世界経済は「悪性」のデフレ循環に直面/ソロス氏

多くを説明する必要はないと思いますが、緊縮財政は財政による有効需要を減少させますので、景気にはマイナス効果を持っています。ソロス氏の指摘は、欧州諸国の緊縮財政によるごく当然のマクロ経済政策的マイナス効果を指摘したものです。

「現在の欧州危機の方が08年の金融のメルト・ダウンより深刻で、一行でも欧州の銀行が破綻すれば、その影響は全世界に及ぶ」という発言は、相当に悲観的です。

「新興国は先進国に比べ影響を受けにくい」という「新興国」は、おそらくは中国のことでしょうが、どうでしょう。結構怪しいと当室は見ていますが・・・。


(以下、引用)
◆ソロス氏:世界経済は「悪性」のデフレ循環に直面(ウォールストリートジャーナル日本版より)
2012年 1月 10日

【バンガロール】米国の著名投資家ジョージ・ソロス氏は9日、ユーロ圏の国々が財政赤字抑制のため支出を大幅に削減していることなどから需要の低迷や価格の下落が世界規模で起こり、世界経済は「悪性」のデフレ循環入りしつつあると警告した。

インドの大富豪アジム・プレムジ氏が当地に創立した大学で行われた講演で発言したもので、ソロス氏は、たとえ現在の債務危機を乗り越えられたとしても、国家債務削減のための諸策で、ユーロ圏は「過酷なまでの緊縮財政」の時代が当分続くことになる、と予想した。

ソロス氏は、現在のユーロ圏では欧州金融安定基金(EFSF)が財政の中心的な存在となっているとした上で、この基金をどう使い、その際の財政政策の条件をどうするかドイツなどの資金拠出国が握っている、と指摘した。

同氏はユーロ圏の現在の危機は、2008年の世界金融・経済危機を乗り切るために民間部門融資が減少したのを公的融資で補うため多額の国債を発行したことが原因で「国債の乱発が、今やその健全性に疑問を抱かせる結果になった」と話した。

さらに同氏は、現在の欧州危機の方が08年の金融のメルト・ダウンより深刻で、一行でも欧州の銀行が破綻すれば、その影響は全世界に及ぶと予想した。ただ、新興国は先進国に比べ影響を受けにくいと付け加えた。
(以上、引用/マクロ経済動向と資産運用形成研究室)