中国はハードランディングのリスク、過剰投資引き金-ルービニ教授

中国経済の現状に関する分析は、中国政府の姿勢や体質もあって、的確なものがなかなか見当たりませんが、ルービニ教授によるコメントがブルームバーグに掲載されていましたので転載しておきたいと思います(※1)。

中国は、従来から銀行の不良債権が巨額だという指摘があり、かつまた個人が将来に不安を強く抱いているため貯蓄率が50%以上もあるという指摘(※2)、そして有効需要は個人消費が不振(貯蓄率が高いことの裏返し)なため財政と輸出が主体となって創出しているという指摘もありました。それでも成長率が高いので、何とか矛盾は封じ込めることが可能となっていましたが、経済規模が大きくなりますと、巨大になった生産力に対する需要を創出して成長率を維持することは極めて困難になります。その時期がいつになるのかは、予想が付きませんが、それほど遠い将来ではなさそうに感じます。

それにしても、「2013年以降にハードランディング」というルービニ教授の表現が微妙です。中国の公表するデータの信頼感は、教授自身も確証が今ひとつなのかも知れません。

[以下、引用]
◆(※1)中国はハードランディングのリスク、過剰投資引き金-ルービニ教授
(2011/06/13  ブルームバーグより)
「6月12日(ブルームバーグ):米ニューヨーク大学のヌリエル・ルービニ教授は、中国経済について、投資を通じて成長を押し上げる政策が過剰生産能力を生み、2013年よりも後に「ハードランディング」に直面するリスクがあると警告した。ルービニ氏は、世界的な金融危機を予測したことで知られる。

ルービニ教授はシンガポールで11日、「中国は現在、純輸出だけでなく、固定資産投資への依存をますます強めている」とした上で、固定資産投資は国内総生産(GDP)の半分程度にまで拡大していると指摘。「将来的に中国は2つの問題に直面することになる。銀行システムが抱える莫大(ばくだい)な不良債権という問題、そして深刻な生産能力の過剰がハードランディングを引き起こすだろう」と語った。

フィッチ・レーティングスは、中国の記録的な貸し出しと不動産価格の急騰を受けて、同国が13年半ばまでに銀行危機に直面する確率を60%と予想している。

ルービニ教授は「指導者の交代に伴う微妙な政治的移行期となる来年までの政策的課題は、成長率を8-9%に維持する一方、現行を下回る水準にインフレを抑制することだ」としながらも、その後は「固定資産投資と貯蓄を減らし、消費を拡大する」というより大きな難題が待ち受けており、うまく対処できなければ、13年よりも後にハードライディングが起きるとの見方を示した。」
[以上 引用]

[以下、引用]
◆(※2)〔ロイターサミット〕新興国の外貨準備が米国債市場でQE2を穴埋めへ=JPモルガン担当者 (2011年 06月 7日 ロイター)
「[ニューヨーク 6日 ロイター] JPモルガンで新興市場調査部門を統括するジョイス・チャン氏は6日、米連邦準備理事会(FRB)の量的緩和第2弾(QE2)が終了しても、新興市場で急速に積み上がっている巨額の外貨準備がその穴を埋めるため、米国債相場について案じるには及ばないとの見方を示した。ニューヨークで開かれた「ロイター・インベストメント・アウトルック・サミット」での発言。
中国経済については、国内総生産(GDP)の50%を超える高い貯蓄率、政府による金融システムの管理、過小評価されている通貨、農村部から都市部への人口移動の継続といった要因が、持続的な成長につながると指摘。「だから中国がハードランディングに陥るとのシナリオには与する気になれない。これほど水が豊富なのに地面に叩きつけられるはずがない」と述べた。」
[以上 引用]