いきなり正解を語り始めた榊原早大教授/民主党への経済政策アドバイス

本日9月9日のロイター記事を見ていきなりびっくりさせられました。榊原早大教授が10-15兆円規模の追加景気対策の提言をしています。榊原教授といいますと、以前、当ブログで「?」を付けたことがある経済学理解不足の先生ですが、この記事での主張は不思議なくらい正解そのものです。副島隆彦先生によりますと、榊原教授は米国の手先というような分類をされていますので、あるいは米国の意向を受けて米国政府の意見を代弁をしているのかとも思えて来てしまいます。

榊原先生は公演の中で、民主党のマニフェスト(政権公約)について「マクロ政策に対する記述がほとんどない」ことに苦言を呈し、①日本経済はこのままいけば年末から来年初にかけて二番底を打つ可能性があるため、鳩山政権に対して、この1カ月間くらいに景気対策を打つべきだということと、②予算の執行を止めれば経済が無茶苦茶になること、③不況の時は国債を新規発行しなければ景気対策にならないので当面は財源問題に配慮せず、新規施策を打つことが大事でそれは国債発行で賄うべきとし、④民主党が表明している予算の執行停止や組み替えによる財源確保は4年間かけて、じっくり無駄な歳出を削ればいいということを述べ、マクロ経済学に沿ったまことに的確なアドバイスを民主党に対して行っています。とても昨年の不況突入の只中に、円高は国益と主張していたハチャメチャな人物とは思えません(※1)。

すでに指摘しましたように、民主党の経済政策には確かにマクロ経済に関する視点が欠落していますし、補正予算の執行を停止すれば、経済は底が抜けてしまいます。この榊原先生のアドバイスというのは、おそらくは米国政府からのアドバイスであると思われます。何しろ日本は世界第二位の経済大国ですから、現在の世界経済の病み上がりともいうべき状況下で経済政策を誤れば、世界恐慌を招来してしまう可能性もゼロではありません。

当室としては、民主党がこの榊原アドバイスに素直に従っていただくことを期待します。その場合には、もちろん買い出動となります・・・。

■榊原先生が、民主党の「国家戦略局」への参画を打診されてまんざらでもない素振りなところに意味深長な感じを受けてしまいます。万が一、榊原先生が国家戦略局に参画するようであれば、これは副島先生の指摘が当たっている確率が高くなり、米国の意向が民主党政権の政策にも色濃く反映される道筋がつけられたと解釈しても、まんざら外れではなさそうです。米国としても、民主党政権に強い影響力を持ちたいはずです。榊原先生が180度転換した主張をタイムリーにしかも的確な金額で平然と行うところが、いかにも怪しい感じがします。タイムリーで的確な金額での景気対策、まるで麻生総理ですよね・・・。

■榊原先生の公演内容は、民主党の経済政策の問題点に対する最適解と言えますので、次に全文を掲げておきたいと思います。日本の内情を踏まえて、これだけの最適解を処方できる人物というと、クルーグマン教授やスティグリッツ教授でも困難と思われ、唯一日本人で思い浮かぶのは野口悠紀雄教授くらいですが、野口教授ならばご自分で語られるはずですし、ガイトナー長官でも無理、とすると、残るご本尊はバーナンキ議長だけということとなりますが・・・。

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◆「[東京 9日 ロイター] 榊原英資早大教授(元財務官)は9日、日本記者クラブで講演し、日本経済は年末から来年初にかけて二番底を打つ可能性があると述べ、9月中旬に発足する鳩山由紀夫政権は新規国債の発行を財源に、景気対策を早急に打つべきと提言した。
国債増発に伴う金利上昇懸念に対しては、日本は世界最大の債権国であり、10-15兆円の国債発行は市場で吸収可能と述べ、影響は限定的と語った。
世界的な金融・経済危機の広がりを背景に、ドルの信認に懸念を示す声も出ているが、少なくとも今後20年はドル基軸通貨体制は変わらないとの見解を述べた。
<景気対策財源は国債発行で賄うべき、長期金利は2%超えない>
榊原氏は冒頭、自身を民主党のサポーターの1人と述べる一方、民主党のマニフェスト(政権公約)について「マクロ政策に対する記述がほとんどない」ことに苦言を呈した。
その上で、日本経済は「微妙な段階にある。このままいけば年末から来年初にかけて、二番底を打つ可能性がある」と懸念を示し、鳩山政権に対して「そう遠くない時期、この1カ月間くらいに景気対策を打つべきだ」と提言した。具体的には、現政権が実施したエコ・ポイントやエコ減税などの継続、民主党が掲げる「子ども手当」や高速道路料金の無料化、ガソリン税などの暫定税率廃止を景気対策として実施すべきと主張。
こうした対策の財源については「予算の執行を止めれば経済が無茶苦茶になる。不況の時は国債を新規発行しなければ景気対策にならない。当面は財源問題に配慮せず、新規施策を打つことが大事だ」と国債発行で賄うべきとし、民主党が表明している予算の執行停止や組み替えによる財源確保は「中長期的に財政規律が大切なのは間違いない。4年間かけて、じっくり無駄な歳出を削ればいい」との考えを示した。
国債増発に伴う長期金利の上昇が懸念されるが、榊原氏は日本の個人金融資産が1400兆円程度にのぼることなどを挙げ、「日本は世界最大の債権国。日本の財政状況が危機的とは思っていない」とし、「現在の国債市場は、10-15兆円の国債発行を十分に吸収できる。金利が若干上がっても、(現在1.3%台の長期金利が)2%を上回ることはない」と語った。
<今後20年はドル基軸に変化ない、米国と対等な関係を>
また、榊原氏は世界の現状を「20世紀型、米国資本主義の崩壊」と表現、「モノを中心とした経済の崩壊だ」と語った。
米国が昨秋の「リーマン・ショック」の震源地となり、世界的に金融・経済危機が広がる中で米ドルの信認に懸念を示す声も聞かれるが、榊原氏は「相対的に弱くはなっているが、米国が世界のリーダーであることは10-20年は変わらない。ドルが基軸通貨であることは、少なくとも今後20年は変わらない」と指摘。
今後の日米関係について「米国は力を持ち、速く変化を実現できる国であり、連携していかなければならない」としながら、「米国と日本が対等な関係であることをはっきり認識すべき。対等な関係で議論することは当然だ」と語った。
アジア共通通貨構想に対しては「長期的な課題として考えていい。ただ、(実現は)20-30年先の話だ」と指摘。「中国が為替介入を撤廃するのも10年はかかる」との見方を示した。
<新政権への参画、「オファーあれば考えたい」>
さらに、榊原氏は、政治主導をめざす鳩山新政権に対し、「官僚をうまく使っていくことが重要」とし、具体策として1)事務次官や局長などの人事サイクルを首相任期と同一にする、2)省庁設置法を廃止する、3)改革派の閣僚と連携する--ことなどをアドバイスした。
新政権が設置する首相直属の「国家戦略局」に参加を要請された場合の対応を問われ、「何らかのかたちで新しい改革をサポートできるオファーがあれば考えたい」と語った。」
(「日本経済に二番底の懸念、早急に景気対策を=榊原早大教授」 09/09/09ロイターより全文引用)
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-11421320090909?feedType=RSS&feedName=businessNews&pageNumber=1&virtualBrandChannel=0&sp=true

◆(※1)「週刊東洋経済 2008/11/15特大号」