少しでも高い利回りを求めて投資先を探す動きはやや危険

少しでも利回りの高い投資先を求めるというのは、我々投資家の人情というものですが、それはそれとして、余りにも利回りの低下した(=価格の高くなった)リートやハイイールド債投信などに資金を投入してしまうのは、やや考えものです。

リートや高利回り債券への投資メドとしては、利回り3%までと当室管理人は考えています。それは、日本のバブルの時の経験で、不動産投資利回りが2%以下にまで低下していた記憶があるからです。

現在のところ、ノーロードで毎月分配型のリートまたはハイイールド債投信の利回りは、たとえば次の様になっています。

①MHAM J-REITインデックスファンド(毎月決算型)・・・(投資対象資産の)平均予想配当利回り  2.98%
  (現在価額11801円、分配金50円、表面利回り5.08%、信託報酬0.702%)
②ワールド・リート・オープン(毎月決算型)・・・(投資対象資産の)平均配当利回り 4.2%
  (現在価額5138円、分配金70円、表面利回り16.3%、信託報酬1.674%)
③ステート・ストリートUSハイ・イールド債券オープン・・・(投資対象資産の)平均最終利回り 6.72%
  (現在価額15739円、分配金50円、表面利回り3.8%、信託報酬0.9724%)

毎月分配型投信は、分配金だけ見ますと表面的な利回りは高めに出てきますが、当該投信が投資対象としているリートや債券の生み出している分配金利回りや最終利回りを上回る分配利回りは出せるはずがありませんから、仮に表面利回りが高い場合は、それだけ特別分配金の割合が高くなり、普通分配金の割合が低くなります。つまり、当該投信の実質的利回りは、必ず投資対象の実利回り以下になりますし、そのように調整されます。

上記の例では、本来の分配金利回りは、①は2.98%以下に、②は4.2%以下に、③は6.72%以下になります。

当室は、これらいずれも保有していないため、実際の特別分配金割合までは調べておりませんが、①は2.98%で投資不適格、②は4.2%の分配金が期待できるとしても信託報酬1.674%を差し引くので2.5%程度までおそらく利回りが低下するので投資不適格、③はすでに値上がりが著しくて表面利回り自体が3.8%に低下して魅力が消失しています。

リートは債券的要素がありますので、今後マーケット金利が上昇した場合には値下がりする可能性がありますし、ハイイールド債は6%程度の利回りがないとリスクテイクしにくいものと思います。景気回復で不動産が値上がりすればリートは値上がりし、また景気が上向けばハイイールド債の格付けも底上げされるという見方も成り立たないことはありませんが、当室は保守的に見ておきたいと思います。


[以下、引用]
◆個人マネー、高利回り照準 REITに1月2000億円

2015/2/14 13:18日本経済新聞 電子版

国内外の不動産や欧州の格付けが低い債券市場に日本の個人マネーが流れ込んでいる。複数の不動産投資信託(REIT)で運用するタイプの投信には1月月間で2000億円近く流入した。世界的な低金利で預金や先進国の国債で運用しても十分な利益を得にくいため、少しでも高い利回りを求めて投資先を探す動きに弾みがついている。

投資信託は小口の資金を集め専門家が運用する金融商品だ。

投資信託協会によると、上場投資信託(ETF)を除く追加型の公募株式投信に1月に流入したお金は1兆167億円だった。REIT投信も株式投信に分類されているが、流入額は1984億円と全体の2割を占め、残高は11兆5233億円に膨らんだ。

REITは投資したオフィスなどからの賃料収入を投資家に分配するしくみだ。日興アセットマネジメントの「ラサール・グローバルREITファンド」は世界各国のREITに投資する。予想分配金利回りが年率3%を超え、1月は300億円超が流入した。

一方、欧州の低格付け債(ハイイールド債)で運用する投信も資金流入が続く。低格付け債は格付けの低い企業などが発行する債券で、信用力が低い分、利回りは高くなる。投信評価会社の三菱アセット・ブレインズの推計によると、欧州の低格付け債で運用する投信は1月まで1年11カ月連続で流入超となった。

欧州運用会社のアムンディの「アムンディ・欧州ハイ・イールド債券ファンド」は1月に300億円超の個人マネーを集めた。ドイチェ・アセット・マネジメントは26日から欧州ハイイールド投信の種類を増やす。

米国の低格付け債投信からは資金が流出しているが、欧州は欧州中央銀行(ECB)が量的金融緩和に踏み切り、信用力が低い欧州企業にも投資しやすい環境になったとの見方もある。

一般的な株式は値動きが大きすぎると考える投資家でも不動産市場などのリスクは許容しようというムードが広がっている。ただREITや低格付け債に資金が集まりすぎると価格が上がり利回りが低下するおそれもある。一部には過熱感を警戒する声も出ている。
[以上 引用/マクロ経済動向と資産運用形成研究室]