FRBのツイストオペと、ブラジルの逆イールド

■金融政策としてのオペレーション・ツイスト
ロイター調査では、FRBのツイストオペの実施確率は80%と予想されているようです(※1)。

オペレーション・ツイストは、1960年代の米国で採用されていた懐かしい響きのある金融政策運営で、短期債売却・長期債購入というオペレーションにより、短期金利の高め誘導と長期金利の低め誘導を実施するものです。

理屈通りに効果が出れば、短期金利上昇によってインフレが抑制され、長期金利低下によって設備投資が喚起されるという理想的な金融政策となりますが、現実にはそう簡単には行かないようです。

今回のFRBの意図としては、長期金利の更なる低下を図る姿勢を示すことで、市場心理の好転を狙っているものと思われます。金融政策として、苦心しながら少しずつ手順を踏もうとしてはいますが、各経済主体の借入金返済が継続するバランスシート調整下での米国の需要不足は依然深刻な様相です。

■経済情勢としての逆イールド/ブラジル経済は1年後に景気後退
なお、9月号の雑誌「選択」を読んでおりましたら、「崩落前夜のブラジル経済」という不吉な記事が掲載されておりました。要点は次の通りです。

①ブラジルの債券市場で、今年6月上旬に長短金利差が逆転する「逆イールド現象」が発生した。
②これは景気後退を示す前兆。
③一般的には、逆イールド状態になってから1年~1年半後に景気後退入りする。

政策的に逆イールド方向を意図するオペレーション・ツイストと、ブラジルのように経済現象として逆イールドが自然発生するのとでは、全く意味合いは異なります。

自然発生の逆イールドの場合は、企業を含めた投資家が今後の金利低下(つまり景気悪化)を予想しているために、短期調達・長期運用という投資行動を採用する結果として発生するからです。

逆イールドがマーケットで自然発生した場合は、事態は深刻と解釈して良いものと思います。ブラジル株投資をしている方は、ブラジル経済の動向に十分ご注意ください。

[以下、引用]
◆(※1)ロイター調査:FRBのツイストオペ、実施確率は80%との予想 (2011年 09月 3日 ロイターより)

「[ニューヨーク 2日 ロイター] ロイターが2日の米雇用統計発表後に実施した米プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)調査によると、80%の確率で、連邦準備理事会(FRB)が今後半年間で、短期債を売却し長期債を買い入れる「ツイストオペ」を実施すると予想されている。
予想は、調査の対象となったプライマリーディーラー20社中16社の中央値。

今後半年の間に量的緩和第3段(QE3)が実施されるとの予想も高まった。予想確率の中央値は45%と、8月9日に実施された前回調査での37.5%から上昇した。

一部プライマリーディーラーの間では、9月20─21日の米連邦公開市場委員会(FOMC)でQE3実施が発表される可能性があるとの見方も出ている。

米経済成長見通しは引き下げられた。調査対象となった20社中15社による、2011年国内総生産(GDP)伸び率の予想中央値は1.6%。前回8月9日の調査では1.7%となっていた。

さらに、2012年に米国がリセッション(景気後退)入りする確率の中央値は32.15%と、8月9日時点の30%から上昇した。」
[以上 引用]