株式投資の次の一手はそろそろ「買い!」だ/山崎元より

山崎元さんが、現代ビジネスの「ニュースの深層」において、日本株について強気な見解を表明されました。要点は次の通りです。

①「欧州不安」「日米金融政策」「消費増税問題」は既に相当程度織り込み済み。株式投資の次の一手はそろそろ「買い!」だ。
②今後の株価の動向に大きく影響しそうな要因を列挙すると、以下の通りだ。

(1)欧州の債務問題の今後
(2)日本の景気と企業業績
(3)日銀の金融政策
(4)米国の金融政策
(5)消費税をめぐる政局と政策
(6)いわゆるボルカー・ルールなど世界的な金融規制の動向

③欧州の問題は、未だ大きな問題が残っているが、相場の材料としてはそろそろ「大底」を形成する要因となる可能性がある。
④いわゆる「材料」以外に、株価の位置を確認することも重要だ。主な株価判断指標を5月29日(月曜)の終値でみると、東証一部の平均は、PER(株価収益率)が今期の予想利益に対して11.5倍、PBR(株価純資産倍率)が0.88倍、配当利回りが2.4%と、株価は十分に安い。
⑤総合的に評価すると、1月時点よりも、現在の方が株価に対しては好条件であるのではないか。それで、ほぼ同水準の株価なら、もちろん「リスクを取っても大丈夫なお金で」という条件付きだが、そろそろ「買い!」で出動してもいい状況と思える。
 [山崎元「ニュースの深層」(現代ビジネス)より抜粋 2012年05月30日(水)]

ところで、山崎氏が掲げている6つの不安要因について、当室の見解では、(2)~(6)はいわば端役であって本質的要因ではなく、やはり最大の不安要因は欧州債務危機であると思います。欧州の経済不振は、そのまま中国の経済不振につながりますし、中国の不振は日本の不振にもつながります。

これに対して一人米国のみが、QE3への期待を反映して比較的堅調な株価水準を維持しています。

確かに、日本株はPERやPBRなどの指標だけ見れば、安値圏にあるのは間違いないところではありますが、それだけでは買い向かうことはできません。メインプレーヤーである外国人の心理としては、日本株の指標だけで日本株を買うということはなさそうで、やはり米国株や欧州株とパラレルな買い方をすると解釈しておくのが無難だと思います。

ギリシャは経済規模的に大きくありませんので、仮にユーロを離脱したとしても影響は一時的な激震でお仕舞いになりそうですが、スペイン経済の低迷となりますと、そう簡単ではなさそうです。

スペインの2012年第1四半期の失業率は24.4%、GDP成長率は▲0.4%です。しかし、普通に考えて、4人に1人が失業している状況で、GDP成長率が▲0.4%レベルで収まるはずがなく、本当にGDP集計データが正しいのであれば今後さらに悪化すると解釈するのが妥当です。

買いたいという気は十分にしますが、何らかのプラス兆候が見られるまで、もうしばらく様子見が無難なところでしょう。