2010年11月上旬までは円高傾向、その後は円安

10月7日付けのブルームバーグに、面白そうな予測記事が掲載されていましたので、要点を記載しておきます。予測者は、円相場の史上最高値である1995年4月の79.75円を予言したとされる若林栄四氏です(※1)。

①2010年11月上旬までは円高傾向。ただし、81円止まりで、戦後最高値は更新しない。
②米国債相場は完全なバブル。米国経済が市場の懸念ほどには悪化せず、米国金利は11月以降上昇する。それに連動して円は90円近くまで円安方向。
③2011年前半は、米国景気減速懸念が後退し、米国株高と金利上昇。
④ただし金利の上昇により、米国の巨大財政赤字と累積債務の持続可能性に不安が広がり、2011年10月ごろから「米国版ソブリン債パニック」となる。
⑤つまり、2011年10月米国債売り・ドル売り→円高に移行する。
⑥その後円高が継続し、2012年2月に74円前後の円高(歴史的大底)となる。
⑦しかしこの米国売りは間違いで、2012年2月の大底74円以降は急激に円安方向となり、1ドル100円を突破。
⑧その後、2026年までドル高・円安基調が継続する。
⑨ユーロは、2012年にかけて上昇するが、2020年ごろには空中分解する。
⑩円高・デフレの原因は日銀の無能・無策が原因。日銀法を改正して、FRBと同様に「物価の安定」と「雇用の最大化」の両方を使命とするべきだ。
⑪ドル・円相場が2012年に下落局面に転じ、円安が日本経済の緩やかなインフレと景気回復、財政赤字懸念の後退という好循環に入る際に、日銀は拙速な金融緩和解除といった余計なことをしないでほしい。

若林氏の予測根拠は「独自のチャート」だそうです。①~③は、当室でも概ね類似した感じを持っています。今後、ドル円の史上最高値には、81円を割り込んでもう少し接近するかも知れませんが、いずれ米国金利が上昇に転じれば、円安方向に転換するのは間違いのないところです。ただ、④以降のことはまだ確証はありません。

当室とは一部意見の異なる部分もありますが、ドル円のレベルを数値で明示していること以外は、総体的にそれほど抵抗感のない考え方です。特に、日銀に関する部分は完全に見解が一致しています。日本政府は、逆噴射が大好きで、景気が少し回復し始めると増税(消費税を導入)してみたり、金利引上げを(ゼロ金利を解除)してみたりして、せっかくの経済回復を潰してしまいます。経済理論、経済実態を無視したような政策、確かにそれだけはやめて欲しいものです。

◆(※1)「「超円高」的中の若林氏:1年後にドル安パニック、日銀法は改正を」http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=aK4SRah3oLkc

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               (ドル円相場チャート2010.10.10現在:SBI証券による)