが、与党のレンツィ首相が『否決されれば辞任する』と公言しているので、政局が混乱する可能性がある。
政局の混乱は、これまで進めてきた銀行再建策に影響を及ぼすでしょう。公的資金の注入が遅れて大手銀行が破綻する事態になれば、スペインなど欧州の他の国の金融危機にも波及しかねない」
いずれの場合も、危険度が高まるのは年末。これが最悪の形で火を噴けば、「12月ショック」がリーマンさながらに世界と日本をどん底に落とし入れることになる。
中国リスクにいたっては、12月を待たずとも、すでにいつ発火してもおかしくない「待ったなし」の状況にある。
日本総研副理事長の湯元健治氏が言う。
「いま中国企業が抱える借金が深刻なことになっていて、その債務比率は対GDP比で約171%に達しました。日本のバブル期に日本企業が抱える債務はGDP比で約132%でしたから、あのバブル期を凌駕しているほどです。
こうした中で、民間の比較的大きな企業がいくつか倒産すれば、その取引先や銀行の不良債権をさらに増やし、中国経済が一気に混乱しかねません。李克強首相はそうした事態を避けるために債務削減策に必死になっていますが、すべての企業に対策を講じられるわけではない」
実際、この10月には中国の鉄鋼大手である東北特殊鋼集団が経営破綻しており、「Xデー」は刻一刻と近づいている。

そして日本はデフレ地獄へ
さらに追い打ちをかけるように、ここへきて新しいリスクイベントも浮上してきて、市場関係者の間で「12月ショック」が高い確度をもって語られるようになってきた。
前出の倉都氏は、「いま懸念が高まっているのが原油暴落リスクです」と言う。
「10月末にOPEC(石油輸出国機構)は原油の減産合意をまとめようとしましたが、うまくいきませんでした。そこで11月下旬に再び会合を開こうとしているが、ここでもまとまらない可能性がある。
そうなるとOPECの盟主であるサウジアラビアの指導力低下を内外に示す形になってしまい、マーケットでは『リスクオフ→原油暴落』の事態が再燃しかねない」
11月下旬から12月初頭にかけてが、「要警戒」というわけだ。
元スイス銀行ディーラーでマーケットアナリストの豊島逸夫氏は、「12月の米国リスクが懸念されます」と言う。
「ポイントは、FRB(米連邦準備制度理事会)のジャネット・イエレン議長が12月に決断する利上げです。米国の実体経済がそれほど力強くない現状で無理な利上げを敢行すれば、米国経済をさらに疲弊させかねない。
一方で、いまマーケット関係者の約8割がイエレン議長が利上げに踏み切ると考えている中、仮に利上げが延期されれば、すでに利上げを織り込んでいる日本市場では急激な円高&株安が起きかねません。
日本では富裕層の資産効果が剥げ落ちて、不動産市場からはマネーが去って暴落しかねません。さらに、資産を売って現金に換える人が急増して、日本ではデフレが一挙に広まりかねない」
つまりは米国が利上げしても、しなくても危機が起こりかねない超異常事態が12月は続く。世界各国の金融当局者は綱渡りのような政策運営を強いられるわけだが、ここで日銀がパニック状態に陥るリスクもある。前出の菊池氏が言う。
「マーケットの一部では、日銀の黒田東彦総裁がいままで以上に市場にカネをばらまく『ヘリコプターマネー政策』という奇策にまで手を出すのではと言われ始めています。
しかし、すでに日銀の金融緩和策は限界を迎えており、マーケットでは日銀の信頼が失墜している中、黒田総裁がそんな愚策をしたらいよいよ世界中から『日本売り』が殺到しかねません。株も不動産も売られて、日本発の世界金融危機になってもおかしくない」
立て続けに迫ってくるリスクを回避できるのか——どれかひとつが着火すれば、世界も日本も火の海だ。そんな「12月ショック」が眼前に迫っている。
「週刊現代」2016年11月19日号より
[以上引用 マクロ経済動向と資産運用形成 研究室]

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