米、新たなリセッション、株価乱高下を警告=米景気循環研究所

■米国は再びリセッションか
嫌な記事が結構続きます。10月3日のウォールストリート・ジャーナル・日本版では、米景気循環研究所が、週間先行指数(WLI)成長指標を基に、米経済は再びリセッション(景気後退)に向かっており、それは政府の対策によって阻止できないとの見方を示したとされています(※1)。

色々な見解がある中で、結局のところ総合的に投資上どう解釈したらいいのかということですが、マクロ経済動向を眺めて判断する当室の立場として一番大きい注目点は、主要各国ともに財政再建に視点と軸足が移っていることです。いずれの国も総じて緊縮財政傾向であり、リーマンショック後の協調的拡張政策とは正反対の情勢となってしまっています。こうした財政政策面の動きは、当然ながら景気には基本的にマイナス効果を持ちます。もちろん、株価もこれを正直に反映してマイナス基調になるものと思います。

財政面が期待薄だとしますと、景気が好転するための相当はかない期待要素としては、金融緩和政策しかありません。しかしながら、金融政策面はすでに超緩和状態にありますし、もともと金融政策は馬車の例えでいうところの手綱の役割ですから、走る意思の乏しい馬(経済)には効果が低く、現状では金融政策だけでの景気浮揚は困難と言えます。手綱で馬を押すわけには行きません。

従いまして、根本的本質的な何らかの解決策が打ち出されない限り、当面は、ユーロ危機や米国地方財政疲弊やら米失業率の高さやら、はたまた米国住宅価格の低迷やら様々な問題点が循環的に指摘されつつ株価は低調な推移となりそうです。いささか心理改善効果のありそうな政策としては、やはり米FRBのQE3くらいでしょうか。


(以下、引用)
◆(※1)米、新たなリセッション、株価乱高下を警告=景気循環研究所 (2011年 10月 3日 ウォールストリート・ジャーナル・日本版)

「【サンフランシスコ】米景気循環調査研究所(ECRI)のラクシュマン・アチュサン氏は9月30日、米経済は再びリセッション(景気後退)に向かっており、それは政府の対策によって阻止できないとの見方を示した。また、こうした景気下降は今後、しばしば起こるだろうという。
ECRIの共同創設者であるアチュサン氏は電話インタビューで「これは新たなリセッションであって、二番底のリセッションではない」と述べ、「われわれはこれを回避できない」と語った。 

30日発表されたECRIの週間先行指数(WLI)成長指標によると、9月23日までの週の米経済成長は年率でマイナス7.2%となり、前週のマイナス6.7%から一段と落ち込んだ。8月に始まったトレンドが続いていることになる。WLIによれば、米経済の強さは今年5月以降衰えている。ECRIは、WLIやその他の指標に基づいて、過去3回のリセッションと回復を正確に予想、誤った警報を発することもなかった。

アチュサン氏は「われわれは経済の弱さが広範囲にわたると予想している」と述べ、「これはコンテ-ジョン(伝染)であり、先行指標の間で燎原(りょうげん)の火のように、消すこともできずに、広がっている」と述べ、「リセッションの性格は統計的なものではない。それは悪循環のフィードバック・ループ(フィードバック を繰り返すことで、結果が増幅されていく現象)だ。売り上げが減少し、生産が減少し、所得が減少し、それがまた売り上げを圧迫する。われわれはその中にあり、こうした後退局面が続くだろう」と予想した。 

 アチュサン氏によれば、連邦準備理事会(FRB)とオバマ政権のいずれの景気刺激努力も、「余りに小さく、余りに遅い」という。政治家や中央銀行は景気循環ほど素早く動けない、と同氏は語った。
 

 同氏は「最良の時期でさえ、政府介入は余りに小さい。つまり、それは景気循環によって矮小化される」と指摘。「今年に入って、こうした先行指標は下降し始めており、弱くなり始めていた。恐らく当時はリセッションに陥らずにすむ公算もあったが、今ではどうにもならない」と語った。 

 アチュサン氏は、2年間で2度目のリセッションは、失業の深刻化と税収の減少につながり、株価が難しい局面に入ることは明らかだ」と述べ、「投資家はアップダウンのもっと激しい循環局面を覚悟すべきだ」と語った。」
(以上、引用)