投資マネーが先進国に還流-景気悪化のアジアは厳しい時期に

どうも新興国から資金が米国に向けて大きく流出している様子です。まだ米国のQE3の縮小開始時期は不確定ではありますが、近く公表・実施される方向であることは間違いありませんから、それを織り込んでの資金移動ということです。

新興国に投資して、現況下ぐずぐすしていますと、通貨安と株安とのダブルパンチで損失が拡大しますので、投資家としては早急に手仕舞いしておきたいところだと思います。

新興国株ノーポジションの当室としては、本能的にはナンピン買い下がりを行いたい情勢となっている国もあります。もちろん、資金の主力を投下するにはリスクが高い感じがしますので、少額にはなりますが、様子を見ながら債券に分割投資する予定でいます。

過去の推移と比較してまずまずの円高水準で、なおかつ高金利債ということであれば、外債でも損はないと思います。しかしながら、それよりも更にまた円高となることもよくある話なので、十分に情勢を検討し、保有年数を想定することも必要です。

以前、高金利の南ア・ランド債に投資したところ、間もなく急激な円高に見舞われて元本を4割くらい損したことがあり、以来南ア・ランドは当室も敬遠しています。政情も不安定です。ただ、何らかの要因で円高がオーバーシュートする様な場面が到来すれば南アを考えなくもありません。

総合的に判断して、つまるところは米国が景気回復に向かっていますので、数年のうちには新興国にも景気の波が戻って来て、現在の投資も報われるものと思います。

画像
(ブラジル・レアル月足10年間:SBI証券より引用)
画像
(南ア・ランド月足10年間:SBI証券より引用)

[以下、引用]
◆投資マネーが先進国に還流-景気悪化のアジアは厳しい時期に/ブルームバーグより

8月20日(ブルームバーグ): 世界の成長エンジンとしてのアジアの役割が後退している。アジア全般に経済が弱まる中、投資家は資金を域内から大量に引き揚げている。

インド・ルピーは19日に過去最安値を更新。タイはリセッション(景気後退)に陥り、インドネシアは経常赤字の拡大でルピアが2009年以来の安値に下落した。中国の銀行の不良債権は増加しており、今週発表のマレーシアの経済成長率は2四半期連続で5%を下回るとエコノミストは予想している。

流動性の低下や中国の景気減速による商品や製品の需要不振などから、アジア経済の先行きが曇る中、新興市場の株価下落に拍車が掛かり、回復が始まった米国や欧州に投資資金が還流している。米国の金融刺激策の縮小観測を背景に、ブラジルやインドネシアなどの新興国は域内資産への需要減少見通しから、自国通貨の下支えを目指して今年利上げを実施した。

ヘッジファンドのSLJマクロ・パートナーズの共同創業者で元モルガン・スタンレーの外国為替戦略責任者のスティーブン・ジェン氏は「4年前に米国を襲い、2年前欧州をさまよった台風の目は現在、新興国の上空にある」と指摘。「これはアジアにとって重大なことになろう」と語った。

ブルームバーグの集計データによると、今年は米国株で運用する上場投資信託(ETF)に約950億ドル(約9兆2800億円)が流入した一方、途上国のETFからは84億ドルが流出した。米経済改善の兆しを受けて米連邦準備制度理事会(FRB)は来月にも月間850億ドルの債券購入策の縮小に着手する可能性がある。

AMPキャピタル・インベスターズの投資戦略責任者、シェーン・オリバー氏(シドニー在勤)は「振り子が再び先進国の方に揺り戻されている」と述べ、アジアは「一段と厳しく大変な時期に入った」と指摘した。

原題:Capital Flowing Back to Advanced Economies as Asia MarketsSlump(抜粋)
更新日時: 2013/08/20
[以上 引用/マクロ経済動向と資産運用形成研究室]