キヤノン 円安で国内生産拡大へ

NHKの報道によれば、円安を見越してキャノン等製造業の国内回帰が開始されている様子が伺えます(※1)。

日本から海外に出て行った製造業は戻っては来ないと言い切って世間を惑わしていた野口悠紀雄教授などは、現実を十分に把握していただきたいと思います。企業は利潤を追求しますので、円高で不採算となれば生産拠点を海外移転しますし、逆に円安で採算が取れるようになれば国内生産を復活させます。事は単純であり、概ね製造業は円高対応で海外に出ただけなのであって、それを曲解して「先進国は製造部分を途上国に任せるのが効率的だ」などという理屈にはズレがあります。

企業としての活動目的の第一順位が利益追求であるのは自明の理であり、利益確保、利益拡大を追及するための海外展開、海外進出であって、進出国への社会福祉的貢献というのは、企業としては第二順位の活動展開です。円安となって採算が確保できるのであれば、日本国内での生産の方が言葉や習慣、法制などでも海外展開よりは余程有利ですから、当然国内に回帰する企業は多くなります。もう少し円安が進行すれば、さらに製造業の国内回帰は進行することと思います。


[以下、引用]
◆(※1)キヤノン 円安で国内生産拡大へ/NHK NEWS WEBより
1月8日 20時56分
大手精密機器メーカー「キヤノン」は、今の円安傾向が続けば輸出の採算の改善が見込めるなどとして、今後、国内でカメラや複合機の生産を拡大し、来年にも国内生産の比率を今の42%からおよそ50%に引き上げることになりました。

キヤノンは、いわゆるリーマンショック後の歴史的な円高に対応するため、生産の一部をアジアなどに移した結果、現在、海外での生産比率は60%近くまで高まっています。
しかし、国内外の需要が拡大し、今の円安傾向が続けば輸出の採算のさらなる改善が見込めるなどとして、今後、稼働率を低い水準にとどめていた国内の工場の生産を増やすことになりました。
具体的には、大分県の工場などで国内外で需要が回復している高機能のカメラや複合機などの生産を拡大し、来年にも国内生産の比率を今の42%からおよそ50%に引き上げたいとしています。
また、今後さらに需要が増えれば国内の工場で新規の設備投資も検討するとしています。
このところの円安を巡っては、大手エアコンメーカーの「ダイキン工業」が、家庭向けのエアコンの生産を中国から国内の自社工場に移す方針を明らかにするなど、輸出企業の間で国内生産を拡大する動きも出始めていて、こうした動きがほかのメーカーにも広がって新たな雇用や設備投資につながるのか注目されます。
[以上 引用/マクロ経済動向と資産運用形成研究室]