米、南シナ海に無人偵察機 中国監視強化で三沢に配備

政治向きの話題は当室の担当外の事柄ではありますが、中国情勢の一環として少し触れておきたいと思います。

直近の動きとして、米軍は、アジア回帰の方針のもと、着々と軍事的配備を強化している様子であり、 中国監視強化用の無人偵察機1機を三沢に配備したということです(※1)。

報道では、「今月中にもう1機、三沢基地に配備する見込み。6月から運用を始める。米政府は東・南シナ海の緊迫を受け、早期投入に傾いた」様です。

外交交渉とは言いましても、当方の主張を有利に展開するためには、経済力や軍事力、資源などの強力な保有背景が必要であり、これなしに丸腰で交渉に臨んでも、相手にバカにされるだけでお仕舞いとなってしまいます。

ロシアにしても、欧州に対するエネルギー供給の元配管を握っているから強気に出られるのであり、それなしにはウクライナ東部でいくら住民投票だけ有利に実施してみても始まりません。

水戸黄門の印籠にしましても、諸大名が黄門様の印籠にひれ伏すのは、その背後に徳川の旗本8万騎の軍事力がありありと見えるからひれ伏すのであり、それなしには黄門様の印籠も無力です。旗本1騎に小姓10人が付随する徳川80万の大軍に対抗できる大名はいませんから、その強大な軍事力を背景とした徳川将軍の権威は絶大です。

軍事力は、使用せずとも保有・維持するだけで外交交渉力が格段に向上します。米国の対中国戦略領域は、日本、台湾、フィリピンというラインの様です。


[以下、引用]
◆(※1)米、南シナ海に無人偵察機 中国監視強化で三沢に配備

2014/5/24 14:01 日経新聞WEB刊より
米軍の無人偵察機グローバルホークが初めて日本に配備された(24日)

【ワシントン=吉野直也】米政府は南シナ海などに米軍の無人偵察機「グローバルホーク」を集中投入する方針だ。南シナ海・ベトナム沖で石油採掘を始めた中国とベトナムの緊張が高まっているためだ。挑発を激しくする中国の警戒監視を強化し、偶発的衝突を回避する。1機目のグローバルホークは24日、青森県の米軍三沢基地に到着した。日本への配備は初めて。

米軍が保有するグローバルホークは、一般的な戦闘機が到達できる高さも超える約2万メートルの高高度を30時間以上にわたり自動操縦で飛行できる。米国防総省のカービー報道官は23日の記者会見で「高い監視能力を持つ」と説明しており、軍事衝突を避けながら監視できる利点がある。攻撃能力は備えていないが、相手国の領空付近まで接近し、高性能のカメラで細かく監視できる。

今月中にもう1機、三沢基地に配備する見込み。6月から運用を始める。米政府は東・南シナ海の緊迫を受け、早期投入に傾いた。

南シナ海・ベトナム沖のほか、東シナ海の沖縄県・尖閣諸島付近、朝鮮半島の上空が主な飛行ルートになる予定だ。飛行ルートは事前にプログラムする。

米政府は南シナ海・ベトナム沖の石油採掘など国際法を無視した中国の「力による現状変更」を黙認した場合、国際秩序の維持が難しくなると判断した。米政府にはこのまま中国をけん制する「口先介入」を続けるだけでは、アジア各国の信頼を失いかねないとの危機感もある。中国はオバマ米大統領が掲げるアジア重視が地域の不安定要因と反論している。

米軍の制服組トップのデンプシー統合参謀本部議長は今月15日、ワシントンで会談した中国人民解放軍の房峰輝総参謀長に「挑発的な行動は対立につながる」と自制を求めた。房氏は「中国の領海内での作業であり、当然の行為だ」と開き直ったうえに米軍の偵察行動を非難していた。
[以上 引用/マクロ経済動向と資産運用形成研究室]