ギリシャ破綻の日/現代ビジネスより

マーケットが思いのほか堅調な中で、あまりマイナス発想はしたくはありませんが、すでに述べました様に、ギリシャ情勢の根本解決はユーロ離脱以外では困難な印象です。現代ビジネスにやや突っ込んだ予測記事がありましたので、参考までに部分的に下記引用しておきます。

ちなみに、要点は次の通りです。

①ギリシャに〝回復〟の見込みがない以上、EUが早めに道筋を立てて破綻させ、ユーロから切り離せば、損失は莫大になるが広がらずにすむ。
②逆にEUが無理をしてでもギリシャを抱え続ければ、ユーロの信認はとりあえず維持される。ただし、ずっと融資などでギリシャを支えなければならず、財政と金融の危機は終わらない。
③ユーロから離脱させ、ドラクマに戻させる方が、世界経済への悪影響は少ないので、最後はそうなると思われる。
④遅くても'12年6月までにはデフォルトさせることになる。
⑤一方で、10月半ば、格付け機関ムーディーズが、フランス国債の格付けを引き下げる方向で検討を始め、その結果を3ヵ月以内('12年1月半ばまで)に発表することになっている。
⑥フランス国債が、現在のトリプルA(最上級)から引き下げられると、EFSFに資金を出すのは事実上ドイツだけになってしまう。それではギリシャを支え切れないので、3ヵ月以内にデフォルトとなる可能性がある。
⑦ギリシャの破綻が事実になった時点で、欧州経済は深刻な収縮過程に入る。

マーケットはおそらくは、(1)ECBによる欧州各国国債の買支えと、(2)いざという場合の米FRBによるQE3、という2点を期待しての堅調さなのだと思います。しかしながら、ECBとFRBが本格対応する前に衝撃が走るケースも考えられます。サブ・プライム・ローン問題の時も、株価の暴落は問題発覚報道の数ヶ月後からやって来ましたので、引き続き、欧州情勢は注視が必要でしょう。

IMF型の緊縮財政による財政再建スキームでは、ギリシャの経済状態は悪化する一方であり、借金は永久に返済できない可能性大です。ギリシャがユーロに留まる限りは、独自の成長政策の採用は困難だと思います。


[以下、引用]
◆世界中の金融マンが固唾を呑むギリシャ破綻はこの日だ (2011年11月09日 現代ビジネスより抜粋)

「ギリシャの運命はこれからどうなるのか。金融アナリストの島本幸治氏が説明する。

「ギリシャのデフォルトについては今、少しでも遅らせたいと考えている欧州の政策当局と、悠長に待っていられないというマーケットの攻防が水面下で繰り広げられています。もはやギリシャが借金を全額自力で返済することは不可能で、実際に7月、返済額を21%減らすことが決定済み。ここからさらに減額幅が増え、10月27日のユーロ圏首脳会議では50%で合意しましたが、さらに大きくなる可能性もあります」

貸した側にすれば、返ってくるはずのお金が半分以上も踏み倒されるとなれば、存亡にも関わる。それでもギリシャに〝回復〟の見込みがない以上、EUが早めに道筋を立てて破綻させ、ユーロから切り離せば、損失は莫大になるが広がらずにすむ。その場合、ギリシャの通貨はユーロからドラクマに戻ることになる。

一方で、EUが無理をしてでもギリシャを抱え続ければ、ユーロの信認はとりあえず維持される。ただし、ずっと融資などでギリシャを支えなければならず、財政と金融の危機は終わらない。どのみちデフォルトが不可避なのであれば、あまりズルズルと長引かせない方がよさそうだ。

スガシタパートナーズ代表の菅下清廣氏も言う。

「債務の5割を棒引きしても、ギリシャが立ち直る保証はない。さらなる棒引きが必要になるでしょう。それなら自己責任でユーロから離脱させ、ドラクマに戻させる方が、世界経済への悪影響は少ないので、最後はそうなると思います。となると、その時期に合わせてデフォルトさせることになりますが、さまざまな手続きを考えると、遅くても'12年6月までということになるでしょう」

12月に破綻の可能性大
国際政治経済学者で参院議員の浜田和幸氏も言う。

「ギリシャがデフォルトするのは長くて1年以内。ただし、ギリシャなど財政危機の国を支援する『欧州金融安定化基金(EFSF)』の負担の配分について、ドイツとフランスが合意できなかった場合は、もっと前の時期に、準備もなく〝突然死〟的なデフォルトになる可能性もあります」

また関係者の中には、一見ギリシャと関係のなさそうな「フランス国債」という要因に注目し、さらに早期のデフォルトを予測する見方もある。外資系金融機関のアナリストが言う。

「10月半ば、格付け機関ムーディーズが、フランス国債の格付けを引き下げる方向で検討を始め、その結果を3ヵ月以内('12年1月半ばまで)に発表することになりました。もしフランス国債が、現在のトリプルA(最上級)から引き下げられると、EFSFに資金を出すのは事実上ドイツだけになってしまう。それではギリシャを支え切れないので、3ヵ月以内にデフォルトとなる可能性があります。特にギリシャの国債償還期に当たる今年12月がそのタイミングではないかと、金融マンたちは固唾を呑んで見守っています」

要するに年内、あと2ヵ月の間にギリシャが破綻してもおかしくないというわけだ。そうなると金融界は大混乱に陥り、冒頭に述べたような他国の連鎖破綻やユーロ消滅につながりかねない。そこまで行かなくても、ギリシャ破綻のインパクトと規模はリーマンショックのそれを大きく上回る---と前出の専門家たちは口を揃える。ジパング経営戦略本部シニアアナリストの増田悦佐氏は言う。

「ギリシャの破綻が事実になった時点で、欧州経済は深刻な収縮過程に入ります。フランスやドイツも悪化し、10年後や20年後に仮にいったん持ち直したとしても、欧州の長期的な没落は止めようがありません。一方、米国の金融依存経済も中国の過剰投資経済も衰退していくので、世界中が最悪の不況期に突入すると思われます」

人類が経験したことのない大恐慌が、いよいよ本格的に幕を開ける---。

「週刊現代」2011年11月12日号より」
[以上 引用]