ダボス会議で欧州債務危機への懸念薄らぐ/ロイターより

ダボス会議でのソロス氏の見解は、これまでの悲観論から一転して楽観的に変化しています。いわく、「危機はもうすぐ急性期を過ぎるだろう。」

イタリア国債は「非常に魅力的」な投機対象だ、というのは、いかにもソロス氏らしい発言ですが、今回の楽観論はすでに同国債を大量に仕込んでいるが故のポジション・トークにも聞こえてしまいます。

当室管理人には、欧州危機はギシリャだけでなく、既に述べました様に、ポルトガル等にも拡大しているようにしか見えません。スペインは失業率が20%以上あり、若年層の失業率は40%以上ですから、1929年の大恐慌の時の米国(4人に1人が失業)並みで、経済状態がまともとは到底思えません。ギリシャの債務問題は、規模的に取りあえずは吸収できて温和なデフォルトとユーロ離脱が可能だとしても、それ以外の国に波及した場合は大混乱になります。

ソロス氏はイタリア国債は大丈夫と見ている様子ですが、ソロス氏が購入した債券は主として1年ものの様ですから、償還までユーロ体制が維持できれば十分だと考えている可能性もあります。

債務危機が解決してマーケットの懸念が薄らいだのではなく、「いい加減飽きてきた」という緊張感の緩みだけなのではないかという感じがします。ただ、マーケットの参加者全員が身構えていますので、大きな崩れはないのかも知れません。


[以下、引用]
◆ダボス会議で欧州に成長戦略を求める声、債務危機への懸念薄らぐ
(2012年 01月 26日 ロイターより )
[ダボス(スイス) 25日 ロイター] 25日開幕した世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)では、ユーロ圏債務危機は峠を越えつつあるが、依然として世界経済への影響が懸念されるとの発言が相次いだ。
危機対策には成長戦略が欠けており、景気の回復が進まなければ指導者の再選は難しいとの声も出ている。

ダボス会議は5日間の日程で開催。2600人の政治家・企業経営者が出席する。

このところ市場関係者の間では、ユーロ圏が景気後退を回避できるのではないかとの期待が広がっており、イタリア、スペインに対する市場の圧力も和らぎつつある。

ギリシャでは債務減免交渉が続いているが、市場では、ギリシャは特殊な事例であり、デフォルトに陥っても他国には波及しないとの声が出ている。

著名投資家のジョージ・ソロス氏は「危機はもうすぐ急性期を過ぎるだろう」と発言。イタリア国債は「非常に魅力的」な投機対象だとの見方を示した。

同氏は「今後発生する可能性があるギリシャのデフォルトを通過すれば、金融市場にメルトダウンの可能性が迫っているこの局面を通過できると思う」と述べた。

ギリシャについては、デフォルトの可能性よりも、ドイツが求める緊縮財政のほうが懸念要因だと指摘。ドイツが求める緊縮財政は「デフレ債務スパイラル」につながるとの見方を示した。

スタンダード&プアーズ(S&P)が今月ユーロ圏9カ国を格下げしたものの、スペイン、イタリア国債利回りは危険水域とされる7%を大幅に下回る水準で推移している。

カナダ中銀のカーニー総裁は「(3年物オペで)イタリア、スペインの短期債の需要が増した。両国には、非常に難しい財政・構造改革を進める一定の余裕ができた」と述べた。
IFO経済研究所が25日発表した1月のドイツ業況指数は前月から上昇。景気後退は避けられるとの見方が出ている。

ただ、ギリシャやポルトガルは深刻な景気後退に見舞われている。スペインとイタリアも景気後退入りが予想されている。」
[以上 引用/マクロ経済動向と資産運用形成研究室]