日本株は底固めののち反転上昇

10月6日の当室ブログにて、日銀が10月5日に打ち出したこのたびの追加緩和策(特に、国債やコマーシャルペーパー(CP)、社債、上場投資信託(ETF)、不動産投資信託(REIT)などの多様な資産を5兆円規模で購入する「資産買入基金」の設定)の効果については、①規模的に5兆円では限界はあるものの、②円高は一服し、③日経平均も底固めの動きとなり、④市場が状況を消化すれば、少しずつ効果が現れて来る、と予想しました。

次のように、日経新聞の記事内容を追って見ますと、プラス・マイナス両方に振れながら情勢を消化しつつあるようです。
◆「日銀の包括的な追加金融緩和が業績の押し上げ要因となるとの見方から、不動産株の上昇が目立つ」(10月14日付)
◆「上場投資信託(ETF)の一部に日銀がつくる基金の買い取りを当て込んだ先回り買いが入り、ETFと連動する株価指数の値動きに左右されやすい大型株を押し上げている面がある」(10月15日付)
◆「10月第1週(4日~8日)の株式市場で、海外投資家(外国人)の買越額が半年ぶりの高水準になった。日銀が5日、4年ぶりにゼロ金利政策を復活させるなど追加の金融緩和にに踏み切ったことが好感され、日本株買いが活発になった」(10月16日付)
◆東証REIT指数構成銘柄は、「日銀が5日に「資産買入等の基金」を創設すると発表したのを受け取引が急増したが、買い一巡後は、低迷するオフィス市況が改めて嫌気され様子見ムードが広がりつつある」(同)

やはり、「ちょっと期待してみたが、規模的に少し見劣りする」といったあたりが今回の金融緩和追加策に対する評価でしょう。しかしながら、経済情勢がいまひとつ、ということであれば、日銀も「資産買入基金」の設定枠を5兆円からある程度の規模までは拡大して来るものと思います。

従いまして、「円高の一服と日経平均の底固め」という見方は、当室としては不動であり、今後の日銀の対応次第では、円安と株高方向と見ています。何年か後から見れば、日銀が大きく政策転換した今現在が、実は日本株の仕込み時であった、ということになるかも知れません。

その点、藤井英敏氏は方針転換が明確であり、次のように、「スタンスを180度変えて、日本株をポジティブスタンスに変更」とされています(※1)。

(1)日銀の資産買入基金の存在が、円高でも下落し難い日本株の主たる要因になり得ること。
(2)日本政府は10月8日の閣議で、2010年度補正予算案に盛り込む「円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策」(5兆500億円規模)を決定したこと。
(3)円高が進行し、景気低迷が長期化・深刻化するようならば、日銀は基金金額をドンドン増額するであろうこと。
(4)結果、「プラザ合意後」と同様に、今後、資産インフレ(株高・地価上昇)が発生する可能性は非常に高いこと。
(5)大手銀行や証券など金融株、不動産などの主力の内需株を狙うべきであること。

同氏が予測するほどに日銀が資産買入基金の金額を「ドンドン増額する」かどうかは、いささか疑問がないわけではありませんが、少なくとも日銀の方針大転換によって日本の株価に明るい方向性は期待できそうな感じはします。

当室の投資方針としては、引き続きREIT投信を主体として、銀行株ETF、日本株ETF、新興国株ETFを少しずつ、そして趣味程度に日本株ブル投信も想定してみたいと思います。ただし、NYダウが結構いい水準まで上昇して来ていますので、一度調整があるかも知れない点は注意が必要でしょう。
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           (NYダウ6ヶ月チャート:SBI証券による。10/15現在)
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           (日経平均6ヶ月チャート:SBI証券による。10/15現在)

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◆(※1)スタンスを180度変えて、日本株をポジティブスタンスに変更(2010年10月12日藤井英敏 株式市場サバイバル!)

「10月5日、日銀は資産買い取りのための新たな基金の創設について、具体策の検討に入ることを決めました。低利で長めの資金を貸し出す既存の固定金利オペ(総枠30兆円)も基金に統合し、基金の規模は35兆円程度としています。

買い取り額は長期国債と国庫短期証券が3兆5千億円、資産担保コマーシャルペーパー(CP)と社債などが1兆円で、また初めてETFやREITも購入するということです。

この基金が本格的に稼動することへ期待感から、国内では資産インフレ期待(株高、地価上昇等)が生じ易くなったとみています。確かに、固定金利オペの30兆円を除くと5兆円に過ぎないため、現時点では金額に物足りなさはあります。
しかし、円高が進行し、景気低迷が長期化・深刻化するようならば、日銀はこの金額をドンドン増額していくことでしょう。つまり、この基金の存在が、円高でも下落し難い日本株の主たる要因になり得ると考えます。

日本政府は8日の閣議で、2010年度補正予算案に盛り込む「円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策」を決定しました。対策は5兆500億円規模で、事業規模は21.1兆円程度です。

政府は経済対策を盛り込んだ今年度補正予算案を今月末にも開会中の臨時国会に提出し、会期中の成立を目指す方針です。このように、国内では、政府・日銀による円高・デフレへの政策対応がきっちりと、なされています。このため、円高でも日本株は崩れ難いとみています。

5日の日銀の政策・メッセージ、8日の政府の経済対策を受け、日本株の先行きに関して見方・スタンスを180度変えて、ポジティブスタンスに変更します。ズバリ、日本株の買い場が到来したと考えます。

ドルが対円で15年ぶりの安値を更新する状況下、円高デフレへの対応で、日銀は非伝統的な手法を採用し、政府も、可能な限りの財政出動を行う構えです。結果、「プラザ合意後」と同様に、今後、資産インフレ(株高・地価上昇)が発生する可能性は非常に高いと考えます。

よって、日銀による追加金融緩和を受けた海外投資家などの資金流入や買い戻しが続き、中長期的に、大手銀行や証券など金融株や、不動産セクターへの買いが継続していく見通しです。

この主力の内需系銘柄群への国内外の投資家の買い需要が、円高にもかかわらず堅調な日本株の原動力になるとみています。当然、初中級投資家は、大手銀行や証券など金融株、不動産などの主力の内需株を狙うべきだと思います。」
http://zai.diamond.jp/servlets/Query?SRC=zai/serial/column&cate=fujii&art=131