IMFの金売却・バフェット氏の商業用不動産ローン会社買収/備忘録

ブログ本文に採用はしませんでしたが、投資判断上重要な内容の記事や資料については、随時当ブログに掲載して「備忘録」として簡単にコメントしておきたいと思います。

◆[記事1]IMF、金130億ドル分売却 途上国向け融資の原資に
「【ワシントン=御調昌邦】国際通貨基金(IMF)は18日の理事会で、自らが保有する金403.3トンを売却することを決めた。現在の市場価格で約130億ドル(約1兆1900億円)で、金融危機の打撃が深刻な新興・途上国向け融資の原資に充てる。各国の中央銀行や公的部門への相対取引なども利用し、金相場への影響は最小限にとどめる構えだ。
売却量はIMFが保有する金の8分の1、金の2008年の新規供給量の10%程度に当たる。金の国際価格は最高値水準で推移しており、IMFの売却動向が相場の変動要因になる可能性もある。
IMFは08年4月に加盟国への融資などを実施していく原資を調達するため、金を売却する方針を固めていた。市場では外貨準備に占める金の比率が低い中国やロシアが有力な買い手になるとみられている。」
(09/09/19日経ネット)
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090919AT2M1900I19092009.html

■[記事1について]
IMFによる金の売却は市場外取引で、中国やロシアの中央銀行などに対して行う予定のようです。従いまして、マーケット価格には直接の影響はなさそうですが、間接的にはそれだけ実需が減殺されますので、全く影響がないことにはならないと思います。IMFによる金売却の効果としては、①金相場の高騰緩和、②米ドルの買い支え、③中国やロシアの外貨資産分散要望の満足、という3点が考えられます。おそらく一番の目的は米ドルの買い支え効果で、やや規模的には小さいですが、使用できる手段は総動員するということだと思います。金価格はやや軟化するかも知れません。なお、この記事はロイターには掲載されておりません。

◆[記事2]米バークシャーら、商業用不動産ローン会社の事業買収に触手=ニューヨーク・蔭山道子(09/9/4)
「米国の著名投資家、ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハザウェイと複合企業リューカディア・ナショナルは2日、商業用不動産向けのローン会社であるキャップマーク・フィナンシャル・グループが一部事業を売却する場合、同事業を買収する義務を負うことで合意した。買収の対象は北米のローン回収・融資事業で買収価格は最大4億9000万ドル。合意内容によると、実際に事業譲渡をするか否かを決める権利はキャップマークが持つ。
キャップマークは非上場のローン会社で6月末時点の資産残高は200億ドル。北米、欧州、アジア地域で商業用不動産会社向けのローン事業や不動産関連の投資事業を手掛ける。商業用不動産の値下がりや貸し倒れ増加などにより業績が急速に悪化。資産売却などで財務改善を急いでいるものの資金繰りが苦しく、米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用申請も検討している。
バークシャーは1日にも傘下の不動産会社を通じて住宅専門の不動産仲介会社を買収すると発表した。物件の値下がりペースが鈍ったことなどを受け、市況の底入れ期待が出始めていることが背景にあるとみられる。
一方、商業用不動産の市場では物件価格やローンの焦げ付きが一段と悪化する懸念が指摘されている。だがキャップマークとの合意内容をみると、バークシャーは商業用不動産の市況についても、これまでよりは先が見通しやすくなったとみている可能性がある。」
(09/09/04日経ネット)
http://veritas.nikkei.co.jp/wallcity/index.aspx?id=MS2N0302T04092009

■[記事2について]
少し時間は経過していますが、バフェット氏が「商業用不動産ローン会社の事業買収に触手」という記事が、これも日経ネットに掲載されていました。商業用不動産価格はまだ底が見えない状態であることは、当ブログでもすでに触れた通りですが、バフェット氏は底が近いと踏んでいるのでしょう。当室のワールドリート投信の購入方針は、ドルコスト平均法により、現状維持と考えています。多分底値近辺での仕込みが可能です。円高については、今後の米国金利が少しずつ上昇することを見込み、90円を割り込んでの進行はしないものと考えています。

◆[記事3]「追加の経済対策「情勢次第で」 藤井財務相
藤井裕久財務相は20日のNHK番組で、今後追加経済対策を実施する可能性について「経済情勢がどうなるかによってはありうる」と述べた。その場合の財源については、2009年度補正予算の見直しで浮いた部分を使う可能性を示した。補正予算の見直しに関しては「無駄なものは、若干経済に影響があっても切らなければならない。国民生活に直結した予算に振り替える」と強調した。」
(09/09/20日経ネット)
http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=AT3S2000X20092009&g=MH&d=20090920

■[記事3について]
民主党政権の藤井財務大臣の想定している追加景気対策とは、本当の意味での「追加」(=赤字国債増額)ではなくて、麻生政権の補正予算の削減を取り止めて別方面に支出するという意味であることが判明しました。要するに、本来減額するべき麻生政権の補正予算を減額することなく満額流用することが、藤井財務相の「追加景気対策」の意味するところだということです。これでは上乗せの経済効果は期待できず、さすがに均衡財政論者だと再認識しました。

◆[記事4]財務省特別顧問に行天元財務官 藤井財務相が会見で表明
藤井裕久財務相は17日未明に記者会見し、元財務官の行天豊雄・国際通貨研究所理事長を財務省の特別顧問に起用する方針を明らかにした。藤井財務相は行天氏について「間違いなく、日本で最も国際金融で信頼のある人だ」と評価。通貨政策をつかさどる財務省のアドバイザーとして期待する考えを示した。
行天氏は1985年のプラザ合意時に、旧大蔵省の国際金融局長を、プラザ合意後に急激に円高が進んだ86~89年には財務官を務めた。日本の代表的な「通貨マフィア」とされ、昨年11月に米ワシントンで開いた金融サミットでは、日本政府の特使を務めた。」
(09/09/16日経ネット)
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20090916AT3S1604C16092009.html

■[記事4について]
これもまた日本経済にとってマイナス効果をもたらしそうな円高論者をあてがった人事です。藤井財務相も行天特別顧問も、ともに旧大蔵省出身であり、民主党の公約の脱官僚とは掛け声だけで、上も下もすべて官僚で固めた人事となってしまっています。多分財務省の根回しが成功したということなのでしょう。しかしこれでは、緊縮財政まちがいなしで、日本経済は沈没します。円高も、マイルドであれば歓迎ですし、内需主体の経済成長路線を政策的に実行するのであれば文句はありませんが、財務省の基本路線は増税緊縮財政ですので、日本国の経済構造や成長策を全く考慮しないままプライマリーバランスと増税をセットで繰り返し繰り返し主張してきます。経済成長なくして財政再建なし、ということがまったく理解できないのが財務省という役所のようです。

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