減産は利益にならず、価格20ドルでも=サウジ石油相

ロイターによれば、サウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相は、原油価格がどれだけ下落しようとも、減産は石油輸出国機構(OPEC)の利益にはならないと加盟各国を納得させたと述べたということです(※1)。

しかも、価格がバレルあたり100ドルに戻ることは「おそらくないだろう」との見方を示したという驚異的発言が含まれています。

ここまでの決意が背後に存在するのだとすれば、原油価格は当面現状維持か、更なる下落ということとなりそうです。サウジの発言なので、おそらくはその通りになるのでしょう。

が、しかし、狙いはシェールオイル潰しなのか、はたまた米国に協力したロシア制裁の一環なのか、それとも別に予想外の目的があるのか、その真意は不明です。

普通に考えれば、マーケットシェアを確保するための、なりふり構わぬ低価格競争と見えなくもありません。OPECという価格カルテルは、原油生産が地中埋蔵からの採掘という限定された生産方式で、かつそれが地域偏在していたが故に成立していた強力な価格維持手段でしたが、今後、シェールオイルが旧産油国以外から大量に供給され、かつまたバイオエネルギーの開発なども競争相手として登場していることなどから、OPEC(サウジ)としても危機感が尋常ではないのだと思われます。OPECという価格カルテルは、おそらく崩壊するものと予想され、日本にとっては好都合な風向きとなりそうです。
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(原油(WTI原油先物)6ヶ月チャート:SBI証券より引用)


[以下、引用]
◆(※1)減産は利益にならず、価格20ドルでも=サウジ石油相

2014年 12月 23日 01:35 JST/ ロイターより

[ロンドン 22日 ロイター] - サウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相は、原油価格がどれだけ下落しようとも、減産は石油輸出国機構(OPEC)の利益にはならないと加盟各国を納得させたと述べた。

中東経済専門誌、ミドル・イースト・エコノミック・サーベイ(MEES)とのインタビューで同相は、「OPECの政策として、加盟国、そして今やバドリ事務局長も納得させた。価格がいくらであろうと加盟国が減産することは利益にならない。20、40、50、60ドルに下落してもだ」と述べた。

同相はまた価格がバレルあたり100ドルに戻ることは「おそらくないだろう」との見方を示した。

◆(追加掲載:2014.12.27)
サウジ石油相「1バレル20ドルでも減産せず」 シェア優先

2014/12/26 23:50日本経済新聞 電子版

【ドバイ=久門武史】サウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相は1バレル20ドルまで下がっても減産に動かない考えを示す。財政の一時的な悪化を容認してでも、台頭する北米のシェールオイルなどとの価格競争に耐え、原油市場でのシェアの維持を優先する方針だ。

「減産したらシェアはどうなるのか。ロシアやブラジル、米国のシェールオイルに奪われる」。ヌアイミ氏は21日、中東専門誌ミドル・イースト・エコノミック・サーベイに「20ドルに下落しても関係ない」と述べ、減産は石油輸出国機構(OPEC)加盟国の利益にならないと強調した。

国際通貨基金(IMF)はサウジの来年の財政収支を均衡させる原油価格を1バレル90ドル強と推計している。足元の60ドル前後では大幅な赤字に陥るが、2011年からおおむね100ドル超の高値が続いたため「貯金」は十分にあるとみる。中央銀行の在外資産は7300億ドルを超えており、こうした余力で、より生産コストの高い米シェールの開発が滞るのを待つ構えとみられる。

ヌアイミ氏は21日、記者団に「最も効率的な産油国が生産すればいい」とも語った。価格安定のためにOPECばかりが生産量を調整することはもはやない、との意思は鮮明だ。アラブ石油輸出国機構(OAPEC)の21~23日の閣僚級会議で、クウェートのオメール石油相も減産する必要はないと発言した。
[以上 引用/マクロ経済動向と資産運用形成研究室]