ロシア、ルーブル安阻止へ総動員 市場介入や銀行支援

ロシア経済が窮地に陥っています。主たる要因は、原油価格の下落ですが、欧米による経済制裁の影響も無視できない様です。

ロシアの通貨ルーブルは、12月16日に一時、1ドル=80ルーブルに暴落し、中銀と政府は対策の総動員をし始めまして、16日未明に政策金利を年10.5%から17%に大幅に引き上げる緊急利上げに踏み切ったことは記憶に新しいところです。

その他にも、有価証券を担保にした外貨供給も増やし、12月中旬以降だけで50億ドル(約6000億円)以上の市場介入も実施した様です。

そうして参りますと心配となるのが、ロシアの保有する外貨準備高です。現在のところ、枯渇の可能性は低いとされてはいますが、ロシア政府は輸出企業などに外貨売却を命じておりますので、やはり外貨繰りは困窮状態にあるものと想定しておくべきものと思います。企業や金融機関などが外貨の資金繰りに窮する懸念も当然あります。

結局は原油価格の動向次第であり、そして更にその根幹にあるのは米国の利上げの動向なのだと思います。米国の利上げは、各国の資金を米国に向けて吸収しますので、ロシアのみならず、新興国は全般的に危ういと想定しておくのが無難でしょう。中国経済の微妙な先行きも、結局は米国の金利動向次第という感じがします。

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(米ドル/ルーブル日足チャート:Investing.com 株式会社フォレックス・チャンネルよりhttp://www.forexchannel.net/%E7%82%BA%E6%9B%BF%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%88/USD/RUB.html)

◆(※1)ロシア、ルーブル安阻止へ総動員 市場介入や銀行支援

2014/12/27 0:55 日経新聞WEB刊より

【モスクワ=石川陽平】ロシア政府と中央銀行が通貨ルーブルの防衛策と経済対策を相次ぎ打ち出し、ルーブル危機の収束に躍起になっている。26日には経営難にある中堅トラスト銀行への資金繰り支援策も発表した。ただ、原油安や対ロ制裁など経済を取り巻く環境は厳しく、一時持ち直したルーブル相場が今後も安定を維持できるかは予断を許さない。

ロシアでは経済を支えてきた原油相場の下落でルーブルの為替相場は今月16日に一時、1ドル=80ルーブルに暴落した。これを受け、中銀と政府は対策の総動員をし始めた。

中銀は16日未明に政策金利を年10.5%から17%に大幅に引き上げる緊急利上げに踏み切った。有価証券を担保にした外貨供給も増やし、12月中旬以降だけで50億ドル(約6000億円)以上の市場介入も実施した。

中銀は26日には、ルーブル急落などの影響で資金繰り難に陥った中堅銀行のトラストの支援に乗り出すことも発表した。同行に990億ルーブル(約2300億円)の緊急融資を実施し、2020年末までに別の中堅銀行オトクリチエに吸収合併させることを決めた。さらにオトクリチエに最大280億ルーブルの資金を支援する。

ロシアの銀行はルーブル急落で、外貨だけでなくルーブルの流動性の確保も難しくなっている。中銀は、通貨ルーブルと同時に金融システム全体の安定に向けた対策を迫られる。

政府も資金調達が難しい大手の企業や銀行に、国家基金からインフラ投資用の資金を供給すると決定。有力紙ベドモスチによると、国営石油ロスネフチは2015年1~3月、2000億ルーブルを受け取る見通しだ。

これらの対策に加え、メドベージェフ首相は25日、さらなる「危機対策」を講じる方針を表明しているが、詳細は明らかにしていない。

政府・中銀の動きを受け、ルーブル相場は26日に一時、51.66ルーブルまで上昇したが、その後は再び不安定な動きが続く。

背景にはロシア経済の先行きの厳しさがある。ロシアの主要輸出品である原油の価格をみると、代表的な油種ウラルズは6月に1バレル110ドルを超えていたが、26日には60ドルを下回る水準にある。ウリュカエフ経済発展相は25日、15年の連邦予算について、原油価格が年平均で60ドルになれば「赤字額が(歳出の1割以上に当たる)約2兆ルーブルになる」と危機感を示した。14年予算は黒字だった。

15年の経済成長率もマイナスに陥るとの懸念が急速に強まっている。

政府と中銀が頼みにする外貨準備高も減り続けている。中銀は25日、3989億ドルになったと発表した。年初から2割以上減り、09年8月以来初めて4000億ドルを割り込んだ。多額の市場介入に加え、市中銀行に外貨を大量供給したためだ。

新興国専門の調査会社ルネサンス・キャピタルのオレグ・コウズミン氏は「16年末時点でも3000億ドルを維持する」と分析し、外貨準備が枯渇するとの見方はなお少ない。ただ、ロシアは輸出企業などに外貨売却を命じており、企業や金融機関などが外貨の資金繰りに窮する懸念がある。

市場では、ロシア国債の格付けの行方への関心も高い。米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は23日、1月中旬にもロシアの格付けを引き下げ方向で見直すと発表。投資適格級としては最低水準の現行の「トリプルBマイナス」から投機的等級に転落するリスクがある。


◆(※2)ロシア、来年の成長率をマイナス4%と予想=財務相
2014年 12月 26日 20:41 JST ロイターより

[モスクワ 26日 ロイター] - ロシアのシルアノフ財務相は26日、来年の経済成長率がマイナス4%になる可能性があると表明、原油価格が平均1バレル=60ドルで推移すれば、財政赤字が国内総生産(GDP)の3%を超える可能性があるとの見通しを示した。

財務省は原油価格の想定レートを1バレル=60ドルとして予算見通しを再計算。同相は来年のルーブルの平均レートが1ドル=51ルーブル前後になるとの見通しも示した。
[以上 引用/マクロ経済動向と資産運用形成研究室]