日銀の緩和策は「危険」=円下落止まらぬ恐れ(ソロス氏) は杞憂

日銀の異次元緩和に関連して、ソロス氏が円安に歯止めがかからなくなる危険性を指摘しています(※1)。その根拠として、日本国民が円安を見込んで外貨投資を加速させるケースを想定しています(※2)。

しかしながら、この想定と心配は杞憂であると思います。日本には、ゼロ金利でも、まだまだ頑強に定期預金を取り崩さない人たちが多数いますし、株式投資も金融資産の中では比率が低く、外貨投資もまた同様です。日本国民は、リスクを取って儲けを追及するのではなく、安全性第一と考える人たちが大多数であるので、余程のパラダイム転換をもたらす事変がない限り、キャピタルフライトとは無縁でありましょう。

分散投資の一貫としての外貨資産(外国株式、外債など)の保有は、ポートフォリオの構成要素としては有益ですので、個人の投資スタイルに従った保有は各自なされているものと思いますが、それでもまだ外貨投資のあり方を理解して抵抗感無く実施しているのは少数派なのが実態だと思います。
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(日本銀行:資金循環統計(2012年第4四半期速報):参考図表より)
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 (同上)

[以下、引用]
◆(※1)日銀の緩和策は「危険」=円下落止まらぬ恐れ―ソロス氏
時事通信 4月6日(土)6時17分配信

 【ニューヨーク時事】米著名投資家ジョージ・ソロス氏は5日、米CNBCテレビのインタビューで、日銀が決めた新たな金融緩和策に関し、円の下落がいったん始まると止まらなくなる恐れがあるとの認識を示した上で、「日本が行っていることは極めて危険だ」と警告した。
 ソロス氏は、黒田東彦日銀総裁の下で決定した金融緩和策について、「大変驚く内容で、非常に大胆なものだ」と評し、「日本は緩やかに死に向かっていたが、今や目が覚めた」と語った。


◆(※2)ソロス氏:日銀の新刺激策、円相場の雪崩の引き金に-CNBC/ブルームバーグより
記事を印刷する   4月5日(ブルームバーグ):著名投資家ジョージ・ソロス氏は日銀による金融緩和の拡大が円相場の「雪崩」の引き金になる恐れがあるとの見方を示した。

ソロス氏は5日にCNBCのインタビューで、日銀の景気刺激策の拡大を「センセーション」だと述べ、「非常に大胆な取り組みだ」と論評。政策当局が円安や資本逃避に歯止めをかけられない公算があると述べ、25年間にわたり財政赤字が増加し、経済活性化に失敗した後にこうした新たな政策が採用されたと指摘した。

ソロス氏は香港でのインタビューで、「日本は25年間経済を前進させられずに赤字を積み上げるだけだったため、日本が行っていることは実際のところ非常に危険だ」と発言。「日本の人々が円安が持続しそうだと認識して海外に資金を移すことを望めば、円の下落は雪崩のようになる可能性がある」と話した。

同氏はまた、「彼らの行動で何かが始まれば、彼らはそれを止めることはできないかもしれない」と語った。

原題:Japan’s New Stimulus May Trigger Yen Avalanche, Soros Says(抜粋)
更新日時: 2013/04/05 12:22 JST
[以上 引用/マクロ経済動向と資産運用形成研究室]