「老投資家の不吉な予言」は当たるのか

11月13日の日経新聞夕刊に、「老投資家の不吉な予言」として、次のような株価下落予測記事が掲載されていました。

「「FRBはすでに買われすぎの米国株を、危険なほど割高な水準まで押し上げようとしている。相場は遠からず砕け散る」。資産運用大手GMOのジェレミー・グランサム共同創業者は11日、米CNBCテレビでこう語った。1980年代末の日本株バブル、90年代末の米IT(情報技術)ブーム、2007年までの米住宅バブル。相場の天井をことごとく言い当ててきた伝説の老投資家は、すでに株を売り始めたという。」

ジェレミー・グランサム氏の経歴については、十分に承知するところではありませんし、予測の確度も当室の関知するところではありませんが、慎重派の意見として一応傾聴する部分はあるものと思います。ただし、これから米国の株価がまだ上昇するのか、それとも天井をつけて下落に向かうのかは、意見の分かれるところだと思います。

当室がいつも引き合いに出す大和総研の成瀬さんは、①米国中間選挙が終了してバランスの取れた景気対策が発動できる状態となったこと、②増税懸念が低下したこと、③FRBの量的緩和による株価押上げなどから、結構強気です。今週12月1日号の「オール投資」に掲載されているように、「2011年中にNYダウ13000ドル」という見解を述べています。13000ドルという水準は、リーマンショック前の高値に近い水準ですので、そこまで戻るという考えなのでしょう。

当室も、やや強気の見方で、FRBの追加緩和策が2011年6月までは少なくとも継続しますから、上下動はあるにしても、単純に今後半年程度は、米国の株価は堅調であろうと考えています。日本株は、日銀次第ですが、すでに下支え効果は発揮されていますので、米国株が上昇するのであれば、今後ある程度の連動上昇はすることになると思います。「老投資家の不吉な予言」は、しばらくは当たらないというのが当室の見解です。

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◆ウォール街ラウンドアップ・35倍-23倍、老投資家の不吉な予言。(2010/11/13, 日本経済新聞 夕刊)
「「FRBはすでに買われすぎの米国株を、危険なほど割高な水準まで押し上げようとしている。相場は遠からず砕け散る」。資産運用大手GMOのジェレミー・グランサム共同創業者は11日、米CNBCテレビでこう語った。1980年代末の日本株バブル、90年代末の米IT(情報技術)ブーム、2007年までの米住宅バブル。相場の天井をことごとく言い当ててきた伝説の老投資家は、すでに株を売り始めたという。
米国以上に反動安が目立つのが新興国や資源国の株式。12日に今年最大の下落を記録した中国・上海株のほか、今週はブラジルが3%、インドも4%下げた。
ゴールドマン・サックスは10日、中国株への買い推奨を取り下げた。当局の追加引き締めが確実で「短期的に投資の見返りが乏しい」という。米紙によると全米屈指の公的年金であるカリフォルニア州教職員退職年金基金は25億ドル(約2000億円)としていた国際商品への投資計画を10分の1以下に縮小した。商品相場の水準がすでに高く、今から買うのは得策でないと判断した。
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新興国や資源国の長期的な成長見通しは変わっていない。先進国の景気もまずまずで推移しそうだ。だが、余剰マネー期待が持ち上げた相場の「バブル」の部分を、投資家は割高と意識し始めた。グランサム氏は「現金を多めに持ち、時機を待て」と諭している。
(NQNニューヨーク=森安圭一郎)」
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               (NYダウ4年間チャート:SBI証券による)