ドイツ連銀はユーロ圏分裂に備えている-ソロス氏/ブルームバーグより

前回と同じくブルームバーグの記事です。前回はソロス氏の投稿記事でしたが、今回は公演記事です。

ただし、独連銀がマネーサプライの「無制限な拡大」に反対するのは普通に考えれば当然の事柄ですので、それを根拠として、ユーロ圏が分裂した場合に被る損失を限定する措置を取っていると解釈するのは、やや強弁の域を出ないものと思います。

すでに多くの人が指摘していますように、現在のユーロ加盟国は、日本に例えれば、独自の財政は持っているものの金融政策は嫌でも日銀に従うしかない地方自治体状態であり、地方交付税交付金に相当する所得再配分機能がなければ財政脆弱国経済が成り立たないという状態にあります。

つまりは、財政状態の悪いギリシャやポルトガルなどに対してはドイツが財政支援という名の支援金を無償供与し続けない限り、ユーロ圏経済全体が円満には成り立たないということです。ドイツとしては、それは我慢できないはずですので、ユーロは経済状態の悪い国が脱落する意外には存続できないと思います。

ソロス氏も言うように、財政規律遵守のための財政緊縮で経済状態は悪化して税収が減り、さらにまた財政緊縮が必要となる悪循環に陥りますから、財政規律を無批判に守るのもまた考え物です。

[以下、引用]
◆ドイツ連銀はユーロ圏分裂に備えている-ソロス氏

4月12日(ブルームバーグ):資産家で著名投資家のジョージ・ソロス氏は、ドイツ連邦銀行(中央銀行)が域内共通通貨ユーロの終えんに備えていると指摘し、金融市場は他国がこれに追随することを懸念していると述べた。

同氏は12日ベルリンで講演し、独連銀はマネーサプライの「無制限な拡大」に反対し、ユーロ圏が分裂した場合に被る損失を限定する措置を取っていると語った。

ソロス氏は「これは自己実現する予言だ」として、「独連銀がユーロ分裂に備え始めれば皆が追随せざるを得ない。市場はこれについて考え始めている」と続けた。

欧州中央銀行(ECB)の緊急流動性措置によって同中銀のバランスシートは昨年11月以来約30%拡大し、独連銀のバイトマン総裁はリスクを指摘している。ソロス氏はECBがさらに数年、支援措置を続ければメルトダウンなしのユーロ圏分裂も可能になると指摘。

「オムレツがスクランブルドエッグになることが可能だが、その場合、債権国の中銀は債務国の中銀に対して巨額の債権を持つことになり、その回収は難しいだろう」と語った。

ソロス氏は、欧州のいわゆる財政協定が「機能するはずはない」とも述べ、債務国は財政規則を順守しないことを選ぶか、順守して需要急減を引き起こすかどちらかになると指摘。「いずれにしても債務の比率は上昇し、競争力でドイツとの差は開く」と分析した。

欧州は長期にわたる経済停滞または後退に直面しており、その結果としてのデフレのわなによって欧州連合(EU)の存在が脅かされるだろうとの見方も示した。

原題:Soros Says Bundesbank Guarding Itself Against Euro Break-Up (1)(抜粋)

更新日時: 2012/04/13 00:52 JST ブルームバーグより
[以上 引用/マクロ経済動向と資産運用形成研究室]