ギリシャのソブリン格付け、3段階下げ「Ca」に-ムーディーズ

ムーディーズが、ギリシャのソブリン債格付けを引き下げて「Ca」としました(※1)。ムーディーズのプレスリリースによれば、格下げ理由は次の通りです(※2)。

◆「EU による支援策は、ギリシャ国債の事実上全てが、救済目的の債務交換、すなわちデフォルトの対象となる可能性を示唆している。投資家が被る損失額は、交換対象債務の額面価額と、交換債務の市場価値の差となる。IIFは、投資家の損失は20%超となると指摘している。」

要するに、債務の一部切捨て(部分的債務不履行)による救済策は、部分的デフォルトだというわけです。

この符号はかなり強烈です。6月のブログで「格付けCCCゾーンはほとんど倒産同然の評価」と書きましたが、それよりも更に下に落とされてしまいましたので、「倒産状態」としか表現の仕様がなくなりました。

ちなみに、ムーディーズの「Caa1」は、「CCC+」のことで、「Ca」は「CC」のことです。符号の定義としては、ムーディーズのHPによれば次の通りです(※3)。

◆「Caa」・・・安全性が低く、信用リスクが極めて高いと判断される債務に対する格付。
◆「Ca」・・・非常に投機的であり、デフォルトに陥っているか、あるいはそれに近い状態にあるが、一定の元利の回収が見込めると判断される債務に対する格付。
◆「C」・・・最も格付が低く、通常、デフォルトに陥っており、元利の回収の見込みも極めて薄い債務に対する格付。

なお、符号の注記として、「ムーディーズはAaからCaaまでの格付に、1、2、3という数字付加記号を加えている。1は、債務が文字格付のカテゴリーで上位に位置することを示し、2は中位、3は下位にあることを示す。」という解説がありますので、「Ca」と「C」には1、2、3という補助符号が付きませんから、「Ca」の下は「C」しかないこととなります。

米国、欧州ともに不安定要素が大きく、また、中国も高速鉄道の脱線事故が、「一事が万事」、当国経済の先行きを暗示しているようで、当面は、資産は円貨で持つのが最良かも知れません。

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[以下、引用]
◆(※1)ギリシャのソブリン格付け、3段階下げ「Ca」に-ムーディーズ (1)(2011年7月25日 ブルームバーグより)

「7月25日(ブルームバーグ):米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは25日、ギリシャのソブリン格付けを3段階引き下げたと発表した。ムーディーズは、欧州連合(EU)が合意したギリシャ支援パッケージは民間の債権者に「相当」の損失をもたらすと指摘した。

発表資料によると、ムーディーズはギリシャの長期債務格付けを「Ca」とし、従来の「Caa1」から引き下げた。支援策の一環であるギリシャの債務交換が終了した時点で既発・新発債の信用リスクを再査定するとしている。

ムーディーズの上級アナリスト、サラ・カールソン氏はインタビューで、「公表されたEUプログラムと大手金融機関による債務交換提案は、民間債権者が保有ギリシャ国債で相当な損失を被ることを示唆しており、当社はこれを格付けに反映させる必要がある」と説明した。

ギリシャ向け新金融支援パッケージはユーロ圏諸国と国際通貨基金(IMF)が1090億ユーロ(約12兆2900億円)を拠出する。金融機関が500億ユーロを負担。金融機関はギリシャの債務負担を軽減する一連の債務交換と買い戻しに合意する。

世界の金融機関を代表する国際金融協会(IIF)によると、第2次ギリシャ救済の一環として、銀行は債務交換を通じ保有するギリシャ債の評価額を自発的に21%引き下げる。IIFによれば、BNPパリバやソシエテ・ジェネラルなどがギリシャ救済に参加する。

債務交換

ムーディーズは、プログラムは民間投資家が債務交換によって損失を被ること、「つまり、ギリシャ国債のデフォルト(債務不履行)の確率が事実上100%であることを示唆する」と指摘した。

米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)のギリシャ格付けは「CCC」。フィッチ・レーティングスも「CCC」としているが、債務交換が実行された時点で「制限的デフォルト(RD)」格付けとする方針を明らかにしている。ムーディーズには「デフォルト」の格付けはない。

EUの支援案はギリシャを安定化させ他のユーロ圏諸国への感染を阻止することが目的だとムーディーズは解説した。EUの欧州委員会によれば、債務交換がない場合、ギリシャの債務は今年、国内総生産(GDP)の158%に達する。合意された案にはギリシャの銀行を強化するための200億ユーロも含まれる。」

◆(※2)[MIS]ギリシャの格付をCaa1 からCa に引き下げ、見通しは検討中
「2011 年(平成23 年)7 月25 日、ロンドン、ムーディーズ・インベスターズ・サービスは本日、ギリシャの自国通貨建ておよび外貨建て債務格付をCaa1 からCa に引き下げ、格付見通しを検討中とした。
*ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、日本の金融商品取引法上の登録を受けた信用格付業者ではありません。
EU による支援策および主要金融機関による債務交換案は、民間債権者が保有するギリシャ政府債務において多額の経済的損失が発生することを示唆している。検討中の見通しは、債券保有者が債務交換で受け取る債券の市場価値が、現時点で不明であることを反映したものである。債務交換完了後、ムーディーズは、ギリシャ政府の既発債務または新規発行債務の信用力を再評価する。国際金融協会(IIF)の声明(主要金融機関を代表するもの)と共に発表されたEU による支援策は、ギリシャ国債の事実上全てが、救済目的の債務交換、すなわちデフォルトの対象となる可能性を示唆している。投資家が被る損失額は、交換対象債務の額面価額と、交換債務の市場価値の差となる。IIFは、投資家の損失は20%超となると指摘している。
将来的には、EU による支援策と債務交換案により、ギリシャが全般的な債務負担を安定化させ、さらには削減出来る可能性が高まる。また、ギリシャ支援策は、ギリシャの既存債務において秩序を欠く支払い不履行や多額のヘアカット(元本削減)が生じ、それが短期間内に深刻な感染リスクにつながる可能性を抑制することにより、ユーロ圏の全ての国に恩恵をもたらす。とはいえ、ギリシャは依然として中期的に支払能力上の課題を抱える。債務残高は長年にわたりGDP 比100%を大幅に上回っており、財政・経済改革についても依然として非常に大きな実行リスクがある。」
(ムーディーズ・ジャパンHPより。http://www.moodys.com/researchdocumentcontentpage.aspx?docid=PBC_134628

◆(※3)ムーディーズ・ジャパンHPより。http://www.moodys.co.jp/PDF/ratingsdefinitions_mjkk.pdf

[以上 引用]