中国の日本国債売り加速 背景は円安、日中関係?・・・台所事情が苦しいと見るのが妥当。

2014年に入り、中国は日本国債を6000億円売り越している様です(※1)。その原因は、円安傾向による損失回避説、日中関係悪化説など諸説がある様です。

しかしながら、おそらく本当のところは、中国は外貨流出によって台所事情が悪いために、これを補うためにまずは日本国債を売却して穴埋めしているのだと思われます。

もう少し表現を変えるならば、外貨売り・元買い介入ということになります。共産党幹部が大量の資金を海外持ち出し(元売り・米ドル買い)していることは有名で、その防止のための一策としての腐敗撲滅政策ですが、それに加えて日本を始め先進国からの投資資金が激減していますので、中国政府は外貨資金繰り的には本当は困窮して来ているというのが実態だと思われます。

日本国債に続き、いずれ近いうちに、米国債も売却することになって来るものと思います。手持ちの外貨準備は多いように見えましても、減り始めれば早いものです。日本国債の売却は、その兆しと見えます。円安による損失回避程度の理由では売りませんでしょうし、ここへ来て日中関係は修復の兆しが見られますので、これも売却理由とはなりません。本丸は外貨資金繰りの悪化対応と見るのが自然です。


[以下、引用]
◆(※1)中国の日本国債売り加速か 背景は円安、日中関係? 市場に思惑
2014/9/21 6:05日本経済新聞 電子版

中国からの日本国債への資金が流出している。財務省によると、中国は2013年に、日本の中長期債などの債券を約4000億円売り越した。14年に入ってからは売りの勢いが増し、すでに6000億円超を売り越した。一方で米国債については800億ドル超を買い越している。背景には中期的な円の先安観があるとみられるが、市場では日中関係の悪化が背景にあると勘繰る向きもある。

■売越額、14年は6000億円超に拡大

財務省の統計によると、13年の中国の日本の中長期債の売買は2兆3766億円の売り越しだった。短期債は1兆9689億円買い越したものの、債券全体でみれば、売越額は4000億円超と12年の約1.8倍に膨らんだ。14年に入ってもこの流れは続き、中国は7月までに日本の債券を約6600億円売り越している。

欧州の財政危機に対する市場の不安が高まった10年前半、中国は急増する外貨準備の資金を分散するため、日本国債への投資を拡大させているとみられていた。だが11年には東日本大震災や福島第一原子力発電所の事故などを受けて売越額が急拡大。その後も売り越し基調が続いている。

■円安で資産価値目減りを懸念

足元での中国の「日本売り」の背景には何があるのか。市場では「円相場が中期的に下落するとの見方が影響しているのではないか」(みずほ銀行の唐鎌大輔チーフマーケット・エコノミスト)との見方が有力だ。円安になれば、中国が保有する日本国債などの価値が下がってしまうためだ。

実際、昨年4月の日銀の異次元緩和後に円相場は1ドル=90円台前半から109円台まで下落。市場では、米利上げ観測の高まりによる日米金利差の拡大を受けて、円相場はほどなく110円台まで下落するとの見方もある。

■異次元緩和で影響みられず

一部の債券アナリストからは「尖閣諸島などを巡る日中関係の悪化を受けて、中国が日本国債への売りを膨らませているのではないか」との見方も浮上している。日本政府が12年9月に沖縄県・尖閣諸島を国有化したことなどを巡って対立が激しくなり、中国側が財政事情の厳しい日本の国債を売っているとの見方だ。

一般に中国などが大量の日本国債を売れば、日本の金利に上昇圧力がかかる。ただ日銀が昨年4月に異次元緩和を導入し、大量の国債を購入しているため、今のところ債券市場にほとんど影響は出ていない。

市場では、中国の投資ファンドとみられる「OD05」が昨秋から日本企業の上位株主から相次いで姿を消したことについて、「信託名義を換えただけで、実際は投資している」との臆測が流れている。このため「債券でも同様の動きがあるのではないか」との観測もある。一方で「理財商品の債務不履行(デフォルト)問題を懸念する中国政府などが、資産を売却してリスクに備えているのではないか」(ちばぎん証券の安藤富士男顧問)との見方もある。

中国の「日本売り」を巡って、さまざまな臆測が流れる金融市場。ただ、その根拠はそれぞれ決め手を欠いている。中国資金の日本流出が加速するようなら、売りの背景を巡る市場の関心はますます高まりそうだ。〔日経QUICKニュース(NQN) 日高広太郎〕
[以上 引用/マクロ経済動向と資産運用形成研究室]