銀行不良債権「予備軍」44兆円以上

やや遅れましたが、10月10日付けの日経新聞に、不良債権「予備軍」44兆円という太い見出しで、銀行融資に占める要注意債権の比率が上昇している内容の記事がありました。深刻に考え込まざるを得ないような経済実態の重要な底流部分が、よく注意していますと散発的・断片的に、しかし幾分大胆に報道されるのが分かります。

記事の要点は次の通りです。

①全国銀行の不良債権比率は、2%半ばと10年前の1/4にとどまっている。
②しかし、最近の日銀の集計では、要注意先債権を含めると、3月末時点で44兆3000億円となっており、貸出金全体の9.7%に上る。
③これは、5年前の06年3月末(30兆円弱)と比較して1.5倍に拡大している。
④09年12月に政府は中小企業金融円滑化法で銀行に返済猶予を求めるとともに、金融庁の検査指針を緩和したため要注意先債権が増加した。

また、不良債権予備軍の比率グラフ、および銀行自己査定内容は下記の通りです(いずれも日経新聞2011.10.10から引用)。

このグラフには、第二地銀までしか掲載されていませんが、金融機関としては、これ以外にも、信用金庫、信用組合、JAなどが存在しています。当室管理人が危惧しているのは、規模の小さい金融機関ほど、不良債権が多いということです。この情勢では中小金融機関そのものの存立が危うく、従って貸出しが伸ばせるはずもなく、中小企業の苦境と資金の停滞が見て取れます。ギリシャの心配をするどころか、国内にも少しきな臭さが漂っている様な感じでは、当面、日本の景気は低迷せざるを得ないでしょう。


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