円の一段の上昇が日本経済の懸念材料=IMF専務理事/ロイターより

国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事が、日本経済に関する主な懸念要因として、円の一段の上昇と欧州債務危機が日本の輸出に及ぼす影響を挙げています。ロイター記事の要点は次の通りです。

①円はやや過大評価されている。欧州債務危機でリスク資産からの逃避が加速すれば、円は一段と上昇する可能性がある。
②日本政府・日銀の円売り介入は、他の国と適切な協議を行った場合は正当化できる。
③日本の消費税引き上げ計画は適切でタイミングが好ましい。
④財政を立て直すため、さらなる措置を講じるべきだ。

当室は、以前から1ドル100円程度が妥当という感覚的見地にありますが、その是正策としては円売り介入ではなくて日銀の直接外債購入が必要という立場です。

それにしても、ラガルド専務理事が日本経済の先行きを心配してくれるとは意外でした。クリントン米国務長官が、日本のイラン石油輸入削減政策(禁輸ではなく削減)を絶賛した時と同じような若干の違和感はあるものの、円高論者への反論の一つにはなるでしょう。


[以下、引用]
◆円の一段の上昇が日本経済の懸念材料=IMF専務理事/ロイターより
2012年 07月 6日 17:54 JST
[東京 6日 ロイター] 国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は6日、日本経済に関する主な懸念要因として、円の一段の上昇と欧州債務危機が日本の輸出に及ぼす影響を挙げた。

専務理事は講演で、円はやや過大評価されていると指摘。欧州債務危機でリスク資産からの逃避が加速すれば、円は一段と上昇する可能性がある、と述べた。

世界経済の見通しについて「欧州、米国、主要新興国にとって、過去数カ月間に一段と懸念される状況になった」と指摘。7月16日に公表するIMFの次回の経済見通しが、前回から下方修正される可能性を指摘した。

その後の記者会見では、日本の消費税引き上げ計画は適切でタイミングが好ましい、と評価する一方で、財政を立て直すため、さらなる措置を講じるべきだとの考えを示した。

欧州中央銀行(ECB)が前日、政策金利の引き下げに加え、下限金利となる中銀預金金利をゼロ%に引き下げたことを、インターバンク市場を活性化させる重要な要因になると歓迎した。

円相場については、やや過大評価されているとの見解をあらためて示した上で、日本政府・日銀の円売り介入は、他の国と適切な協議を行った場合は正当化できる、との考えを示した。
[以上 引用/マクロ経済動向と資産運用形成研究室]