世界一の資産家・バフェット氏の投資眼のすごさ

バフェット氏のことは日々注目していますが、最近の同氏の動きを2つほど投資の事例として挙げておきたいと思います。一つはペトロチャイナ株の売却、二つ目はドル売りポジションの解消です。

①ペトロチャイナ株の売却
バフェット氏がペトロチャイナの株をいつ購入したのかは不明ですが、03年5月頃に購入を決定し、04年1月にかけて買ったものと思われます(※1)。一時は11.05%もの保有割合で、通常はバフェット氏は長期保有方針のはずなのにもかかわらず、07年7月頃から徐々に売却を進め、07年10月18日にはペトロチャイナ全株売却の発表をしています(※2)。

その後もペトロチャイナ株は上昇していますが、07年11月にピークを付けてからは下落し、今日に至っています。バフェット氏の売却判断は見事に当たっていた、ということになります。

07年7月というと、08年8月の北京オリンピックまでまだあと1年あり、まだまだ大丈夫、もうしばらくは上がる、売るのは早過ぎないか?・・・などとほとんどの人が考えていた時期ではなかったでしょうか・・・。

②ドル安ポジションの解消
バフェット氏は、08年5月5日の日経新聞に掲載されている通り、そのときまでは米国金融緩和によるドル安を見越した投資ポジションだったわけです(※3)が、8月22日になると突如として「一時の210億ドルあったドル安を見込んだポジションをすべて解消したことを明らかにした」(※4)という報道に変わっています。それとともに、米国景気の後退にも触れ、「私の判断では、今後5カ月以内に(米景気が)改善する見込みはない」とし、ファニーメイとフレディマックについては「もはやこれまでだ」とまで述べています。

これは米国のサププライム問題が米国にとどまらず相当大きな世界的な影響を与えることを予測し、諸外国の信用不安と景気後退によって、資金が海外からドル回帰してドル高となることを想定した発言と思われます。

実際、米ドルは、円以外の、EUROを始め他通貨に対して08年8月以降、急激にドル高となっています(※5)。NYダウの下落率が、他国の株式市場に比較してそれぼど大きくない(※7)のも、このため、つまり資金のドル回帰のためと思われます。この点についても、バフェット氏の予測は正確です。

さて・・・。

『アメリカを買おう! 僕は買っているよ』と、そのバフェット氏は公言しています(※6)。皆さんはどうされますか?

■年初から10/27までの下落率は、NYダウ△38.35%、日経平均△52.74%、ロシアRTS△76.12%、上海総合指数△67.25%、英FTSE100△40.33%、ブラジルBOVESPA△53.93%など。NYダウが一番傷が浅いと言えます。(08/11/19追記)

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◆(※1)「バークシャー株主総会 バフェット氏不機嫌さにじむ」(03/05/19付日本経済新聞)
◆(※2)「中国石油天然ガス<0857.HK>が下落、バフェット氏の保有株売却への懸念で=香港株式市場」(07/07/30付ロイター) http://jp.reuters.com/article/hotStocksNews/idJPnJS800180320070730 および
「バフェット氏、ペトロチャイナの全保有株を売却」(07/10/19付ロイター) http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-28421820071019
◆(※3)「ドル安は続く、ソウル株は割安=著名投資家バフェット氏」(07/10/25付ロイター) http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-28535920071025 および「米投資家バフェット氏 ドル安は続く」(08/05/05付日本経済新聞)
◆(※4)「米景気は09年まで回復見込めず、米株は1年前より魅力的=バフェット氏」(08/08/22付ロイター) http://jp.reuters.com/article/domesticFunds/idJPnJT823538820080822
◆(※5)ヤフーファイナンス http://finance.yahoo.com/currency/convert?amt=1&from=USD&to=EUR&submit=Convert
◆(※6)『アメリカを買おう! 僕は買っているよ』 by バフェット氏 http://toshukou.at.webry.info/200810/article_16.html