ジョージ・ソロス氏: 「米国は既に2番底に突入している」

ソロス氏の発言に一喜一憂するのもどうかとは思いますが、米国経済について、「すでに2番底突入」というさらに一歩踏み込んだ発現があったようですので、掲載しておきたいと思います(※1)。英文では、"I think we are in it already." という分かり易い表現となっています。

ソロス氏の危機打開策としては、欧州財務省の創設を想定しているようです(※2)。それが出来ないならば、2、3の経済規模の小さい国がユーロを離脱する公算が大と見ている印象です。

一方で、ウォールストリート・ジャーナル日本版では、欧州経済が二番底入りの恐れ、という報道記事があり、かなり深刻さが増しているように感じます(※3)。欧米で2番底入りの確度が高まっているのであれば、投資家としては相当な注意が必要です。

その上、日本では増税基調のとんでもない経済音痴な政治情勢となっています。

すでに触れましたように、当室のポートフォリオとしては、4月以降、円貨現金主体としており、仮に大き目の株価下落が発生しても被害はそれほど大きくはならない構成にはなっていますが、日本株や投信も幾分の持ち高がありますので、損失が出ないわけではありません。

依然として円高基調である上に、金を含むコモディティも全般に下げ基調に転じており、現状としては、日本債券か円貨現金主体の構成が最善かも知れません。この場面で積極的に行くのであれば、株式ショート・ポジションも一考の余地はあるものと思います。


[以下、引用]
◆ (※1)ソロス氏:2、3の経済規模の小さい国がユーロ離脱の公算-CNBC  (2011/09/22 ブルームバーグより)
「9月21日(ブルームバーグ):資産家のジョージ・ソロス氏は21日、CNBCとのインタビューで、2つか3つの経済規模の小さい国がユーロ圏を離脱する可能性があるとの見解を明らかにした。

同氏はまた、米国が既に2番底に突入していると語った。」


◆(※2)ソロス氏、ユーロ圏は全域に一つの財務省の共同設立を-FTDに寄稿 (2011/09/22 ブルームバーグより)
「9月22日(ブルームバーグ):著名投資家のジョージ・ソロス氏は、ユーロ圏は全域を対象とする一つの財務省を共同で設立すべきだと、フィナンシャル・タイムズ・ドイツ版(FTD)への寄稿で提言した。

ソロス氏は、ギリシャやポルトガル、アイルランドのデフォルト(債務不履行)に備えるため、ユーロ圏全体のために増税や債券発行を実施できる統一機関の設置を含め、条約の改正が必要だと論じた。」


◆(※3)ユーロ圏経済、二番底入りの恐れ(2011年 9月 23日 ウォールストリート・ジャーナル日本版)

「【ロンドン】英金融情報会社マークイットが22日発表した9月のユーロ圏17カ国の総合購買担当者景気指数(PMI)の速報値は前月を下回る49.2と、景況の改善と悪化の節目となる50を割り込んだ。総合PMIが50を下回ったのは、2009年第3四半期にユーロ圏がリセッション(景気後退)から脱却して以来初めて。そのため、欧州の景気が二番底に陥るのではないかと懸念がさらに強まった。

9月のPMIからは、多くの国の政府が債務削減とソブリン債危機回避を目指して支出を削っていると同時に、企業も経費を削減していることが示されている。

欧州最大の経済国ドイツの景気は改善がほとんど見られない水準まで減速した。同国の総合PMIは50.8と、前月の51.3から低下し、この2年余りで最も低い値になった。これで同指数は8カ月連続で前月比減となった。

また、ドイツの製造業PMIも前月の50.9から50に低下した。同指数が来月も低下するようなことになれば、同国の輸出主導経済を支える製造業の景気が後退していることを意味することになろう。一方、同国のサービス部門PMIは50.3と、製造業PMIより若干良いものの、前月の51.1から低下した。

マークイットの上級エコノミスト、ティム・ムーア氏は「9月のPMI速報値からは、ドイツの民間セクターにおける景気回復が停止寸前であることが示されている」と述べた。さらに、第3四半期全体のPMIは同国が2年前にリセッションから回復して以来最悪の数値であると指摘した。

欧州連合(EU)の欧州委員会がこの日に発表した報告では、ユーロ圏の財政危機の悪化と経済成長の減速を受け、域内の消費者信頼感が悪化していることが明らかになった。

同委員会が発表したユーロ圏17カ国の9月の消費者信頼感指数(速報値)はマイナス18.9と、前月のマイナス16.5から低下。これで3カ月連続の前月比低下となった。

マークイットの調査は景気減速が第3四半期も継続していることを示している。さらに悪いことに、先行指標とされるPMIの新規受注に関するサブインデックスでは、今年の10-12月には景気がさらに悪化することが示唆されている。

RBCキャピタル・マーケッツの欧州担当上級エコノミスト、ジェームズ・アシュレー氏は今回発表されたマークイットの指標について、ユーロ圏の「経済活動が不安になるほど大幅に減速している」ことを示していると指摘した。そして、域内では7月から9月までは経済成長がどうにか維持されたと考えられるが、10月から年末の3カ月間の見通しは「大きく下振れに向かっている」とし、リセッション入りの可能性もあるとの見方を示した。」

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 (NYダウ3年間チャート:SBI証券より引用 2011.09.24)
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 (NY金6ヶ月チャート:フジフューチャーズ㈱HPによる 2011.09.24)

◆George Soros, Billionaire Investor, Says U.S. Already In Recession (Updated: 9/22/11 The Huffington Post )

「For months, people have been speculating about whether the U.S. economy will enter a double-dip recession. At least one billionaire says the debate is over.

George Soros, famed investor, told CNBC Wednesday that rather than the U.S. slipping into recession sometime in the future, "I think we are in it already."

That level of pessimism isn't especially unique, especially among the rich. A recent poll found the wealthy are more pessimistic about the economy than the average American.

Soros, who was on Wednesday named the seventh-richest man in the world, said a main question right now is "whether the rich ought to pay taxes to create jobs or not," lamenting America's failure to enact legislation that "would have balanced the budget over the long term, but would have allowed short-term fiscal stimulus," he told CNBC.

Soros is only the latest public figure to weigh in on the possibility of a double dip. Micheal Spence and Paul Krugman said there was a 50 percent chance of another recession, while World Bank president Robert Zoellick remained optimistic that despite slow growth, an all-out recession would be avoided.

To almost everyone in America, though, a recession is possible, if not inevitable. Indeed, only 9 percent say they are confident a recession will be avoided, according to a recent poll by Bloomberg. Eight in 10 Americans say the country is in a recession already.

Economists, on the other hand, appear slightly more optimistic. Polls from both UBS Wealth Management and Reuters peg the chances of another recession at one in three.」
[以上 引用]