中国4大銀に不良債権の影 1~6月、景気減速で収益圧迫

景気が減速すれば、当然の様に銀行の不良債権は増加しますし、逆に景気が拡大すれば不良債権も正常化するのは良くある話です。

中国経済についてもその例外ではない様で、「中国4大銀に不良債権の影」ということで日経新聞に最近の情勢が掲載されていました(※1)。

「国有四大銀行が発表した1~6月期決算によると、6月末時点の不良債権残高は合計で3847億元(約6兆5000億円)と半年前に比べて13.2%増加した」とされ、中国経済は明らかに減速しています。

それにしても、「中国の銀行融資全体に占める不良債権比率は1%前後にとどまる」というのは、余りにも軽微で信用できないように思います。不動産価格の下落や過剰生産、輸出減少などの要因を考慮すれば、もっと比率は高いはずです。最近、中国四大銀行は増資に真剣に取り組んでいる様子が伺えます。それがその証拠でしょう。


[以下、引用]
◆(※1)中国4大銀に不良債権の影 1~6月、景気減速で収益圧迫

2014/8/31 1:30日本経済新聞 電子版

【香港=粟井康夫】中国の銀行の不良債権が増加している。国有四大銀行が発表した1~6月期決算によると、6月末時点の不良債権残高は合計で3847億元(約6兆5000億円)と半年前に比べて13.2%増加した。国内景気の減速による中小企業の業績低迷や不動産市況の悪化が影を落としている。中国の銀行融資全体に占める不良債権比率は1%前後にとどまるが、収益を圧迫する要因になっている。

中国工商銀行、中国建設銀行、中国農業銀行、中国銀行の四大銀行の1~6月期の純利益は合計で前年同期比9.6%増の4725億元と、これまでの2ケタ成長に歯止めがかかった。中でも最大手の工商銀の伸び率は7.0%と、中間決算としてはリーマン・ショック直後の2009年(2.9%増)以来の低い水準となった。

収益を圧迫する要因となっているのが不良債権の増加だ。業種別にみると、製造業や卸売・小売業などに集中している。今年前半の景気減速や海外向け輸出の鈍化を受けて「(沿海部の)広東省や江蘇省、山東省などの中小企業を中心に不良債権が拡大した」(中国銀の張金良副行長)。

住宅は地方都市を中心に値下げが相次いでいる(浙江省杭州市)

中国政府が鉄鋼など過剰供給体質が残る業界のリストラを進める過程で鉄鋼価格が下落し、「(大量の在庫を抱えていた)鋼材商社の不良債権比率が上がっている」(工商銀の易会満行長)。

不動産価格の下落も影を落としている。浙江省温州市などでは住宅価格がピーク時の半分程度に下がったため、融資を返済できなくなる個人が増えた。銀行が担保の投資用不動産の処分を迫られる事例が相次いでいるという。農業銀のリスク管理担当者は「江蘇省、浙江省で融資返済停止が相次いだことが個人向けローンで不良債権が増えた主な要因」と説明した。

中国では全体の融資額が伸びていることに加え、銀行も不良債権を外部に売却するなど直接償却にも積極的で不良債権比率はまだ低水準にある。各行は「国際的な競争相手と比べれば不良債権比率は低い」(工商銀の易行長)などと強調するが、「中国の銀行の資産査定は甘い」(アナリスト)との見方もある。

不良債権の増加は中小企業の資金繰りにも影響し始めている。大手行は資産内容の健全性を維持するため、不動産業者や過剰供給懸念が残る業種への新規融資を絞り込んでいる。年10%を超える高金利を提示するケースもあり、「貸し渋り」を訴える中小企業も増えている。国務院(政府)は中小企業や農業への融資拡大を促しているが、7月の新規貸し出しが急減するなど、実体経済への悪影響を懸念する声も出ている。

中国の銀行業監督管理委員会のまとめによると、全銀行の1~6月期の不良債権増加額は1023億元と、13年通年の992億元をすでに上回った。増加分のほぼ半分を四大銀が占めている。
[以上 引用/マクロ経済動向と資産運用形成研究室]