今後のお金の運用戦略をどうするか?/山崎元氏は外債不可・当室は外債投資可

現在の円高状況下における新興国の高利回り債券への投資を検討している旨を当ブログで書きましたら、山崎元氏が運用方針判断総まとめの様なコラムを現代ビジネスに書いてくれていましたので抜粋・引用しておきたいと思います。同氏は相変わらず外債投資は否定的であり、やめた方が良いとまで断言しています(※1)。

なお、同氏と水瀬さんとの共著である「ほったらかし投資術」ではその外債嫌い方針が色濃く反映され、投資対象としての外債にはほとんどノータッチな内容構成になっていることは以前指摘した通りです。

ところで、現在考えられる国際・国内情勢の不安要素を逐一検討した結果としての、山崎氏の投資方針の結論としては、今回のコラムにおいても、「国内株式」と「外国株式」に対して概ね半々にインデックス・ファンドで投資するのが良い、といういつも通りの見解となっています。

現在の不安要素の最大のものは米国FRBによるQE3の縮小開始ですが、金融引き締めへの転換ではありませんから、株価に一時的調整はもたらすものの、中長期的低迷にはならないものと当室も思います。

ただ、日本の消費税引き上げは、財政政策における「真水」(赤字国債純増)部分が削減される可能性、あるいは赤字国債発行額自体が削減される可能性が高いために、景気と株価にはマイナスの効果を持ちます。多少の法人税減税程度では挽回は無理だと当室管理人は考えています。

現状における大雑把な日本経済の景気動向については、①1ドル100円レベルの円安による輸出拡大効果(プラス効果)、②消費税増税(5%→8%→10%)に伴う赤字国債削減・財政需要削減効果(マイナス効果)、の2つの逆方向の効果が相殺し合って、なおかつ②のマイナス効果の方が大きいと思料されますから、当室管理人は先行きやや悲観的です。①の円安による輸出需要拡大のためには、工場の国内回帰などの経営判断や設備投資の時間もやや必要です。

むしろ現状その兆しがある様に円安による輸入物価上昇の効果の方が早く出現してしまい、なおかつ消費税増税の景気マイナス効果が波及するとしますと、スタグフレーションという悪夢が再来する可能性もあります。

ただし、このコラムの中で山崎さんが、「もう少し円安になる可能性があるので「外国債券」(外貨預金は個人の小口資金では割りが悪いから、いつの時代も止めておく方がいい)はまあまあの可能性がある」と書いているのは注目するべきです。現状を認識して最大限譲歩した同氏特有のへそまがりな表現でありますから、「まあまあ=現状の円高水準は外債投資には有利だ」と山崎さんも認めている、と解釈するのが妥当です。

通貨下落の急激なブラジル、南アなどの債券投資は、現状水準でも妙味ありと当室管理人は見ます。

→ 「中長期的には外貨(外債)投資は儲からないか(2)」http://toshukou.at.webry.info/201107/article_4.html

[以下、抜粋して引用]
◆(※1)山崎元「ニュースの深層」(現代ビジネスより抜粋)
2013年08月28日(水) 山崎 元
消費税増税、チャイナリスク、証券優遇税制廃止、NISA-今後のお金の運用戦略をどうするか?

(1)消費税率引き上げ問題、(2)米国FRB(連邦準備制度理事会)のQE3縮小の可能性、(3)中国経済成長率低下と混乱の可能性、(4)証券優遇税制廃止(12月末)の影響、(5)米国の財政の崖問題、などだ。

筆者は、経済政策として、「激変緩和措置」よりも「消費税率引き上げの先送り」のほうが筋がいいと考えるが、贅沢はいえない。相場への影響を考えると、法人税率引き下げが株式の価値に直接影響することなどから見て、「消費税率引き上げでも、株価は大丈夫」の可能性が大きいと見る。ベストは税率引き上げ見送りだ。消費税率引き上げによる来年の景気腰折れリスクは小さくないし、デフレ脱却に失敗した場合の経済的損害も大きい。

「緩和の縮小」であって、「引き締め」ではないので、米国の経済及び株価が大きく崩れることはないと考える。今後に予想されるQE3の縮小で一番大きな打撃を被るのは、新興国の株式市場ではないだろうか。向こう1、2年、こちらへの影響は心配しておくほうがいい。

中国経済は大きな不良債権問題があり、これが、今後同国経済の重荷になることは間違いないが、中国の銀行システムは実質国有であって大規模行の破綻懸念は小さいと思われる。

結局、目先に懸念要因が複数あって、もやもやした気持ちの悪い状況が続くが、長い目で見ると、日本の金融緩和政策の継続を頼りに、上昇相場は終わっていないといった展開ではないだろうか。

資産別には、「国内株式」、「外国株式」はまあまあだろう。もう少し円安になる可能性があるので「外国債券」(外貨預金は個人の小口資金では割りが悪いから、いつの時代も止めておく方がいい)はまあまあの可能性があるが、今後、米国をはじめとして長期金利が上昇する公算が大きい。「外国株式」を買う場合に「外国債券」も買うと為替リスクが過大になりやすい。「外国債券」は、外国債券に投資する投資信託も含めて止めておいたほうがいい。

リスクを取る資産としては、「国内株式」と「外国株式」に対して概ね半々にインデックス・ファンドで投資することをお勧めする。
[以上 引用/マクロ経済動向と資産運用形成研究室]