10月20日のNYダウ、本日21日の日経平均ともに上昇しましたが・・・

外国人の取引比率が6割の日経平均が、NYダウに従属連動せざるをえないという状況はすでに触れたとおりです。経済情勢に変化はなく、金融市場が落ち着いてきた現況下では、次は景気対策が必要となります。

バーナンキFRB議長が財政政策による景気の下支えを訴えているのは時宜を得ていますし、また適切とも言えます(※1)。

しかし、要請しただけで、具体策は何も出てきてはいません。景気対策として考えられるのは、政策金利の引き下げと減税ですが、米国の金利はすでにFFレートが1.50%となっており、引下げ余地は限られています。バーナンキFRB議長が財政政策による景気の下支えを訴えているのは、まさにそのことを訴えているわけで、景気対策として金利引下げは無理だから、減税でもう1回頼む、というわけです。

一方で、米国住宅価格はまだ下がる見込みであることはすでに書きました。格付け会社のフィッチは、ここからまだ10%の下落見通しを発表しています(※2)。

20日のNYダウ、本日21日の日経平均ともに上昇しましたが、このまま素直に回復とは行かないでしょう。一服していますが、何かのきっかけで二番底のあることも留意しておく必要がありそうです。

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◆(※1)「【ワシントン=大隅隆】バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長は20日、下院予算委員会で金融危機を受けた経済情勢について「数四半期は経済活動が弱くなりそうだが、減速が長びく可能性もある」と語った。そのうえで「議会が財政出動(による第2次景気対策)を考えているのは適切なことだ」と発言、財政による景気下支えを事実上、要請した。FRB議長が財政出動を求めるのは異例。
議長は「景気減速の主因は、異常な信用収縮にある」と指摘。景気対策について「経済が最も弱まる時期に効果が出るよう実施するのが望ましい」と強調した。「消費者や企業が融資を受けやすくするような手段を景気対策に含めるよう検討すべきだ」とも主張した。公共事業など伝統的な景気対策だけでなく、金融機関の貸し渋りに対応した個人・企業の資金繰り支援の必要性を示唆した形だ。」
 (以上、全文:「財政による景気下支えを FRB議長が異例の要請」10月21日付 日経ネットより) http://www.nikkei.co.jp/kaigai/us/20081020D2M2003C20.html

◆(※2)「[ニューヨーク 20日 ロイター] 格付け会社のフィッチ・レーティングスは、米住宅価格が、安定するまで現在の水準から更に10%下落するとの見通しを示した。
フィッチは報告書で、米住宅価格は2006年のピーク時から22%下落したと指摘。価格がピークから底値をつけるまでに30%下落すると予想していることから、現在の水準から更に10%下落するとの見通しを示した。価格調整の大部分は今後数四半期に進み、2010年に安定するとしている。
フィッチのモーゲージ担保証券(RMBS)部門マネージング・ディレクター兼代表のホックスレー・サマービル氏は「経済状況が予想以上に悪化した場合、住宅価格はフィッチの予想以上に下落し、価格安定の時期は遅れる」との見方を示した。
「高水準の住宅ローン金利や融資基準の厳格化は、引き続き価格に対する下方圧力となる」と指摘した。
また、同社シニアディレクター、スザンヌ・ミストレッタ氏は、財務省による不良資産救済プログラム(TARP)などの政府措置や、住宅ローン買い取りや組成支援に向けた、連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)や連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)、米連邦住宅局(FHA)による権限拡大は、住宅市場の流動性改善につながる可能性があると指摘。価格面でのプラス効果をもたらす可能性がある、との見方を示した。」
 (以上、全文: 「米住宅価格、底入れまで更に10%下落する見通し=フィッチ」 2008年 10月 21日付 ロイターより) http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPnJT828998120081020