バフェット氏がインデックス運用を推奨。バフェット指標は妥当(?)

バフェット氏は、個人投資家は自分のように銘柄を選ぶのではなく、S&P500種株価指数構成銘柄全てを含むファンドを買う方が良いかもしれないとし、投資先を分散しコストを最小限に抑えればほぼ確実に満足できる結果が得られる、とコメントしているようです(※1)。

我々のような一般的個人投資家に対しては、中長期インデックス運用を推奨していることは間違いありません。

個別株への集中投資で成功したように見受けられるバフェット氏の意外といえば意外な発言ではありますが、これは個人投資家の弱点である狼狽売りによる損失を戒めたものであることもまた事実です。

現在の日本株のような停滞場面では、動けば動くだけ不思議に損しますので、先般の損切り後は当室もちょこまかした動きを封じているところではあります。

もう一つ気になったのは、「バフェット指標」なるものの存在で、バフェット氏については多数の本や記事を渉猟している当室管理人ですが、今回の日経新聞の記事でこれを初めて知りました(※2)。

その記事によれば、バフェット指標とは、米国の国民総生産(GNP)に対する米国株の時価総額の比率で、ウォーレン・バフェット氏が「いかなる時でも通用する、単独で株式市場の割高・割安を判断する最良の指標」に挙げたことで知られる、とされています。

●バフェット指標=米国株時価総額/米国GDP

そして、この指標が、「直近の時価総額の対GDP比は116%。過去40年の実績からみると、5段階評価で最も割高なゾーンに入っている」ということの様です。

フローであるGDP金額と、ストックである株式時価総額との比較は、分かり易い規模的な比率であり、過去の経験則(変動範囲・変動率)を基準として、現在の株価水準が割高か割安かを判定することは可能であると思います。

当室は、マクロ経済と株価とは、当然ながら中長期的には連動関係にあるものと考えている立場ですので、バフェット指標もまた有効な投資判断材料になるものと考えます。

そして当室のアクティブ運用的立場としては、インデックス投資も、投資時期がいつでも良いというものではなく、バフェット指標が割安を示している時期に行うべきものと思います。

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(GURU FOCUSより引用:http://www.gurufocus.com/stock-market-valuations.php)


[以下、引用]
◆(※1)バフェット氏:素人は「流動性の呪い」に注意を、銘柄選別は無益

2月24日(ブルームバーグ):資産家で著名投資家のウォーレン・バフェット氏は、頻繁な株式売買を避けるよう投資家に忠告した。

バークシャー・ハサウェイの会長であるバフェット氏は投資家向けの年次書簡で、株式投資では不動産を購入する時と同じように、短期的な価格の変動ではなく長期的な収益の可能性に注目するべきだと説いた。書簡の抜粋が24日、フォーチュン誌のウェブサイトに掲載された。

バフェット氏は「農場や集合住宅だったら何十年でもじっと保有していられるのに、大量の株価情報を見せられると大慌てするのはよくあることだ。流動性は文句のつけようのない恩恵であるのに、こういう人々にとっては呪いへと変身してしまう」と記述している。

バフェット氏は1986年から保有しているバークシャーを、バイ・アンド・ホールドの長期投資アプローチによって2800億ドル(約28兆7000億円)規模の企業に育て上げた。コカ・コーラやアメリカン・エキスプレス、ウェルズ・ファーゴの筆頭株主となっている。

バフェット氏によれば、個人投資家は自分のように銘柄を選ぶのではなく、S&P500種株価指数構成銘柄全てを含むファンドを買う方が良いかもしれない。「素人は値上がり銘柄を選ぼうとするべきではない。何も知らなくても投資先を分散しコストを最小限に抑えればほぼ確実に満足できる結果が得られる」という。

原題:Buffett Warns of Liquidity Curse, Celebrates PropertyWagers(抜粋)
更新日時: 2014/02/25 04:26 JST

◆(※2)先進国株高は続くか、「バフェットの指標」が示すリスク
証券部 高井宏章
2014/2/26 19:51日経新聞WEB刊より抜粋

不吉なサインと見られているのが「バフェットの指標」。米国の国民総生産(GNP)に対する米国株の時価総額の比率で、かつて米著名投資家のウォーレン・バフェット氏が「いかなる時でも通用する、単独で株式市場の割高・割安を判断する最良の指標」に挙げたことで知られる。

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「株式市場は著しく割高だ」。バフェットの指標を常時更新している投資情報サイト「GURU FOCUS」はこう警鐘を鳴らす。ここではGNPとほとんど差がない国内総生産(GDP)を使っている。直近の時価総額の対GDP比は116%。過去40年の実績からみると、5段階評価で最も割高なゾーンに入っているという。

実体経済と株式市場の規模を比べるバフェットの指標を世界全体に当てはめると、見えてくるのは“天井”の接近だ。

世界取引所連盟の集計では、2013年時点の世界の株式時価総額は64兆ドル。07年を上回り、過去最高を更新した。国際通貨基金(IMF)の推計では世界のGDPは73兆ドル強。時価総額のGDPに対する比率は87%となる。13年と同じ年率18%で株高が続けば、時価総額はGDPにほぼ並ぶ。これまで100%を超えたのは2000年前後のITバブルと05~06年の信用バブルのときだけだ。

BNPパリバ証券の丸山俊日本株チーフストラテジストは「世界の株式市場が異例の金融緩和に頼っている以上、バブルの色彩を帯びているのは否めない」と話す。米連邦準備理事会(FRB)の緩和縮小という転換点を迎えて新興国市場が苦境に直面しているのは、金融危機後に膨らんだ金融緩和と財政投入のバブルの巻き戻しでもある。

日本の13年の名目GDPは478兆円で、足元の国内株の時価総額は約450兆円。長引く名目ベースの成長率低迷で経済が細り、GDPとのバランスでみれば上値余地はかなり窮屈ともいえる。
[以上 引用/マクロ経済動向と資産運用形成研究室]