キプロス 預金者負担最大60%に

キプロスの銀行処理問題は、大口預金者には最大で60%の負担となる様です(※1)。

大口預金者にとっては意図せざるデット・エクイティ・スワップの強制で、1200万円を超える預金のうち37.5%は銀行の株式に転換され、さらに22.5%は今後90日以内にキプロス銀行の資産を詳しく査定したうえで、必要に応じて株式に転換するということですが、踏み倒されてゼロとなるよりはマシだとしても、仮に破綻銀行の株券で「返済」されても無価値なので嬉しくはないでしょう。債務超過部分を減資相殺してお仕舞いとなります。

残る40%は当面は預金封鎖の様です。

銀行預金で余り貯め込んでおくのも考えものということでしょうか。では株式が良いのかというと、そうとも言い切れず、株式は経済危機の折には暴落する可能性が高くなります。実際にキプロスでは株式市場は依然として閉鎖されたままで、株を持っていても換金はできません(※2)。預金封鎖で銀行ATMの引き出し制限があるとするならば、家内のようなタンス預金が案外一番なのかもと思えて来ます。

金融的には経済は破綻することはあっても、国民の日々の生活は継続しますし、モノの消費も変わらず継続します。物価や地価は上昇したとしても、物品の使用価値そのものは変化がなく、また仮に新通貨への切り替えやデノミなどか発生しても単にモノの表示価格があるいは表示尺度が変化変更されるだけですから、結局のところ恒常的にキャッシュフローを生み出す資産には一定の保有価値があると考えられます。

当室が、保有資産としては金利・配当・分配金収益を生み出すものがベターと考えて、リートや高利回り投信などの投資比重が高くなっている理由はそのあたりにあります。

蛇足ですが、かつてソ連が崩壊してルーブルが無価値となった時に、米国に資産を逃がして米ドルを貯め込んでいた富裕層がロシアに舞い戻ってきてまた一財産築いたということです。共産党幹部の6割が海外に資産を逃避させていると言われている中国でも、いずれ同様のことが起こるのかも知れません。本当に心配であれば、外貨資産の比重を高めることになります。

米国はシェール革命で復活しつつありますし、ドル高円安傾向であるとするならば、外貨資産の積み増しも損ではありません。


[以下、引用]
◆(※1)キプロス 預金者負担最大60%に/NHK NEWS WEBより
3月31日 7時31分
経営難に陥った銀行の再建策を決めたキプロスでは、最大手の銀行の預金者が、日本円でおよそ1200万円を超える預金のうち最大で60%の負担を迫られる見通しになり、預金者の反発がさらに強まることも予想されます。

銀行の立て直しを巡って混乱が続いたキプロスは、今月25日、EU=ヨーロッパ連合などから大規模な支援を受ける代わりに、10万ユーロ(日本円でおよそ1200万円)を超える預金の一部をカットし、大手銀行の不良資産の処理に充てるなどして、必要な資金を圧縮することで合意しました。キプロスの中央銀行は30日、高額の預金の扱いについて声明を発表し、最大手の「キプロス銀行」の日本円でおよそ1200万円を超える預金のうち37.5%は銀行の株式に転換し、資本増強に充てるとしています。

さらに、22.5%は今後90日以内にキプロス銀行の資産を詳しく査定したうえで、必要に応じて株式に転換するとしており、最大で合わせて60%が株式に転換される可能性が出てきました。
残る40%は資本増強には使われないとしていますが、地元のメディアは、銀行の再建のめどがつくまで凍結される見通しだと伝えています。
このほか、すでに破綻処理に入った国内第2の「ライキ銀行」の高額の預金者も、多額の負担を迫られる見通しで、預金者の反発がさらに強まることも予想されます。


◆(※2)キプロスで2週間ぶりに銀行の営業が再開/CNN CO.JPより
2013.03.29

ロンドン(CNNMoney) キプロスの銀行は28日、ほぼ2週間ぶりに営業を再開した。ただし預金の引き出しには厳しい限度額(1日300ユーロ)が設けられている。

首都ニコシアの各銀行には預金を下ろす客が列を作った。厳しい警備のなか、大きな混乱は起こらなかった。キプロス株式市場は4月2日まで取引を中止する。

キプロスではギリシャ国債を多く保有していた大手銀行2行が巨額の損失を被り、両行合わせた資本の3分の1が失われる事態となった。

これにより金融危機に直面したキプロスはユーロ圏諸国に支援を要請。支援の条件として、預金者が損失をこうむることが明らかになったことから、16日以降、銀行の営業が停止されていた。

25日にキプロスとユーロ圏は主要2銀行の大幅な再編などを含む支援策で合意した。

今回の危機を招いた大手行2行の10万ユーロ(約1240万円)を超える預金は凍結された。大口預金者には外国、特にロシアの投資家が多く含まれる。

キプロス政府は資本の国外流出を恐れ、資本の移動に制限を加えた。海外でのクレジットカードやデビットカードの利用は月5000ユーロに制限されるほか、キプロスを出国する際の現金持ち出し限度額は1回につき3000ユーロに抑えられている。
[以上 引用/マクロ経済動向と資産運用形成研究室]