市場も驚いた異次元緩和、黒田日銀の「バズーカ砲」炸裂

白川総裁時代とは次元の異なる大幅な緩和策が日銀から提示されました(※1)。報道内容を要約すると、緩和内容は次の様になります。

①政策目標を金利からマネタリーベースの量に変更した。
②長期国債購入の上限を定めていた銀行券ルールは一時停止。
③ETF及びJ─REITの保有残高は、それぞれ年間約1兆円、年間約300億円に相当するペースで増加するよう買い入れる。
④金融市場調節の操作目標をこれまでの無担保コール翌日物からマネタリーベースに変更し、年間60─70兆円に相当するペースで増加させる。
⑤この方針の下で、マネタリーベース(2012年末実績138兆円)は13年末に200兆円、14年末では270兆円となる見込み。
⑥マネタリーベースは2年間で約2倍に、日銀の国債保有額とその平均残存期間を2年間で2倍以上に拡大する。
⑦長期国債の購入について、資産買い入れ等基金を廃止し、成長通貨供給のために行っていた輪番オペに統合。グロス(全体)の買い入れ額をこれまでの月額約4兆円から、毎月の国債発行額の7割に当たる7兆円強とする。
⑧購入対象を40年債を含む全ゾーンの国債とした上で、買い入れの平均残存期間を現状の3年弱から国債発行残高の平均並みの7年程度に延長する。

確かにECBによるLTRO並みのバズーカ砲という印象です。当室としても、ここは素直に、日本株の投資残高積み増しとします。
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(日経平均6ヶ月チャート:SBI証券より引用)

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(週刊ダイヤモンド2013.04.20号より)

◆(※1)市場も驚いた異次元緩和、黒田日銀の「バズーカ砲」炸裂/ロイターより

2013年 04月 4日 16:42 JST
[東京 4日 ロイター] 黒田日銀の「バズーカ砲」に市場も驚いた。長期国債やETFの買い入れ額は市場の予想上限さえ上回ったことで、ドル/円は2円以上円安に振れ、約200円安だった日経平均は272円高まで急反転。10年債利回りは史上最低水準を更新した。

政策目標を金利からマネタリーベースの量に変更したことは、ボルカー元FRB(米連邦準備理事会)議長がとったインフレ退治政策以来の衝撃との声もある。

<ECBのLTROに匹敵>

黒田総裁就任からちょうど2週間。時間の乏しさや購入可能な資産は限られているとの見方から、今回の決定会合ではサプライズはないと高をくくっていた市場参加者も多かったが、黒田東彦日銀総裁が、就任後初の日銀決定会合で打ち出した金融緩和策は、予想されていた緩和メニューがほぼ盛り込まれ、各資産の購入額も市場予想の上限さえ超える内容となった。

長期国債の償還を考慮しないグロスの買い入れ額についての市場中心予想は月5兆円、上限でも6兆円だったが、今回の緩和では7兆円強になる見込みだ。長期国債購入の上限を定めていた銀行券ルールは一時、停止されることになった。上場投資信託(ETF)は市場規模が4.4兆円程度と小さいため、増額されても少額との予想が多かったが、これも市場予想を大きく上回り、ETF及びJ─REITの保有残高は、それぞれ年間約1兆円、年間約300億円に相当するペースで増加するよう買い入れることになった。

シティグループ証券チーフエコノミストの村嶋帰一氏は、ドラギECB総裁のLTRO(長期流動性供給オペ)に匹敵するような黒田総裁の「バズーカ砲」がさく裂したと指摘。「現時点でできるものは全て出したという印象だ。打ち止め感さえ心配されるほどだが、海外勢は日本勢以上に驚きをもって受け止めそうであり、材料出尽くしにはしばらくならないだろう」との見方を示す。

<ボルカー以来の衝撃>

今回の「量的・質的金融緩和」では金融市場調節の操作目標をこれまでの無担保コール翌日物からマネタリーベースに変更し、年間60─70兆円に相当するペースで増加させる。「金利」からマネーの「量」にターゲットを変更したわけだが、市場では「政策目標がわかりやすくなり、市場とのコミュニケーションがとりやすくなる」(国内銀行)と好評だ。

三菱東京UFJ銀行シニアマーケットエコノミストの鈴木敏之氏は「1979年にボルカー元FRB議長が、米国のインフレを止めるために、マネタリーベースの量をターゲットにし、インフレを退治した。黒田総裁がデフレを止めるためにマネタリーベースの量を目標を変更したことは、それ以来のインパクトがある」と驚きを隠さない。

3月ADP全米雇用報告で民間部門雇用者数が5カ月ぶり低水準となったことで、今週末の3月雇用統計に警戒感が強まっている。米10年債利回りは1.811%に低下し、ドル/円も上値が重くなっているが、日本の10年債利回りは0.43%を割り込み、史上最低水準を更新した。「ここまで日本国債の利回りが押し下げられるとドル高/円安要因になる」(国内シンクタンク)との見方が多く、ドル/円は4日夕方時点で95円前半まで上昇。調整が続いていた日経平均も円安を好感し、一気に年初来高値を視界にとらえた。

ただ、中央銀行がマーケットに深く介入することで発生する「歪み」には警戒が必要だ。円債市場の財政規律に対する警告機能は事実上失われてしまった。企業業績も市場の期待ほどには回復していない。衝撃の「余韻」はしばらく続きそうだが、資産価格が経済実体から大きくかけ離れれば、反動も大きくなる。


◆(※2)日銀:長期国債購入を月7兆円強に、マネタリーベースが新目標 (3)/ブルームバーグより

4月4日(ブルームバーグ):日本銀行は4日開いた金融政策決定会合で、長期国債の購入について、資産買い入れ等基金を廃止し、成長通貨供給のために行っていた輪番オペに統合した上で、グロス(全体)の買い入れ額をこれまでの月額約4兆円から、毎月の国債発行額の7割に当たる7兆円強とすることを決めた。決定は全員一致。

併せて、金融市場調節の操作目標を無担保コール翌日物金利から、日銀当座預金と日銀券などを合わせた「マネタリーベース」に変更し、これを年60-70兆円ペースで増加させることを全員一致で決定した。この方針の下で、マネタリーベース(2012年末実績138兆円)は13年末に200兆円、14年末では270兆円となる見込み。

発表文によると、日銀は「量的・質的金融緩和」を導入。消費者物価の前年比上昇率2%という「物価安定目標」を、2年程度の期間を念頭に置いて、できるだけ早期に実現すると表明した。そのための手段として、マネタリーベースは2年間で約2倍に、日銀の国債保有額とその平均残存期間を2年間で2倍以上に拡大する。

黒田東彦総裁をはじめ新正副総裁にとって初めての決定会合で、白川方明前総裁のカラーを払しょくし、レジームチェンジ(体制転換)を印象付けるのが狙い。安倍晋三首相が求める「次元の違う」金融政策を実現するため、黒田総裁は「大胆な金融緩和」を行うと繰り返し表明しており、今回はその第1弾となる。日銀は今後2年間で2%の物価安定目標の実現を目指す。

40年債も買い入れ対象に

長期国債については、イールドカーブ(利回り曲線)全体の金利低下を促す観点から、保有残高が年間約50兆円相当のペースで増加するよう買い入れを行う。購入対象を40年債を含む全ゾーンの国債とした上で、買い入れの平均残存期間を現状の3年弱から国債発行残高の平均並みの7年程度に延長する。いずれも全員一致。日銀の長期国債保有残高を日銀券発行残高以下にとどめる「日銀券ルール」については、「量的・質的金融緩和」の実施に際し、一時的に停止する。

指数連動型上場投資信託(ETF)は年間約1兆円、不動産投資信託(J-REIT)については同約300億円に相当するペースで増加するよう買い入れる。いずれも全員一致で決定した。  

「量的・質的金融緩和」の継続期間については、「2%の物価安定目標の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで継続する」と表明。従来の「実質的なゼロ金利政策と金融資産の買い入れなどの措置を、それぞれ必要と判断される時点まで継続する」から書き換えた。この継続期間に対して、木内登英審議委員が反対票を投じた。
[以上 引用/マクロ経済動向と資産運用形成研究室]