マクロ経済動向と資産運用形成 研究室

アクセスカウンタ

zoom RSS 不動産は今から買うのはやめたほうがいい 今のうちに2017年の金利上昇の影響を考える 山崎 元氏

<<   作成日時 : 2016/12/24 09:06   >>

トラックバック 0 / コメント 0

久しぶりに山崎元さんの相場見通しが掲載されていましたので、転載しておきたいと思います(※1)。株価については、金利情勢上から少し歯切れが悪く持ち高の一部処分という判断となっていますが、不動産については購入停止、という所見となっています。

当室としては、利確できるものは利確してポジション的には軽くし、ひとまず現金比率を高める処置としていますが、個別に安いと確信できる株は当面保有継続という幾分矛盾した投資姿勢となっています。

相場の方向性が不確定で漂う状態のときに、ここで欲しいと思う株を買うといつも失敗しますので、仮に買うのであれば、欲しい株ではなくて「安い株」(これは安いと確信できる株)を買うようにしないといけません。

安いか高いかは、PERとかPBRとかいう指標にもよるものの、基本的には経験則的に割安感が実感できるかどうかの判断です。結局は当室らしくアバウトなヤマ勘頼りということになりますが、得てして株とはそうしたもので、実際に、今般のトランプ効果で急騰するとは誰しも予想外ですから、当室同様、乗り遅れの投資家も多いと思います。

しかしながら、ここは余り無理することなく基本は様子見とし、買うなら本当に割安実感のある個別株(≠欲しい株)だけで勝負ということで良いと思います。


[以下、引用]
◆(※1)不動産は今から買うのはやめたほうがいい 今のうちに2017年の金利上昇の影響を考える
山崎 元 :経済評論家 /東洋経済オンラインより
2016年12月23日

金利上昇の「マイナス効果」をどう評価する?

トランプ氏が予想外の当選をしてから、さらに予想外の株高・円安が生じてマーケットに勢いがついた。これで多くの投資家がこの年末に多かれ少なかれ「幸せな感じ」を抱いているのではないだろうか。

ご存知の通り、日本株は、円安が株高に直結する。トランプ当選後に瞬間101円台を付けたドル円の為替レートだったが、その後改心したように切り返して、本稿執筆時点では117円台だ。黒田日銀総裁は、年初の水準に戻っただけでたいした円安だとは思っていないと記者会見で述べたが、投資家にとっては、相当の変化だった。

FRB(米国連邦準備理事会)が12月に予想通り利上げしてくれたことで無事にドル高が進んだ。米国の各種の経済指標は、いずれも利上げを正当化できる程度に好調だったこともあり、NYダウもその後、高値を更新している。

投資信託などに投資している方の場合、日本株を持っていても外国株を持っていても、この間「十数%、儲かった!」という状態の方が多いだろう。とんでもない「暴言エロ・オヤジ」だとトランプ氏を警戒・軽蔑していた人の中にも、今や、トランプ氏が神々しく見える方がいるのではないか。

来たるべきトランプ政権の実情はまだ分からない。だが、今のところ、奇矯なトップを戴きつつも、「親ビジネス」の案外普通の共和党政権になりそうだ。

さて、「トランプ次期大統領は、親ビジネスだから、株式投資には強気でいい」と素直に考えていていいのだろうか?

FRBの利上げはドル高・円安もたらした訳だが、一つ気になることがある。今回、日本の株価は円安に対する反応が「鈍い!」と感じないだろうか。これまでなら、1円の円安が2百数十円くらいの日経平均の上昇につながっていたのだが、ここのところ反応が鈍い。

円安に株価がこれまでのように反応しない理由は、米国の金利上昇が資産価格に対してもたらすマイナスの影響を市場参加者がそろそろ気にし始めたからだと考えるのが妥当だろう。

経験的に言って、米国の利上げが始まってから、一回目、二回目の利上げで株価がクラッシュするケースは少ない。高水準の株価が維持されながらも、徐々に金利上昇の負担に耐えられなくなった時に、上げ相場は終わる。いかなる強気相場といえども、金融引き締めに最終的に勝つことは出来ないのが相場の原則だ。

「今回は前回と違う」と考えてはいけない

トランプ氏の大統領就任後に、インフラ投資や減税(本当にできるのか?)が実現して、相場が盛り上がる事態も可能性として考える必要はあるが、投資にあって最も危険な言葉の一つは「今回は、前回と違う」だ。

筆者は、巷間言われているように、2017年に3回も利上げするほどFRBは利上げに積極的でないと感じているが、3回まで行かなくとも、次回あるいはその次の前後に米国の株価が大きく下落するような局面が来てもおかしくないと考えている。

もちろん、株価の暴落は、利上げにタイミングを合わせて起こるわけではない。「ある日、ふと起こる」のが通例だ。今すぐではないとしても、そろそろ警戒し始める方がいいのではないだろうか。筆者は、現在、そう考えている。

かつて、ストラテジストを仕事としている知人が「上がったら売りとか、下がったら買い、とかいうような予想は男らしくないですね。単に、『売り』か『買い』のどちらかを言えばいいのですよ」と言うのを聞いて、「潔い!」と思って感動したことがある。

今、筆者が彼のように潔くなるためには、「まだ強気(=買い)」なのか「もう弱気(=売り)」なのか、どちらかに決めなければならない。

とはいえ、強気にも弱気にも「程度」がある。投資家は、自分自身が実際に持っているポートフォリオをどのように調整するのがいいかを、自分が持つ「見通しの内容」とその「実現確率」と「自分が間違えている確率」を見積もった上で「程度の問題として」決定しなければならない。

例えば、順調に推移した個別株への投資の場合、@割安で魅力的な株価で買って、株価が上昇して、A普通くらいの魅力の持ち株になり、さらに株価が上昇すると、B持っていない方がいいと思う割高銘柄になる、といった推移を辿る。

この場合、株式ポートフォリオを運用するファンドマネージャーであれば、この銘柄の保有ウェイトが値上がりによって上がる事情もあるので、@→A→B、という推移に応じて、当該銘柄の持ち株を「少しずつ売る」事が最適解になる。こうしたケースでは、持ち株を一気に売却することは適切でない場合が多い。

現在の東証1部のPER(株価収益率)はざっと17倍だ(日本経済新聞予想ベース、12月22日終値)。債券市場と株式市場の両方に、日銀の「投資判断によるのではない大きな買い」が入っているので、自然な長期金利と株価は分かりにくい。

だが、現状で想像される自然な長期金利は少なくとも1%はあろうから、益利回りで6%弱の株価は少なくとも「割安」ではないし、益利回りが5%となるPER20倍(現在の収益予想だと日経平均では2万2000円台は現状では「明らかに高い」といえる。そろそろ、リスク・ポジションを引き下げる第一段階の時期ではないだろうか。

株は1〜2割売却、不動産は買わないほうがいい

為替レートが円安に振れたことで、今後、企業業績の改善が期待できるし、中国や新興国の経済も持ち直し気味なのだが、米国でいずれ来るはずの、金融引き締めによる上昇相場終了、そして世界的上げ相場の一巡を警戒しておきたい。利上げによって円安方向に圧力が掛かりやすい分日本株は相対的に有利だが、それでも、世界的な資産価格下落には抗しきれないだろう。

経済政策のパターンとしても、国別に濃淡の差はあっても、財政政策のウェイトが高まる(財政赤字を拡大する)方向性であり、長期金利には上昇圧力が加わるので、資産の価格に対して警戒的になり始めるべき頃合いだ。

個人に対する「潔い」アドバイスとしては、(1)内外の株式は保有分の1割〜2割くらい売るのがいいのではないか、(2)もう不動産は買わない方がいい、と申し上げておく(注:もちろん、投資はご自身の判断で行って下さい)。

なお、恒例の週末の競馬予想はここでは行わない。24日配信予定の
競馬好きエコノミストの市場深読み劇場・特別編「2017年はどうなる?その前に2016年有馬記念大予測だ!」をぜひお読みください。
[以上引用 マクロ経済動向と資産運用形成 研究室]

テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

不動産は今から買うのはやめたほうがいい 今のうちに2017年の金利上昇の影響を考える 山崎 元氏 マクロ経済動向と資産運用形成 研究室/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる