1年8カ月ぶりにJ-REIT投資法人債が復活、日本ビルファンド100億円発行予定

1月15日の日経新聞にも掲載されていましたが、日本ビルファンド投資法人が投資法人債の発行を準備しているということです。これを契機に、J-REITによる投資法人債の起債が復活し、マーケットが正常化してくれることを望みますが、一方で、日本ビルファンドのような優良な法人とそうでない法人との格差がますます大きくなって整理統合が進行するのではないか、とも感じます。

日本ビルファンドの格付けは、R&Iが「AA」、S&Pが「A+」、ムーディーズが「A1」です。日本の機関投資家による投資判断基準としては、一般的に「AA-」以上が投資対象と解釈されており、「A」ゾーン以下は対象としておりません。「A」ゾーンで投資対象となるのは、一部の知名度の高い企業の債券だけというのが実態です。

R&IよりもS&Pとムーディーズの方が2ノッチ辛い符号付けとなっていますが、R&Iの符号は米国の2社よりも1~2ノッチ甘いのが通例ですので、特に不思議ではありません。一般的に、米国の2社の方が保守的な格付けです。

ついでに触れますと、日本のもう一社(JCR)の格付けは、R&Iよりもさらに1~2ノッチ甘いものがほとんどですので、そこで高い格付けが付いていたとしてもかなり割り引いて解釈する必要があると言えます。

話が脱線しましたが、優良な1社であるにせよJ-REITによる投資法人債の起債に復活の兆しが出たというのは、J-REIT投信の保有残高が多い当室としては好ましいニュースであり、今後の他社の動向に注目しておきたいところです。

とりあえず、起債復活はAAゾーンの投資法人からとなるはずですので、後続の起債が予想されるのは、次の投資法人ということとなります。なお、R&Iは「AA-」以上、S&Pとムーディーズはそれぞれ「A」、「A2」以上は起債可能と解釈しています。

                R&I   S&P   ムーディーズ
日本ビルファンド投資    AA     A+     A1
ジャパンリアルエステ    AA    AA-    A1
日本リテールファンド     AA-   A      A2
日本プライムリアルテ    AA-   A      A2
東急リアルエステイト    AA-   A      A2
グローバルワン不動     **   **     A2
野村不動産オフィスフ    AA-   A      A2
フロンティア不動産投    **    A+    A2
日本ロジスティクスフ     AA    **    A1
トップリート投資法人     AA-   **    A3
ジャパンエクセレント     AA-   **    A3
日本アコモデーション     AA-   A+     A2
野村不動産レジデンシ    **   A+     **

(参照ホームページ: ヤフーファイナンス) http://yahoo.japan-reit.com/

画像
       (東証REIT指数連動型上場投信チャート/ヤフーファイナンスによる)

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◆「1月14日(ブルームバーグ):オフィスビルなどを運用対象とする不動産投資信託(日本版REIT)の日本ビルファンド投資法人が5年物社債の発行を準備している。起債が実現すれば、2008年5月以来、1年8カ月ぶりに投資法人債が復活することとなる。

主幹事を単独で務める大和証券キャピタル・マーケッツの発表資料によると、発行額は100億円。ブルームバーグ・データによれば、発行が実現すれば、日本プライムリアルティ投資法人が2008年5月に発行した3年債(30億円)以来となる。日本ビルファンドにとっても、07年5月の起債(200億円)以来、2年8カ月ぶりの発行となる。
日本ビルファンドの格付けは、ムーディーズがA1、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)がA+、格付投資情報センター(R&I)がAAとしている。

野村証券の坪川一浩シニア・クレジットアナリストは、「日本の不動産市場は回復途上にあるものの、昨年9月に官民ファンドの不動産市場安定化ファンドの設立など公的支援もあって、流通市場でのスプレッドは縮小しており、AA格の発行体では起債が可能な状況となっている」と説明した。
日本ビルファンドは、2001年9月に日本版REIT第1号として、ジャパンリアルエステイト投資法人と共に東京証券取引所に上場した業界のパイオニア的存在だ。」
(10/01/14 ブルームバーク)http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=aXbOHDSCR4yY