東証REIT指数急落、日銀買取基金はETF4500億円に対しREIT500億円のみ

REIT上昇については、日銀に期待したのも束の間、確かにこの金額では大きく期待はずれで、東証REIT指数が急落しても仕方ありません。マーケットにとって一番やってはいけないことが日本政府と日銀は大好きで、しばしば実行してしまいます。期待させてそれを裏切るのが、市場を突き崩すのには一番効果的な方法です。

◆東証REIT指数急落、日銀買取基金はETF4500億円に対し500億円
「10月28日(ブルームバーグ):東証REIT指数が午後1時40分ごろから急落、前日比マイナスに転じた。日本銀行はこの日開いた金融政策決定会合で、先に創設方針を示した資産買い入れ等の基金について基金総額、買い入れ対象資産ごとの限度額、方式など具体策を決定。この中で、指数連動型上場投信(ETF)の限度額が4500億円とされたのに対し、不動産投資信託(JREIT)は500億円とされ、同指数は一気に売りに押される格好となった。午後1時54分には、前日比1.6%安の957.16とこの日の安値を付けた。
更新日時: 2010/10/28 ブルームバーグ」
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=awQvhPRSEIr4

白川日銀総裁の考え方と認識レベルは、次の記事のように、幾分マーケットの感覚とはズレがあります。

◆「ETFやREITの買い入れの効果については「買い入れそれ自体がリスクプレミアムに相当する部分を圧縮する効果とならんで、これが呼び水となって投資家層が広がってくることを期待している」と言明。さらに「REITも株価もそれが上がることで、それによって資金調達をしている人のコストが下がるし、投資として持っている人の実質的な資本ポジションを改善する効果もある」と述べた。」(※1)

マーケットでは、上記の東証REIT指数急落記事の通り、時価総額3兆円強の不動産投資信託(JREIT)市場で、500億円の資金投下では規模的に全く不十分であるという解釈なのですが、白川総裁は真剣に、日銀の買取りが呼び水となってREITも株価もそれが上がることでマーケットの状況が改善すると認識しているようです。500億円でもかなり奮発したつもりなのでしょうか。バーナンキFRB議長であれば、このような見当違いな発言はしないものと思います。

ただ一方では白川日銀総裁は、次のように買取り枠の増額も考えていることを表明していますので、今後の日本経済の情勢次第では、全く期待が持てないわけでもなさそうですが、その場合にはETFとJ-REIT合わせて兆円単位の買い取り枠を提示していただかないと、ETF価格もJ-REIT価格も、力強く上昇することはあり得ないと思います。

◆「今後、5兆円の資産買い入れを拡大する可能性については「効果と副作用を入念に点検し、効果が勝ると判断し、かつ先々の経済・物価見通しが前の想定に比べて大きく変わってきたときは、増額も有力な選択肢になる」と述べた。」(※1)

とはいえ、当室の見解としては、金額的には心細さは残るものの、日銀による一応の価格下支え体制は整備されたわけですから、株価、REIT価格ともに、現行水準での底打ちだけは期待して良いものと思います。

なお、日本は基本的に土地本位制ですから、日本政策投資銀行あたりがREITを本気で購入する政策を採れば地価が上昇して景気も回復基調に転じるというのが当室の根底にある考え方です。政府関係機関が購入するのは同じだとしても、日銀がREITやETFを直接購入するのはやや筋違いであり、日銀は貸付を担当し、購入は別な法人が担当して勘定の区分けをしておいた方がベターという感じがします。REITは分配金がありますし、不動産という実物資産の裏づけもありますので、現状水準であれば政策的に投資しても実損は発生しにくいものと思います。

**********

◆(※1)日銀総裁:ETFとREIT購入急ぐため-次回会合前倒し(ブルームバーグ 2010/10/28)
「10月28日(ブルームバーグ):日本銀行の白川方明総裁は28日午後、定例記者会見で、11月15、16日に予定していた次回金融政策決定会合を同月4、5日に前倒しすることについて「もっぱらETFとREITの買い入れを急ぎたいため」であり、同月3日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を意識したわけではないと述べた。

日銀は同日開いた金融政策決定会合で、資産買い入れ等基金で買い入れる社債の信用格付けをトリプルB以上、コマーシャルペーパー(CP)はa-2以上に緩和することを決定。指数連動型上場投資信託(ETF)と不動産投資信託(J-REIT)については11月4、5日に前倒しした会合で基本要領を審議し、買い入れを決定する。

日銀が次回会合を前倒ししたことで、金融市場の一部では、FOMCの結果次第で為替など金融市場が大きく動いた場合、日銀が追加緩和に踏み切るとの見方が出ている。白川総裁は11月4、5日会合でも「通常通り、金融政策の議論も行う」と言明。新たな経済指標や情勢の変化を点検した上で「最も適切な対応を行う」と表明した。

白川総裁は金融資産の買い入れについて「できるだけ早く実施したい。国債、CP、社債は準備がかなり進んできた」と言明。ETFとREITについては「もう少し実務的な準備の時間がかかる。できるだけ早く開始するためには買い入れに関する基本要領を会合で決定する必要があり、そのために当初予定されていた会合でなく、もっと早めることで、少しでも早く実現したい」と述べた。
買い入れる社債とCPの買い入れ基準を緩和した狙いについては、リスクプレミアム、つまり国債金利への上乗せ幅が「日銀の買い入れによって縮小することができれば、その分、調達コストが下がってくる」と指摘。「現在、金利の上乗せ幅は格付けの水準の低い先ほど高いので、そうしたものほど潜在的には引き下げの効果がある」と述べた。

日銀は資産買入等基金の資産ごとの買入限度額について、1-2年までの長期国債を1.5兆円程度、国庫短期証券(TB)を2兆円程度、CP等、社債等はそれぞれ5000億円程度、ETFは4500億円、REITは500億円とすることを決定した。白川総裁は国債の買い入れによる効果について、金利には「まだ低下余地がある」と述べた。」
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=aGtAEnL6kfgw
画像
               (東証REIT指数連動型上場投信:SBI証券による)