メルケル独政権、ユーロ圏の債務共有への反対が和らぐ兆候/ブルームバーグより

メルケル独政権に変化の兆しがあるようです。ニュース表現が微妙であり、断定的判断は困難ですが、要点として次の点は確認できるでしょう。

①メルケル政権内で、ユーロ圏の危機解決手段として債務を共有化する案への反対が和らぎつつある模様。
②メルケル首相率いる与党キリスト教民主同盟(CDU)経済審議会のクルト・ラウク会長は、ユーロ圏諸国の債務をまとめ、最長で50年をかけて共に返済する案を支持すると述べた。
③債務共有の案について、「ドイツ政府は通貨同盟が壁に突き当たる前に行動する。」
④欧州の当局者らがスペインに対して、救済を受けた他の国ほどの厳しい条件を課さずに同国の銀行を支援する策をまとめようとしている。
⑤メルケル首相は昨年拒否した5賢人委の「欧州償還基金」案を再検討している。
⑥この償還基金はユーロ圏諸国の金準備を裏付けとし、2兆3000億ユーロ(約229兆円)規模と概算される。各国は国内総生産(GDP)の60%を超過した債務を、ユーロ圏諸国が「共同かつ連帯して責任を負う」この基金に移管できる。

先日、メルケル独首相は、現状でもまだユーロ共同債に反対していると書いたばかりですが、周囲の圧力に押されていささかの変化が見られます。本当のところは不明です。が、しかし、ギリシャの選挙で大揺れになるのは回避したいと考えているはずですので、メルケル首相はともかく、「政権の経済顧問や与党幹部」が「欧州償還基金」案に期待しているのは事実でしょう。その実現には時間がかかるとしても、その方向性表明だけはギリシャ選挙の前後に実施する可能性があります。

仮に方向性表明だけでも為されれば、2兆3000億ユーロ(約229兆円)規模は巨大ですので、マーケットは好感しそうです。当室のベア・スタンスは変更とします。

6月11日追記:ベア・スタンス変更とは、すぐに強気で買い進むということではなく、売りポジションの解消およびチャンスを計って買いポジションを形成するという意味合いです。当室はもともと一気買いはせず、様子を見ながら買い増す方法を採用しています。逆に、売る場合は比較的まとめて1~2回で売り切ります。


[以下、引用]
◆メルケル独政権、ユーロ圏の債務共有への反対が和らぐ兆候/ブルームバーグより

6月7日(ブルームバーグ):ドイツのメルケル政権内で、ユーロ圏の危機解決手段に債務を共有化する案への反対が和らぎつつあるもようだ。政権の経済顧問や与党幹部が明らかにした。

ドイツ政府の経済諮問委員会(5賢人委員会)メンバー、ラルス・フェルト氏は6日、ベルリンでのインタビューで、提案されている債務償還基金への支持への「動きが政府内に幾分見られる」と述べた。

メルケル首相率いる与党キリスト教民主同盟(CDU)経済審議会のクルト・ラウク会長は、ユーロ圏諸国の債務をまとめ、最長で50年をかけて共に返済する案を支持すると述べた。同氏はインタビューで、第1次世界大戦に絡むドイツの債務の完済には1世紀近くかかったと例を挙げた。

「欧州の債務状況についても何らかの同様のやり方を見つける必要がある」と語り、メルケル首相はユーロを救うための債務共有の案に同意しなければならないだろうと述べた。「ドイツ政府は通貨同盟が壁に突き当たる前に行動する」と付け加えた。

スペインとイタリア国債の利回り上昇やギリシャのユーロ離脱リスクが高まる中、ドイツ政府に危機対応を求める圧力は増している。キャメロン英首相とオバマ米大統領は「危機を収束させる早急な計画」が必要との認識で一致したと、シェリフ英首相報道官が6日述べている。

スペイン救済をめぐる観測も高まっている。欧州の当局者らがスペインに対して、救済を受けた他の国ほどの厳しい条件を課さずに同国の銀行を支援する策をまとめようとしていると、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は7日に報じた。

メルケル首相は昨年拒否した案を再検討している。同案は5賢人委が策定したもので、独野党はこれを支持している。フェルト氏は現在、いわゆる「欧州償還基金」の提案について理解を深めてもらおうとドイツの各省庁に遊説しているという。

5賢人委のパネルによると、この償還基金はユーロ圏諸国の金準備を裏付けとし、2兆3000億ユーロ(約229兆円)規模と概算される。各国は国内総生産(GDP)の60%を超過した債務を、ユーロ圏諸国が「共同かつ連帯して責任を負う」この基金に移管できるという。

原題:Merkel Allies Signal Progress on Fund to Pool Debts (1)(抜粋)

更新日時: 2012/06/07 20:09 JST
[以上 引用/マクロ経済動向と資産運用形成研究室]