民主党の第二次補正予算7.1~8兆円で、株価に対する当面の景気対策効果は十分

12月4日の日経平均は、良く見ないと分からないような微妙な形の「首吊り天井」のようなチャートで終わりました(終値:10022.59円)。11月27日の直近安値9076.41円からここのところ連騰していますし、マドもあいていますので、来週初めには少し調整で下げる場面があるかも知れませんが、政府の経済対策規模の輪郭が判明して来ましたし、しかもその財政支出規模が7.1兆円と、当初よりも思いのほか拡大している様子なので、株価も底堅い動きとなりそうな予感がします。

先日までは、第二次補正予算規模として、麻生前内閣の補正予算削減額の2.7兆円に1兆円強のプラスαが付くだけの真水4兆円ということでしたので、株価には中立的という判断をしましたが、いつの間にかその4兆円に地方交付税の増額3兆円が国債発行で賄われるという話が追加されて真水総額7.1兆円の補正予算となってきています。これは亀井金融担当相が頑張ったことによるものだと思います。亀井大臣は、さらに9000億円を追加して総額8兆円の支出となるようにしたい様です(※1)。すばらしい。

8兆円であれば、計算上はGDP約500兆円の1.6%の総需要創出効果が期待できますので、ここ四半期タームの景気対策用の補正予算としては十分な規模だと思います。仮にこれが7.1兆円のままだとしても、1.4%の総需要創出効果がありますので、株式市場としては、どちらでも反応は同じことだと思いますが、この際、多いに越したことはありません。

この場面では亀井金融担当相の発言は100%正しいと言えます。

「まず財源ありきとの議論をするからダメなんだ。子どもがお腹を空かせて泣いているとき、お父ちゃん、お母ちゃんはお金がないから我慢して、とはいかない。国民は勝手に苦しんでいればいいというなら、政府は要らない」とし、経済情勢や国民生活の実態を直視すれば、民主党も国民新党の考えに近寄ってくると思うと、亀井大臣は発言しています(※2)。

これに対して、国家戦略室が持ち出して来ている財政規律の検討問題は、今後当然考えて行く必要はあるものの、それは経済情勢が回復してプラス成長に戻ってから議論すれば十分です(※3)。今の経済情勢下で持ち出すべき話ではありません。国債発行枠の上限は、現在のような非常時には取り払って考えるべきものです。

■音なしの日銀が動いたという意外性でもって現在のところ90円まで円安方向に振れていますし、国債増発による補正予算規模が7.1兆円以上に拡大するという景気対策により、今後日経平均も上向きとなります。結局のところ、日本株取引の5-6割を占めるとされる外人投資家は、日本政府のこうした経済政策の動向によって日本株への投資判断をしているようです。当室としては、J-REIT投信、ワールドリート投信はこれまで通りのドルコスト平均買い、そして先に紹介したグリーンチップ35などは新たに買い増しを開始する予定です。

■三菱自動車も、マーケットでは慎重な見方が強い様ですが、いずれ仏プジョーによる増資引き受けによって投資の下地が整って来るものと当室は見ます(※4)。また仮にそれがなくても、電気自動車だけで十分投資価値はあるものと思います。

■12月4日終値:1ドル=90.49円、日経平均 10022.59円

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         (日経平均株価の推移:ヤフーファイナンスより引用)

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         (ドル円相場の推移:ヤフーファイナンスより引用)

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◆(※1)「経済対策の増額巡り調整 政府案7.1兆円、国民新は「8兆円に」
政府・与党は4日午前、2009年度第2次補正予算案に盛り込む追加経済対策を巡って大詰めの調整を続けた。政府は国の財政支出である「真水」は4兆円程度、地方交付税交付金の減額補てん分3兆円程度などを合わせ、国費で7兆1000億円程度とする原案を提示した。事業規模は24兆3000億円程度。国民新党は地方支援の増額を求めているため、決着は午後になる見通しだ。
同日午前の政府・与党の予算編成に関する作業チームでは、国民新党は財政支出の規模を9000億円上積みして8兆円とするよう要求した。財源として特別会計の積立金などの「霞が関埋蔵金」を充てるよう求めたが、政府側は「10年度予算の財源に充てる」との考えを伝えて平行線をたどり、引き続き調整することを確認した。
国民新党代表の亀井静香郵政・金融担当相は記者会見で「財源ありきの議論をするからおかしくなる。経済情勢、国民生活の実態を直視すれば、国民新党の考えていることに近寄ってくる」と表明した。」
(09/12/04日経ネット)http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20091204AT3S0400M04122009.html

◆(※2)「11兆円の対策でも「ぱっと国民生活が明るくなると思っていない。補正は緊急避難。当面、最低こういうことやった方が良いと積み上げたのが大体11兆円ぐらい」とした。対策の規模をめぐる議論の着地点としては「額ありきは間違い。だから、結果として、それが11兆円か12兆円かはわからない」と述べるにとどめた。この上で「できるだけ早く決めた方が良い。ちゃんとしたものであれば、国民は元気が出る。ちゃんとしたものでなければ、逆に落胆される」と述べた。」
(09/12/04 ロイター)http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-12774520091204?feedType=RSS

◆(※3)「政府の国家戦略室は、国債の発行や財政規律のあり方について、国債発行額に上限を設けることや、平成23年度以降、中長期的な財政運営戦略を作るなどとする考え方をまとめ、近く取りまとめる来年度予算案編成の基本方針に反映させる方針です。
政府の国家戦略室は、来年度予算案編成の基本方針の取りまとめに向け、民間のシンクタンクの研究員や大学教授らを交えた検討会で、国債発行や財政規律のあり方について検討を進め、考え方をまとめました。それによりますと、まず財政規律に対する明確な姿勢を示すため、国債発行額に上限を設けるとしています。また、平成23年度予算以降、中長期的な財政規律のあり方を盛り込んだ「財政運営戦略」を作り、複数年度の予算編成を視野に3年間の歳入の見込みや歳出の骨格などを示すとしています。国家戦略室では、こうした考え方を近く取りまとめる来年度予算案編成の基本方針に反映させる方針です。」
(12月3日 7時56分 NHKニュース) http://www3.nhk.or.jp/news/k10014167951000.html

◆(※4)「[東京 4日 ロイター] 三菱自動車と仏自動車大手のプジョー・シトロエン・グループ(PSA)の出資交渉が始まった。未曾有の自動車不況に直面し、生き残りのためには外部資本を仰ぐ必要があると判断した三菱自と、電気自動車(EV)技術などを取り込みたいPSA側の思惑が一致した格好だ。
しかし、三菱自は2004年の経営危機で発行した優先株の処理が急務であるのに対して、PSA側は三菱重工業や三菱商事など三菱グループ全体との連携を狙っているなど、立場には食い違いがあり、交渉は時間を要するとの見方も出ている。」
(09/12/04 ロイター)http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-12786020091204