「影の金融」規制と世界経済の大収縮

前回の当ブログで述べました「底流で緩やかに進行する危機の予感」の正体については、次の通り、週刊エコノミスト2011.09.27号に掲載されておりました金融規制強化による世界的な信用収縮の動きがその一つです(もう一つの要因は、また別途触れます)。

金融面の大きな収縮は、投資上、結構大切な判断ファクターだと思いますので、同記事の要点を掲載しておきます。

週刊エコノミスト2011.09.27号より。
◆「影の金融」規制と世界経済の大収縮

①米巨大投資銀行リーマン・ブラザーズが破綻した2008年9月15日の「リーマン・ショック」から丸3年。ギリシャをはじめ欧州の債務危機も再燃するなか、もう1つの大きなリスクが忍び寄っている。
②それが金融安定理事会(FSB)を中心に、ヘッジファンドなどのシャドーバンキング(影の金融)の規制を強化しようとする動きだ。
③FSBは、すべての金融市場、金融商品、主要金融機関を規制・監督下に置く。
④ヘッジファンドや投資目的会社(SIV)も規制・監督の対象とする。
⑤タックスヘイブンとなっている地域を含め、協力的でない地域には制裁措置を講じる。
⑥加えて、証券監督者国際機構(IOSCO)も、デリバテイブに対する監督・規制指針案を10月のG20に提出・了承を得ると発表。
⑦店頭デリバティブは600兆ドル、シャドーバンキング16兆ドル、ヘッジファンド2兆ドルの残高が規制対象となり、これらが縮小するとすれば、金融市場も実体経済も縮小は避けられない。

なお、FSBは10月のG20でシャドーバンキングの規制・監督強化の政策提言をする予定とされていますので、次回10月14日からのG20には、やや注目しておく必要がある様です。

それにしても、早々と自らのヘッジファンドを手仕舞いしたソロス氏の動きは、あらゆる政治・経済的動向を勘案して為されていることが分かります。規制強化で運用の自由度が制限されることを予測していたのでしょう。


[以下、引用]
◆G20 欧州信用不安へ対応焦点に(NHKニュースWEB 10月9日)

ヨーロッパの信用不安が世界的な経済危機を引き起こしかねないという懸念が強まるなか、先進国に新興国を加えたG20の財務相・中央銀行総裁会議が、14日からパリで開かれ、信用不安の連鎖を食い止めるためにどのような協調態勢を打ち出すかが焦点となります。

ヨーロッパの信用不安は、財政危機に陥っているギリシャにとどまらず、スペインやイタリアなどにも影響が広がることで、世界的な経済危機を引き起こしかねないという懸念が強まっています。こうした情勢のなかで開かれる今回のG20は、日本から安住財務大臣と日銀の白川総裁が出席し、ヨーロッパの信用不安への対応を中心に意見を交わす見通しです。会議で、ヨーロッパ各国は、ギリシャに対する支援や、財政が悪化した国などを支援する「ヨーロッパ金融安定化基金」の機能強化について説明する見込みです。また、ヨーロッパの銀行が保有しているギリシャ国債などの大幅な値下がりで経営悪化に直面していることに対応し、こうした銀行に対する資本増強などについて、どこまで踏み込んだ議論が行われるかも焦点です。一方、日本は、各国の財政赤字の拡大が世界経済の波乱要因になっていることも踏まえ、東日本大震災からの復興と財政再建を両立して進める考えを改めて表明する方針です。世界経済は、成長をけん引してきた新興国からの資金の流出など、新たな懸念も強まってきており、今回のG20では、信用不安の連鎖を食い止めるために、どのような協調態勢を打ち出すかが焦点となります。
[以上 引用]