円安進行で業績・PERが上向き 年内に1万5000円乗せも

今回は、解説するまでもない大和証券成瀬さんの予想です(※1)。当室も14000円までは比較的固いと考えていますが、成瀬さんのいう15000円までは上ブレの範囲かも知れません。外人は必ずどこかで売ってきますので、その動向を見つつ、日経平均がしばらく横這う場面となったなら思案の必要がありましょう。


[以下、引用]
◆(※1)【第210回】 2013年3月26日 成瀬順也(大和証券チーフストラテジスト)
円安進行で業績・PERが上向き 年内に1万5000円乗せも/ダイヤモンド・オンラインより引用

3月15日、日経平均株価が1万2500円を突破。2008年9月8日以来、4年半ぶりの高値を記録した。早くもバブル懸念を唱える向きもあるが、現時点の株価に割高感は感じられない。

1カ月前の当欄で記した為替とPER(株価収益率)の関係を数表化してみた。1ドル=95円、1ユーロ=125円の前提で、主要210社の13年度税引き後利益は47.8%増と予想される。予想PER14倍に相当する日経平均を逆算すると、1万3300円となる。
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筆者は一段の円安進行を想定しており、1ドル=100円、1ユーロ=130円前提での業績予想となり、さらに上方修正される。アベノミクスの成長戦略が評価されると長期期待成長率が高まり、予想PERも上昇して15倍に達するだろう。その場合、日経平均は1万4900円となり、年内1万5000円も視野に入る。

円安を安倍晋三首相がつくり出したと捉えると、懐疑的になる気持ちもわかる。しかし、実際には海外要因が大きい。まず、米国経済の回復期待。昨年から進行してもおかしくなかったドル高を阻んでいたのは財政の崖だろう。しかし、米議会で最も強硬とみられるティーパーティ派が昨年11月の選挙で後退。崖さえ回避できれば米国経済は安泰との見方が広がった。

FRB(米連邦準備制度理事会)が昨年12月に量的緩和の拡大を決定したが、これで最後の緩和と受け止められている。これまでは日本が緩和しても米国の緩和が勝っていたため円高が続いてきた。しかし、米国が打ち止めならば、日本は粛々と緩和を進めるだけで円安になりやすい。たとえ日本銀行総裁が交代しなくても、円高は終わっていた可能性が高い。

さらに、シェール革命である。シェールガスにより、米国の天然ガス生産量は21年に国内消費量を上回り、ネットの輸入国から輸出国に転じるとみられる。現在、米国では貿易赤字の4割を石油・ガスが占めている。これが吹き飛ぶとすれば、為替相場にとっては本当に革命的な出来事である。

このように、いつ円高が終わってもおかしくなかったわけで、安倍政権誕生のタイミングは幸運としか言いようがない。しかし、安倍首相2度目の登板は、そこからが一味違ったようだ。円安・株高というマーケットの信認を武器に次々と成長戦略を打ち出し、それがマーケットで評価されるという好循環が続いている。

ただし、最終的に日本の潜在成長率を高めるには、規制緩和や世代間格差の是正など、抵抗勢力の強い分野でも改革を推進するしかないだろう。参院選が終わってもマーケットの期待に応え続けられるかどうかで、長期期待成長率、ひいては前述の予想PERの水準が決まることとなろう。

(大和証券チーフストラテジスト 成瀬順也)
[以上 引用/マクロ経済動向と資産運用形成研究室]