シェール革命で米輸入原油依存度42%に低下か-20年ぶり/ブルームバーグより

シェール革命とは、シェールガスとシェールオイルの増産によるエネルギー価格低下とそのプラス経済効果のことを指します。シェールガスとシェールオイルは、2005年から開発が本格化した米国以外にも資源的に多数存在しているようですので、いずれは世界的にエネルギー価格は低下する情勢下にあります。その点は以前少し触れました。

→ 米国のシェールガス大増産、ドル高・円安要因との見方 http://toshukou.at.webry.info/201201/article_14.html

今回のブルームバーグ記事はその断片的続報として引用しておきます(※1)。

また、この記事以外でも、最近では、週刊エコノミスト(2012.8.21号)に関連の特報記事が掲載されていました。その内容を次に要約しておきます。

①シェールガスとシェールオイルという二つのエネルギー革命により、世界経済、金融市場は激変する。
②米国にはLNGの生産・出荷設備が十分整備されていないので、シェールガスの輸出には時間がかかる。タイトオイル(=シェールオイル)の方が輸出向きである。
③タイトオイルの生産コストは約40ドル。原油価格は当面は1バレル65~90ドル、2020年までに80~90ドルで安定する。
④北米の原油生産量は、2011年末で日量1430万バレル。これが2020年には2680万バレルと倍増する見込み。
⑤世界第一位の産油国として米国経済とドルは復活し、2020年の米国経済成長率を年間2.0~3.3%押し上げ、米国経常収支赤字を対GDP比1.2~2.4%押し下げる見込み。
⑥中東の石油に対する米国の依存度が低下するため、
中東の安全保障に対する米国の関与が縮小し、対GDP比4.6%の国防費が削減できる。
⑦日本のメリットが大きい。2011年の日本の鉱物性燃料輸入額は22兆円あり、これが半減すればGDPを2%以上押し上げ貿易収支も黒字転換する。
⑧構造的なドル安に歯止めがかかる。日本の輸出企業への恩恵大である。

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 (週刊エコノミスト 2012.8.21号より)

シェール革命の進展は意外に早期に実現してしまいそうな予感もあり、欧州情勢を睨みつつ、米国株投資には幾分か積極展望を持っておくべきものと思います。

オール投資2012.9.1号で大和証券の成瀬さんが指摘していますように、「株価が下がればQE3が発動されるので、投資家は売るわけにはいかない」という半分痛し痒しのような状況が、米国株を下支えしています。ただし、当面は9月の欧州情勢に要注意、と思います。


[以下、引用]
◆(※1)シェール革命で米輸入原油依存度42%に低下か-20年ぶり/ブルームバーグより

8月23日(ブルームバーグ):ノースダコタ州とテキサス州のシェール(頁岩層)原油生産増で、米国の輸入原油依存度は今年、約42%に低下する見通しだ。これは20年ぶりの低水準。

シミンスキー米エネルギー情報局長は22日にワシントンで開かれたブルームバーグ・ガバメント主催の昼食会で、昨年と比較して輸入原油への依存度が低下していると指摘した。

原油価格の高騰と水圧破砕技術の進歩で、コンチネンタル・リソーシズ、マラソン・オイル、ヘスなどの石油会社がシェールから原油を増産している。水圧破砕技術はノースダコタ州のバッケン層やテキサス州のイーグルフォード層などで使われている。  

シミンスキー局長は「テキサス州イーグルフォード、ノースダコタ州バッケンでの事業は、米国の原油生産と経済成長にとって計り知れない発展をもたらしている」と述べた。

米エネルギー情報局によると、2011年の米国の石油消費に占める輸入の割合は44.8%と、05年の60.3%から低下した。シミンスキー局長は昼食会後の電話インタビューで、今年は約42%になる見通しを示した。

原題:Oil Imports Seen Dropping to 20-Year Low 42% of U.S.Consumption(抜粋)
更新日時: 2012/08/23 13:06 JST
[以上 引用/マクロ経済動向と資産運用形成研究室]