中国富裕層が香港の高級住宅を叩き売り、本土の信用収縮で/ロイターより

中国の不動産はやはり値崩れしている様子です。ロイター報道では、中国富裕層が香港の高級住宅を叩き売りに入っている様で(※1)、これは中国本土の不動産が値崩れしていることを反映しているものと見られます。

日本でも、不動産価格は東京→首都圏→地方という具合に波及しますから、中国においても本土の下落→香港の下落と理解しても概略妥当ではないかと思います。

欧米の対ロシア制裁は、双方が損しますので、余り大げさな内容にはならないものと解釈していますが、中国の経済不振(不動産価格下落、理財商品不渡り、シャドーバンキングの不良債権化、社債のデフォルト多発など)のマイナス影響は容赦なく日本経済にも波及します。単純に考えれば、円高→日本株下落という影響波及になりそうです。

今回の記事内容を見ますと、日本のバブル崩壊過程を彷彿とさせる様な、かなり深刻な様相を呈する段階に立ち至っています。抜粋すると次の通りです。

*「中国本土の購入者の多くは、市場が過熱していた3年前に香港で大量の不動産を購入した。しかし今、本土の流動性がかなり逼迫してきたため、現金化を望んでいる」

*「中国本土の売り手の中には流動性の問題、例えば本土で経営している企業が何らかの困難に見舞われるといった問題を抱え、キャッシュ確保のために住宅を売却した例が見られる」

*「多くは市場平均を5─10%下回る価格を提示、中には素早く売却するために20%も下げるケースもあるという」

*「(中国の地主に)資金返済を迫っている銀行があり、地主は本土にいくらか資金を戻す必要に迫られている。銀行から強い圧力を掛けられているため、値下げに踏み切っている」

*「彼らにとって最も重要なのは、なるべく早く売却することだ。ここ2週間、値下げに前向きなのは本土の中国人だった。これが香港の不動産市場に何らかの影響を及ぼすのは間違いない」

中国政府は腕力で経済崩壊・信用不安を防止・制圧できるのか、それとも既に諦めているのか、李克強首相の発言を聞くと後者の様相が濃厚な印象を持ってしまいます(※2)。
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(上海総合指数5年間:SBI証券より引用)


[以下、引用]
◆(※1)焦点:中国富裕層が香港の高級住宅を叩き売り、本土の信用収縮で/ロイターより

2014年 03月 20日 12:59 JST
[香港 20日 ロイター] - 中国本土における信用収縮で資金繰りに窮した中国人富裕層が、香港に保有する高級住宅を叩き売りしている。

中国人富裕層は香港の不動産価格高騰を招いた犯人として批判を浴びてきた。2012年第3・四半期に販売された新築高級住宅は、43%が中国人富裕層が購入した。

その後、外国人購入者を対象とした増税が導入され、借り入れコストの上昇も相まって需要は後退。ことしは不動産価格が10%下落すると予想されており、売却を急ぐ動きが強まった。

時を同じくして中国の金融環境が引き締まり、今週は35億元の負債を抱える中国の不動産開発会社が経営危機に陥り金融リスクの広がりが懸念された。

センタライン・プロパティーのアカウントマネジャー、NortonNg氏は「中国本土の売り手の中には流動性の問題、例えば本土で経営している企業が何らかの困難に見舞われるといった問題を抱え、キャッシュ確保のために住宅を売却した例が見られる」と説明した。

不動産の代理店によると、現在香港で売り出されている中古住宅の約3分の1を中国本土の人々が保有しており、この比率は1年前の20%から高まった。多くは市場平均を5─10%下回る価格を提示、中には素早く売却するために20%も下げるケースもあるという。

<ゴーストタウン>

不動産代理店によると、中国本土との境界線から車で約10分、「バレー(Valais)」と名付けられた香港の住宅開発地では、住宅330戸の約4分の1から半分が現在売りに出されている。一戸当たり3000万─6600万香港ドルに達するこれらの住宅は2010年に販売を開始し、初日に3分の1が売れるほどの人気を博した。買い手の約半分は中国本土の人々だった。

地元メディアが今「ゴーストタウン」と呼ぶこの住宅地は、香港の不動産最大手、新鴻基地産(サンフンカイ・プロパティーズ)(0016.HK)が開発。現在は売却を望む中国本土の所有者が増えている。

ジョーンズ・ラング・ラサールのマネジングディレクター、ジョゼフ・ツァン氏は「中国本土の購入者の多くは、市場が過熱していた3年前に香港で大量の不動産を購入した。しかし今、本土の流動性がかなり逼迫してきたため、現金化を望んでいる」と話した。

新鴻基地産の広報担当者によると、バレーの入居率は現在75%。広報担当者は、売りに出ている中古物件の大半は「良い価格での売却を望んでおり、大幅な値下げに前向きではない」と説明した。

<現金化>

バレーからほど近い住宅開発地「ザ・グリーン」は、中国海外発展(チャイナオーバーシーズランド)(0688.HK)が開発した。今年初めに引き渡された住宅の約20%が現在、売りに出されている。半分以上は2012年に本土の中国人が1800万─6000万香港ドルで購入したものだ。

中国海外発展のコメントは取れていない。

コリエールズ・インターナショナルの住宅販売担当エクゼクティブディレクター、リッキー・プーン氏は「(中国の地主に)資金返済を迫っている銀行があり、地主は本土にいくらか資金を戻す必要に迫られている。銀行から強い圧力を掛けられているため、値下げに踏み切っている」と話す。

西九龍地区では新たに開発された地区の多くでアパートの25%近くを本土の富裕層が数年前に購入したばかりだが、今では安値で売りに出している。

新鴻基地産が12年に手掛けた高級不動産プロジェクト、「インペリアル・カリナン」では今月、ある中国人地主が121平方メートルのアパートを1930万香港ドルと、元値を17%下回る価格で売却した。センタライン・プロパティーの西九龍地区支店長、リチャード・チャン氏によると、この地主は代理店に対し、「一刻も早く」売却したいと告げた。

チャン氏は「彼らにとって最も重要なのは、なるべく早く売却することだ。ここ2週間、値下げに前向きなのは本土の中国人だった。これが香港の不動産市場に何らかの影響を及ぼすのは間違いない」と語った。
(Yimou Lee記者)


◆(※2)中国全人代閉幕、李首相が成長目標下振れ容認姿勢/ロイターより
2014年 03月 13日 17:46 JST
[北京 13日 ロイター] - 中国の李克強首相は13日、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)閉幕にあたり記者会見し、厳しい経済環境の中で一部ローンのデフォルト(債務不履行)は「避けられない」と述べ、危機に陥った全ての投資商品を救済する考えはないことを示唆した。

首相は経済が困難に直面していることを認めつつ、中国の見通しに過度に悲観的な見方をする人はこれまで常に間違えていた、と指摘。「われわれは、今年の経済成長を妥当なレンジに維持するための能力とあらゆる手段を持っていると信じている」とした。

また、「われわれは金融商品のデフォルトを望まないが、一部では避けられない」とした一方で、 「システミックリスクや地方からのリスクが発生しないように、監督を強化し、適宜問題を解決する必要がある」と表明した。

李首相は、経済成長がどれほど減速すれば政策手段を発動するのかとの質問には直接答えず、経済成長よりも雇用創出に重点を置くと強調した。

政府は2014年の国内総生産(GDP)成長率目標を7.5%としているが、市場の一部は目標が達成できない可能性を懸念している。

首相は、「GDP成長率目標は約7.5%で、『約』とはつまり、ある程度の柔軟性があり、ある程度の許容範囲があるということだ」とした。

楼継偉財政相も先週、成長率が7.5%をやや上回るか、下回るかは雇用創出ほど重要ではないとの見解を示している。

ただ、国家発展改革委員会の徐紹史主任は前日、7.5%が成長率の下限だとの認識を示していた。

政府は今年、1000万人の雇用創出を目指しており、李首相はそのために必要な成長率が7.2%だとしてきた。昨年は成長率が7.7%で、新たに1300万人程度の雇用が創出された。

不動産市場の問題に関しては、首相は各都市で異なる措置を講じる意向を示した。

「需要や地域ごとの状況の違いに応じて、各都市で異なる措置を講じることが必要だ」と指摘。

また、低所得世帯向けの保障性住宅の建設を推進し、平等に供給されることを確実にすると述べた。

<汚職行為は「誰であろうと許さず」> 一方、李首相は腐敗問題については明確に回答。「汚職行為や腐敗官僚は一切許さない。誰であろうと、地位がどれほど高かろうと、法の前では誰もが平等だ」と述べた。

首相は具体的な名前に言及しなかったものの、中国共産党最高指導部メンバーだった周永康・前党政治局常務委員をめぐる汚職調査が進んでいるとの見方が広まっている。
[以上 引用/マクロ経済動向と資産運用形成研究室]