9月米失業率7.8%に低下、パート雇用増で-製造業は減少/ブルームバーグより

米国の失業率が7%台に向けていよいよ低下したのか、と注目しましたが、中身はパート雇用の増加が主因ということの様で、実態的にはそれほど芳しい経済情勢ではなさそうです(※1)。

ただ、パートとはいえ雇用数自体が増加しているということは、それだけ企業の労働需要が増加していることには間違いありませんので、米国の景気回復は少しずつ進行しているという解釈が妥当だと思います。

日経新聞電子版によれば、次のように米国景気の先行きはやや楽観的見通しであり、当室も同様に思います(※2)。

①米景気・雇用情勢は、足元では持ち直しの兆候が増えている。
②米コンファレンス・ボードによると9月の消費者信頼感指数は7カ月ぶりの高水準。年末商戦の売り上げ予想も底堅い数字が並ぶ。9月の製造業景況感は欧州や中国で悪化傾向だったが、米国は4カ月ぶりに景況感の分かれ目の50を上回った。
③個人、企業双方の持ち直しの動きは米家計の重荷となってきた住宅市場の改善が追い風になっている面が強い。米連邦準備理事会(FRB)による量的緩和第3弾(QE3)などによる株高効果も加わって、消費者心理が改善。自動車販売など内需が底堅く推移する一因となっている。

また、米国経済に関しては、大和証券の成瀬さんも次のように楽観的であり、2013年の米国株は自動車と住宅が牽引してバラ色だと見ています(※3)。

①超低金利継続で、景気・企業業績の回復が期待される。
②FRBがQE3を決定。バーナンキ議長は株価の押し上げを狙った措置であることを明言。
③QE3の特徴としては、期間も金額も青天井であること。FRBの政策に逆行する投資家はいない。
④「財政の崖」問題は、2012年末か遅くとも2013年2月までに決着する。大統領選挙が終了すれば、議会との話し合いで円滑に決着するか、株価下落に催促されて渋々決着するかのいずれかという違いだけである。
⑤米国での自動車平均使用年数は10.8年と過去最長で、潜在需要が溜まっている。
⑥中古住宅在庫は適正水準にまで減少、価格も上昇に転換。

米国株は順調に上昇しています。日経平均は相変わらずの低迷ですが、長期低迷株というものは、いきなり上昇を開始することもありますので、日経平均8000円台というのは案外仕込み場なのかも知れません。当室としては、シェール・ガス、シェール・オイル革命の恩恵が、ここ何年かの内に、日本にも結構波及するのではないかと考えています。

画像
 (NYダウ10年チャート:SBI証券より引用)
画像
 (日経平均10年チャート:SBI証券より引用)


[以下、引用]
◆(※1)9月米失業率7.8%に低下、パート雇用増で-製造業は減少/ブルームバーグより

10月5日(ブルームバーグ):米労働省が発表した9月の雇用統計によると、家計調査に基づく失業率は7.8%とオバマ大統領が就任した2009年1月以来の水準に下げた。もっとも失業率の低下は、フルタイム職ではなくパート雇用の増加を反映したものだった。

9月の非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比11万4000人増。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値は11万5000人増だった。前月は14万2000人増と、速報値の9万6000人増から上方修正された。家計調査によると前月の失業率は8.1%だった。

米銀JPモルガン・チェースのシニアエコノミスト、ジェームズ・グラスマン氏は、「状況は改善しつつはあるが、それは巨額プロジェクトを控えて非常に小さな頭金を用意したようなものだ」と述べた上で、「政治的には重要なニュースだ」と続けた。  

家計調査によると、自営業者を含む全就業者数は9月に年次人口調整を除くベースで87万3000人増加した。1カ月の伸びとしては1983年6月以来で最大。このうち約58万2000人がパート職で占められた。

この結果、失業者に加えて経済悪化でパートタイム就労を余儀なくされている労働者や職探しをあきらめた人などを含む広義の失業率は14.7%で前月と同水準にとどまった。

製造業は2カ月連続マイナス

政府職員を除く民間部門の雇用者数は10万4000人増。市場予想では13万人増が見込まれていた。

製造業部門の雇用者は1万6000人減(前月2万2000人減)と、2カ月連続マイナス。建設部門は5000人増、小売りは9400人増にとどまった。政府職員は1万人増と、前月の4万5000人増から伸びが大幅に鈍化した。

9月の平均時給は0.3%増加して23.58ドル。前年比では1.8%上昇と、前月の1.7%上昇をやや上回った。

原題:U.S. Jobless Rate Declines to 7.8%; 114,000 Jobs Added (3)(抜粋)

更新日時: 2012/10/06 00:33 JST


◆(※2)米失業率、9月は7%台に低下 雇用増10万人超す/日本経済新聞 電子版より
2012/10/5 23:31
【ワシントン=矢沢俊樹】米労働省が5日発表した9月の雇用統計によると、雇用動向を敏感に映す非農業部門の雇用者数は前月に比べ11万4000人増えた。失業率は前月を0.3ポイント下回る7.8%と、2009年1月以来、3年8カ月ぶりに7%台に低下した。米雇用はなお力強さを欠く状況だが、足元の米景気指標の多くは持ち直しを示しており、回復の持続力が試される。
画像

ニューヨーク外国為替市場では米雇用回復が続いているとの見方から円売り・ドル買いが拡大。円相場は78円80銭前後まで下落した。

市場予測の平均は雇用者数が12万人増、失業率が8.1%だった。8月の雇用者数も当初の9万6000人から14万2000人増に大幅に上方修正。この結果、雇用者数の増加幅は3カ月連続で10万人を超えた。

分野別にみると9月は製造業は1万6000人減と低調。小売りもマイナスに転じた。一方で医療関連の雇用が堅調で、過去1年でこの分野の雇用は累計で約30万人増えた。教育や輸送関連は増加幅が前月から広がった。全体として内需主体のサービス業が低迷する製造業を補う形だ。

夏場にかけて足踏みした米景気・雇用情勢だが、足元では持ち直しの兆候が増えている。米コンファレンス・ボードによると9月の消費者信頼感指数は7カ月ぶりの高水準。年末商戦の売り上げ予想も底堅い数字が並ぶ。9月の製造業景況感は欧州や中国で悪化傾向だったが、米国は4カ月ぶりに景況感の分かれ目の50を上回った。

個人、企業双方の持ち直しの動きは米家計の重荷となってきた住宅市場の改善が追い風になっている面が強い。米連邦準備理事会(FRB)による量的緩和第3弾(QE3)などによる株高効果も加わって、消費者心理が改善。自動車販売など内需が底堅く推移する一因となっているためだ。

米失業率は7%台に低下したが、大統領選直前としては過去最悪の水準にある。歴代大統領で再選に失敗したフォード、カーター、ブッシュ(父)の各大統領は選挙時点の失業率がいずれも7%を超えていた。7%超で再選を果たした例外は1984年のレーガン大統領だけで、「7%の壁」を崩すのは難しい。

ただ失業率が高くても直近の景気動向が底割れ傾向でなければ現職にそれほど不利にならないとの見方もある。

オバマ大統領は5日、バージニア州内での演説で9月の失業率が7%台に下がったことについて「大統領就任以来、最低水準に低下した。再び米(経済)は前進を始めた」と成果を誇示した。

一方、共和党のロムニー候補は同日の声明で「(就労意欲を失い)労働市場から退出した人を含めれば、実質的な失業率は11%近い」などとオバマ氏の政策を批判。両候補が激しい応酬を見せた。11月6日の大統領選に向け、民主、共和両陣営の経済論戦も一段と活発になりそうだ。

[以上 引用/マクロ経済動向と資産運用形成研究室]

◆(※3)オール投資2012.10.15より。残念ながら休刊のため最終号です。