2013年に震災大恐慌がやってくる/経済アナリスト・森永卓郎が緊急提言

森永卓郎氏とは波長の合わない部分が結構多いので、当ブログに登場することは稀ですが、今回はダイヤモンド・オンラインで多少いいことも発言していますので、参考までに引用しておきます。

森永氏の発言の要旨は、次の通りです。
①震災復興需要の息切れ時期とタイミングを合わせるような2013年の増税で日本経済は沈没する。
②それ以降は、緩やかなデフレではなく、激烈なデフレがやってくるはず。
③過去のパターンから考えると、給料・ボーナス激減、リストラが蔓延する。実際、昭和恐慌のときには失業率が20%以上にも達した。
④ただし、多額のキャッシュを握っている人は無敵の状態になる。
⑤そのため、今から“ハイパー節約”をはじめて、キャッシュポジションを高めておくのがよい。
⑥投資については、少なくともデフレが止まるまでは様子を見たほうがよい。物価が転げ落ちていく今、最も重視すべきなのは現金と銀行預金である。
⑦個人的には、5年後が「底」だと思っている。富裕層の人たちが、2013年度から日本を深刻なデフレに陥れ、3年ほどボロボロに食い荒らして、最後にインフレへとスイッチを切り替えるとみているからだ。

確かに、現時点で当面キャッシュ・ポジションを手厚くホールドしておくという提案には、当室も賛成です。ユーロ危機の継続、米国の不景気、中国経済のキナ臭さ、野田増税内閣、いずれにしても投資環境はすぐれませんし、加えてデフレである以上はキャッシュ・ポジションも意味を持ちます。

ただし、日本経済の情勢だけで株価が決まるわけではありませんので、海外情勢が好転する場合には、当室が2年間待ちのポジションのままでいるかどうかは不明です。


[以下、引用]
経済アナリスト・森永卓郎が緊急提言!
「2013年に震災大恐慌がやってくる!大増税時代を生き抜く“ハイパー節約術”を実行せよ」
(【第210回】 2011年10月28日ダイヤモンド・オンラインより引用)

日本が東日本大震災からの復興へ向けて前向きに歩き始めたのも束の間、大増税が国民を襲おうとしている。個人負担となる所得税の増税は早ければ2012年度から行われ、消費税についても23日に出された政府案によると、2013年10月に7~8%、15年度中に10%と段階的引き上げられる見通しだ。復興財源捻出のためとはいえ、この時期に増税が行われれば、私たちの家計はどれほど大きな打撃を受けることになるのか。「2013年には大増税に伴う大恐慌に突入する恐れがある」と指摘する経済アナリスト・森永卓郎氏に、大増税時代に備えた『森永流・ハイパー節約生活術』を教えてもらった。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン 林恭子)

“復興需要息切れ”の最中を襲う大増税
激烈なデフレで年収は半分に激減!?
――現在、個人の家計にも直接的な影響を与える所得税や住民税、そして消費税の増税に向けた動きが着々と進んでいます。震災復興の財源とはいえ、この時期に増税が行われれば、日本経済にどのような影響を与えることになるでしょうか。

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もりなが・たくろう/経済アナリスト、獨協大学教授。1957年7月12日生まれ。東京都出身。東京大学経済学部卒業(80年)。日本専売公社、日本経済研究センター、経済企画庁総合計画局等を経て、91年から(株)三和総合研究所(現:三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株))にて主席研究員を経て、現在は獨協大学教授。専門分野はマクロ経済学、計量経済学、労働経済、教育計画。
Photo by Kazutoshi Sumitomo 

私は、もし増税路線を貫く野田政権や同じような政権が今後も続けば、2013年から「震災恐慌」に突入する可能性が極めて高いと考えています。

それは過去の例を見ても明らかです。1995年の阪神大震災発生から2年度の97年から日本は深刻なデフレーションに陥り、それが未だに続いています。また時代を遡れば、1923年に関東大震災が発生し、その4年後の27年には昭和金融恐慌、そして3年後には昭和恐慌に突入した歴史があります。

もちろん過去を振り返っても震災から数年間は、復興需要により景気は維持されます。今年度予算でも10兆円をはるかに超える補正予算が決定しており、そうなれば景気を下支えするのは間違いありません。

ところが、復興需要は必ず息切れをします。道路や港湾の整備は、早ければ2年ほどで終わり、公共事業の減少よって、マイナスの財政効果が出るのは間違いありません。

そうした点を考慮すると、2年後である2013年度から景気は悪化してくるでしょう。にもかかわらず、野田政権は所得税の増税を始め、消費税も2010年代半ばまでに段階的に上げるとしているのです。最悪のケースとして、消費税は2013年度から上がり始める予定ですから、復興需要のカンフル剤が切れるところに追い打ちをかけることになります。それは予測するまでもなく、誰が考えても景気が失速するに決まっています。

こうした政府の動きをみて、私はわざとデフレに導こうとしているのではないかとさえ考えています。激烈なデフレ下では、圧倒的に富裕層に有利に働きます。株や不動産を買い占めるには、天国のような状態です。日本の財閥が一気に太ったのは昭和恐慌のときで、そのことからも明らかです。

恐らくこれから今までのような緩やかなデフレではなく、激烈なデフレがやってくるはずです。そうすれば、多額のキャッシュを握っている人は無敵の状態になるでしょうが、一般の国民は深刻な事態に陥るのです。

――もし、実際に大増税が行われれば、個人の生活にはどのような影響が及ぶでしょうか。

過去のパターンから考えると、給料・ボーナス激減、リストラが蔓延するでしょう。実際、昭和恐慌のときには失業率が20%以上にも達しました。年収も緩やかにではなく、半分や3分の1ほどにまで激減するかもしれません。また、人によってはゼロになることも考えられます。

服はフリマ、買い物は週1回、家は“都会田舎”に!
今すぐ始めたい「森永流・ハイパー節約術」
――大増税時代、そして大不況に突入すれば、お金の遣い方を見直さなければならないと思います。まず、前提となる消費哲学をどう変化させて行動すべきでしょうか。

今すぐ普通では考えられないペースでの節約、つまり“ハイパー節約”をはじめて、キャッシュポジションを高める努力をしてください。デフレが進行する前に、今からキャッシュを積み上げておけば、もっと大きなチャンスが訪れるはずです。そうすれば、普通のサラリーマンでも、田園調布に家を建てられる時代が来るのではないでしょうか。

――では、その“ハイパー節約術”の具体的な方法を「衣」「食」「住」の観点から教えてください。

「衣」については、とにかくお金をかける必要は全くありません。今までのストックもあるでしょうし、安く済ませようと思うならフリーマーケットを活用するとよいでしょう。出展者が店じまいをはじめる夕方に行けば、10円や100円でも買えますし、1000円も使えば抱えきれないほどの商品を持って帰ることができるはずです。

食費を節約するおすすめの方法は、1週間に1回と決めるなど買い物の回数を減らすことです。また、買い物に行く際は、腹もちのよいお菓子などを食べてからいきましょう。おなかが空いていると人間は冷静な判断ができず、ついつい買いすぎてしまったりするからです。

そして、スーパーに到着してからは、カートは使用してはいけません。カートだとどんどん商品を放りこんでしまう危険性がありまます。また、すぐに買い物かごに商品を入れてもいけません。一周まわって、元の位置に戻った時点で、そのとき1番旬で安いものを1週間の総カロリーをざっと計算して、それから買いに動くのです。

したがって、買い物に出かけるときは絶対に献立を決めて行かないことが重要です。何をつくるかは家に帰ってから食材を並べて考えてください。慣れてくれば、じっと食材を見ているだけでだんだん“因数分解”され、1週間分のメニューになるはずです。メニューにならず、余ったものはマヨネーズやケチャップをかければ大抵食べられますから問題ありませんよ。

「住」に関しては、私は個人的には「都会田舎」に住むのが一番よいと思っています。つまり、都会でもなく、田舎でもない都心から50キロ前後の中間地域のことです。

まず挙げられるメリットは、物価が圧倒的に安いことです。ロードサイドの安い店がたくさんあり、東京と比べて3~4割は安いでしょう。また、空気や水がきれいで、自然と触れ合えて、朝は鳥のさえずりで起きることもできます。そして、ショッピングセンターや観光地が近くて生活や娯楽に困ることはありません。

都心マンションでの賃貸暮らしは、おしゃれで便利で素敵だと言われてきましたが、今回の震災でリスクが大きいことが改めてわかりました。都心の小さなスーパーやコンビニは、瞬時に食べ物がなくなりましたが、それは都心マンション暮らしの人たちが部屋をすっきり使うために断捨離をし、スーパーやコンビニを冷蔵庫代わりにしていたからです。それはものすごく危険な暮らしであり、脆弱な基盤の上に成り立っていることは明らかでしょう。

私は震災後、埼玉にある自宅にいましたが、食糧に関しては全く困りませんでした。うちには備蓄部屋があり、飲み物や食べ物を安いときに大量買いし、積み上げているのでなくならなかったのです。車も燃費の良いものを2台置いており、いつもガソリンを満タンにしてあるので、ガソリンパニックのときも1度も入れずに済みました。そういう意味でも、都会田舎で家を所有していることは、今の世の中で生活するならば有利だと思います。

また、今だけではなく、老後においてもローンの払い終わった都会田舎の一軒家に住んでいるのが、最も理想的な暮らしだと考えています。もし会社を辞めて老後を迎えたときに都心の賃貸で住んでいれば、手すりをつけるなどといった改造はできませんし、年金はこれから実質的に下がっていきますから、家賃を払い続けると家計はパンクしてしまいます。

ですから家を買うことをおすすめしますが、これから家を買おうとしている30代~40代の人たちは無理しないことが大切です。都心で買うならば、多くの方が多額の借金をしなければならないからです。その一方で、50キロ圏の都会田舎に住めば、確かに通勤は1時間以上かかりますが、中古でよければ無理をせずに現金でも買えてしまいます。所沢駅からバス便でよければ、90平米くらいで1000万円を切っていますし、徒歩圏内の中古のマンションで1000万円台、新築なら2700万円ほどで購入できるのです。

投資はデフレが止まるまで様子見を
5年後にやってくるチャンスを見極めろ
――年収が激減すれば、一層心配なのが老後の暮らしです。これから老後に備えてできる防衛術を教えてください。

投資については、少なくともデフレが止まるまでは様子を見たほうがよいでしょう。物価が転げ落ちていく今、最も重視すべきなのは現金と銀行預金です。投資は株価がどんどん落ちて、底を打ったところで買えばよいのです。そこまではいつでも買えるポジションを持っておくことが重要です。そうした点からも、もちろん少しずつ買うのはよいと思いますが、現時点で全財産を突っ込むのはやめたほうがいいでしょう。

個人的には、5年後が「底」だと思っています。富裕層の人たちが、2013年度から日本を深刻なデフレに陥れ、3年ほどボロボロに食い荒らして、最後にインフレへとスイッチを切り替えるとみているからです。戻り始めたら早いですから、底はいつ来るか相当しっかりと見極めるようにしてください。」
[以上 引用]