1月米雇用統計弱く景気失速か?

1月の米国の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比11万3000人増にとどまり、伸びは市場予想の18万5000人増を大きく下回る弱い数字でした(※1)。

そういうことであれば、通常は株価は下落するはずなのですが、雇用低調→米国景気減速→FRBのテーパリングのスピード鈍化→株高という連想からか、逆に2月7日のNYダウは上昇してしまいました。

この連想が実現すれば、それはそれで結構なのですが、FRBの反応が冷淡な場合には揺れ戻しが発生しそうですので、ここは慎重に見る方が良く、超短期的には来週2月10日の週のNYダウは少し下落する可能性もあるものと思います。

こうした目先の経済指標で右往左往・一喜一憂してみても仕方のないことではありますが、株価というものは、目先の弾みででも大きく変動するものなので、慎重に対応するに「如くはなし」ということです。

なお、大局的・中期的には、金融緩和とシェール革命によるエネルギーコストの低下で、米国経済は回復基調にあるという理解で良く、株価のトレンドとしては上向き方向という展望に変化はありません。

NYダウに少しだけ先行して動く米国リートの価格動向も、ここ数日は堅調でありますから、短期的にはNYダウもおそらくは値固め的な動きとなり、先週下げの厳しかった日経平均も一時的に底打ちとなりそうに思います。ドル円相場も年初から円高方向であったものが、ここへ来て底打ち感があります。

大和証券の成瀬さんも、日本株については年内やや楽観的です(※2)。

ただし、中国の理財商品不良化の動向は引き続き要注意ですから、当室としては運用資金の上限を総額の1/2程度に設定し、証券口座の残高を強制的に減額して現預金持ち高を高めておく方針です。SBI証券に余裕資金がありますと、どうしても株に投下してしまいます。

中国の短期金利は、昨年2013年は6月と12月に急騰していますので、今年も6月は要注意の月となります。

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(NYダウ6ヶ月:SBI証券より引用)
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(日経平均6ヶ月:SBI証券より引用)
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(ドル円相場6ヶ月:SBI証券より引用)

◆(※1)1月米雇用統計:識者はこうみる
2014年 02月 8日 00:25 JST
[ワシントン 7日 ロイター] 米労働省が7日発表した1月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比11万3000人増にとどまり、伸びは市場予想の18万5000人増を大きく下回った。

失業率は5年ぶりの水準となる6.6%に低下したものの、景気の失速を示唆する内容となった。

市場関係者のコメントは以下の通り。

●雇用情勢の軟化続けば、緩和縮小ペース鈍化の可能性
<レノックス・ウェルス・アドバイザーズのデービッド・カーター最高投資責任者(CIO)>

残念なことに幾分弱めの結果となったほか、過去の発表分についても、さほど前向きな改定とは言えない。天候を弱い内容の要因とは断言できない。雇用市場の状況は改善しつつあるが、今後も一様でない改善となるだろう。

雇用情勢の軟化が継続するようであれば、米連邦準備理事会(FRB)は緩和縮小ペースを落とす公算が大きく、株式相場への追い風となる可能性がある。

●失望誘うが株式市場は動じない可能性
<リバティービュー・キャピタル・マネジメントのプレジデント、リック・メクラー氏>

失望を誘うほど低い数字だ。天候の問題を考慮するのは簡単ではない。どちらにしても明らかに失望する内容だ。この数字を無視する人たちもいると思うので、(発表を受け株価指数先物は下げたが)株価は戻すだろう。私の予想では横ばい水準になるだろう。それでも失望する内容だ。

●FRB、天候の正常化待ち緩和縮小ペース調整必要か見極めへ
<ピアーポント・セキュリティーズの首席エコノミスト、スティーブン・スタンレー氏>

やや失望を誘う内容だったが、悲惨というわけではない。かなりのノイズが存在する。昨年12月と今年1月の各部門の動向を見ると、天候がプラス、マイナスどちらの影響を与えたのかは判然としない。米連邦準備理事会(FRB)当局者の間からは、緩和縮小路線を変更するハードルは非常に高いとの見方が示されている。FRBは当局者は天候が正常化するのを待ち、その後、調整が必要かどうかを見極める必要が出てくるだろう。

雇用増のペースが変わることは想定していなかった。10、11月は過度に上振れ、12月は11月の反動で、軟調な結果となった可能性がある。

1月については天候のほか、季節調整や過去分の見直しなど、数多くの要因に左右された。重要なことは、雇用ペースは加速しておらず、依然として過去3年間の雇用増トレンドである17万5000─18万人のレンジにとどまっているということだ。


◆(※2)株式こうみる:米景況感の改善確認で持ち直しへ=大和証 成瀬氏
2014年 02月 3日 13:21 JST
[東京 3日 ロイター] -

<大和証券 チーフストラテジスト 成瀬順也氏>

日本株は今週いっぱい厳しい状況が続きそうだ。米景況感の改善が明らかになるまでは新興国に対する懸念が先立ち、日経平均は1万4500円を下値めどに荒い値動きとなりやすい。米雇用統計が強い数値となれば、米連邦準備理事会(FRB)による量的緩和縮小の方向性が間違っていないということが示され、株価も持ち直すとみている。

年始から海外勢の売り越しが続いているが、アベノミクスに対して失望しているわけではない。日銀や財務省は10%への消費増税を決定する時期まで景気を悪化させることはできず、株高をサポートする公算は大きい。足元では短期筋が日本株のおいしい時期がいったん過ぎ去ったと判断しているだけで、長期の海外勢は好業績の個別株を拾っている。短期筋から長期筋への移行が進めば、上昇相場は長続きするだろう。
[以上 引用/マクロ経済動向と資産運用形成研究室]