日米の最低賃金比較とドル円相場

輸出競争力を判断する上で、賃金単価は比較判断の対象として重要な要素ですので、備忘のために米国の最低賃金が掲載されていたロイター記事を引用しておきます(※1)。

その記事によれば、米国の最低賃金は現状では7.25ドルということです。オバマ大統領は、これを引き上げて10.10ドルとしたい様です。

これに対して日本の最低賃金は、時給764円レベルですので、仮に賃金比較で為替レートを判断するとすれば、1ドル=105円ということになります。ちなみに平成25年度は、東京869円、神奈川868円、埼玉785円、千葉777円、全国加重平均764円です。

このドル円相場は、見事に(?)現在の為替水準と概略一致しています。つまり、現在のドル円相場は、日米の賃金水準を均衡させるレベルにあるということですから、輸出競争力的にはフェアということで、米国からは特に文句も出ない水準だということです。

これがまた円安方向に振れれば、日本の賃金単位がドルベースで下落してしまい、日本の輸出競争力が強くなって米国側から文句が出始めるものと思います。

賃金もまた一物一価の法則に従うのであれば、賃金単位(時給)の比較を指標とした為替レート水準の想定もまた一つの判断材料となりそうです。

なお、賃金比較の概数としては、1人当たりGDPでも代替出来るように思い、計算してみましたらこちらは1ドル=76円となりました(2012年のデータ)。この水準では日本の賃金単位は、米国比かなりの割高となってしまいます(7.25ドル×105円÷76円=10.01ドル⇔7.25ドル)。
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(ドル円相場1年間:SBI証券より引用)


[以下、引用]
◆(※1)米最低賃金引き上げ、16年までに50万人の雇用喪失=議会予算局
2014年 02月 19日 06:35 JST
[ワシントン 18日 ロイター] -米議会予算局(CBO)は18日、オバマ大統領と議会民主党の提案通りに連邦法の下での最低賃金を現在の時給7.25ドルから10.10ドルに引き上げれば、2016年終盤までに約50万人の雇用が失われるとの試算を示した。

ただ、最低賃金を引き上げれば、多くの国民が貧困から脱出できるとの見方も示した。

CBOは、最低賃金の引き上げにより米財政赤字は数年間にわたり若干縮小すると予想。ただその後はやや拡大するとの見方を示した。

CBOはまた、最低賃金を9ドルに引き上げた場合の影響も検証。10.10ドルに引き上げた場合と同様、多くの国民が貧困から脱出できるとした。

最低賃金を10.10ドルに引き上げれば、90万人の国民が4人家族の家計の年間収入を2万4100ドルとする貧困ラインを超えると試算。9ドルへの引き上げでも、この数は30万人に上るとの見通しを示した。

また、最低賃金が10.10ドルに引き上げられれば1650万人の所得が増加すると予想。9ドルの場合は760万人の所得増につながるとした。
[以上 引用/マクロ経済動向と資産運用形成研究室]