中国発 不気味な銅相場の急落

中国政府の公表するGDP成長率には疑問符が付くとしましても、物流や消費量、取引価格などは誤魔化しができません。日経新聞の報道によれば、どうやら中国が震源地となって銅価格が下落している様です(※1)。

ポイントは、次の部分です。

「中国の消費量が世界全体の4割を占める銅や、海上貿易量の7~8割を握る鉄鉱石の相場は中国経済の動きを敏感に映す。銅相場で言えば6000ドル台は黄信号であり、それを割り込むと信号の色は赤に近づく。」

やはり中国の経済実態は相当に悪い印象です。強気基調の当室ではありますが、今回は警戒態勢継続でポジションは縮小させたまま当面様子見とします。


[以下、引用]
◆(※1)中国発 不気味な銅相場の急落
編集委員 志田富雄 2014/3/11 18:44 ニュースソース 日本経済新聞 電子版

国際市場で銅、鉄鉱石といった中国依存度の高い商品の相場が急落している。ロンドン金属取引所(LME)では10日、国際指標となる3カ月先物相場が一時1トン6608ドルまで下げ、昨年6月以来の安値を付けた。鉄鉱石相場は1日で1割近く下げ、1トン100ドル近辺で推移している。世界の株式市場では豪英系BHPビリトンなど資源株の下落にも波及した。
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急落劇の震源地は中国だ。金はもちろん、銅や鉄鉱石の輸入は実需にもとづいたものだけでなく、「資金調達のための担保」を目的にしたものが増えているとの見方が多い。住友商事総合研究所は3月のリポートで「鉄鋼など過剰設備を抱えるセクター向けの貸し出しを当局が規制し、資金調達目的の輸入が増えた」と指摘する。

中国による1月の輸入は誰の目にも「異常な数量」だった。鉄鉱石は前年同月を3割強も上回る8600万トン台。昨年前半までは6000万トン台後半になると「相変わらず中国の需要はおう盛だ」という相場観だったものが、年後半には7000万トン台に突入し、1月には8000万トン台である。銅の輸入も53万6000トンと前年同月に比べて5割強増え、過去最高を記録した。

なにかおかしいぞ、と市場関係者が警戒していたところに起きたのが7日の上海超日太陽能科技(上海市)による中国社債市場初のデフォルト(債務不履行)だ。その後は銅、鉄鉱石とも投げ売りに近い状況となった。資金調達目的で輸入した商品は中国国内で在庫として膨れ上がっている。銅や鉄鉱石の関連企業の経営が行き詰まれば、こうした在庫は国際市場にのしかかる。

米ウォール・ストリート・ジャーナル紙は銅相場の下落が資金を借りた企業の担保価値を下げ、損失を埋めるために銅の投げ売りに走る悪循環の可能性も示唆する。

LME取引の代理店業務を手掛けるオフィスK(東京・国分寺市)の多田克己代表は「中国政府によるデフォルト容認はモラルハザードのまん延に歯止めをかけ、持続的な経済成長につなげる正常化への一歩と言える。ただ、国際商品市場は信用不安やデフォルトの連鎖が止まらなくなる事態も恐れる」と話す。

中国の消費量が世界全体の4割を占める銅や、海上貿易量の7~8割を握る鉄鉱石の相場は中国経済の動きを敏感に映す。銅相場で言えば6000ドル台は黄信号であり、それを割り込むと信号の色は赤に近づく。

今月に入っての相場急落は「正常化への痛み」を示すのか、それとも「中国バブル崩壊の前兆」なのか。少なくとも春節(旧正月)明けから中国の銅調達が活発になり、夏前まで国際相場を押し上げる中国発・強気相場の方程式は崩れた。以前にも増して警戒は必要である。
[以上 引用/マクロ経済動向と資産運用形成研究室]