リーマン後に酷似する安全資産・金からの逃避/日経新聞WEB刊より

金価格のチャートが、頃合の水準まで低下して来ています。もちろん、円建てで見ていますが、4000円を割り込むようですと、少し検討してみても良いのではないかと思います。

環境問題があるので、金鉱山からの産出量には限界がありますし、一方で中国とインドの民需、そして新興国の中央銀行等の実需、先進国の年金基金など、実需は手堅く存在しそうです。豊島さんが日経新聞WEB刊にやや強気のコラムを書かれています(※1)。
画像
(住友金属鉱山㈱HPより転載)

[以下、引用]
◆(※1)リーマン後に酷似する安全資産・金からの逃避  2012/5/16 / 豊島逸夫の金のつぶやき/日経新聞WEB刊より抜粋

(1)中国、インド経済が減速。しかし、中国では市場構造に大きな変化が見られる。3年前から中国人民銀行が四大商業銀行に対し金業務を解禁し、統制されていた金売買も段階的に自由化。この規制緩和特需が、経済減速のマイナス効果を相殺して余りある状況だ。一方、インドは1990年代に金が自由化され、今や、金が国の主要輸入品になっているほど。そこで、今年は経常収支赤字対策として金への課税強化が発表された。しかし、業界の強い反対でその後沙汰止みとなっている。

そもそも、インドの金需要はブライダルや祭礼などの慶事における縁起物としての購入がコアを占める。花嫁の持参金(持参ゴールド)として金宝飾品が大量に購入されるお国柄だ。花嫁の父としては、嫁ぐ娘には金宝飾品を持たせねば沽券(こけん)に関わる。エコノミスト的に見れば、需要の所得弾力性、価格弾力性が低いのだ。つまり、多少懐が寂しくても気張って買うし、高値圏でも結婚式には間に合わせねばならぬ。

国別年間金需要統計をみると、11年はインド933トン、中国769トン。この2か国で年間金生産量2818トンの丁度60%に当たる1702トンを買い占めた。今年は、年間需要が減少したとしても1500トンは見込める。

(2)リーマン後と劇的に変わったことがある。それは公的部門の金売買。外貨準備としてドル・ユーロの比率を低め、金の比率を高める動きだ。08年には公的部門は235トンの売り越しであった。それが11年には455トンの買い越しに転じている。今年も、3月にはトルコ、メキシコ、カザフスタンなどの新興国が40トン以上の金を外貨準備として購入したことが国際通貨基金(IMF)統計で明らかになった。ドル不安、ユーロ不安が続く限り、この流れは治まるまい。

リーマンショック後の下げ幅21%をベースに考えると、昨年つけた史上最高値1900ドルから21%下げた値位置が丁度1500ドルとなる。日本時間今朝の価格は1540ドル台。かなりの底値圏とみる。
[以上 引用/マクロ経済動向と資産運用形成研究室]