上海時価総額、日本株超す

上海総合指数は明らかにバブル圏内に突入しています。経済成長率の鈍化を考慮すれば、株価だけの突出した上昇は異常な印象ですし、これまでの株価停滞こそが中国本来の経済実態を示していると解釈していた当室としては、現在の上海総合指数の値上がり状況は、なおさら異常に感じます(※1)。

「上海市の大手証券、申万宏源証券。店頭は証券口座を新規開設しようとする大勢の市民でにぎわう。乳児を抱えてきた主婦は「株高が話題になっているので、自分も株式投資を始めてみようと思った」と話す。上海総合指数の17日終値は4287。過去1年間で約2倍に上昇した。投資歴22年という上海市の個人投資家は「上海総合指数は少なくとも4500までの上昇は確実だ」と強気だ。」・・・という記事内容からすれば、まさしくバブル期の状態そのものであり、主婦までもが株価に関心を持つとは、終末的です。

中国当局が空売り規制を解除しましたので、おそらく株価はもう少しは上昇するとしても、それ程遠くないうちに調整が入って正常な水準に回帰するものと思います。そのナイアガラとなる場合の、日米欧への影響度合いの小さいことを真に祈念します。この先、5000を超えるようであれば、中国株インバースETFを買っても面白いかも知れません。

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(上海総合指数10年間チャート:5SBI証券より引用)


◆(※1)上海時価総額、日本株超す
不動産・理財商品から資金シフト 空売り緩和で過熱けん制

2015/4/18 3:30日本経済新聞 朝刊

 【上海=土居倫之】中国・上海株の上昇が止まらない。個人向け高利回り商品の理財商品や不動産からの資金シフトが続き、上海株の株式時価総額は初めて日本株(日本取引所グループ)を上回った。ただ成長減速が続くなかでの株高は過熱する個人投資家の投資ブームがけん引している面があり、潜在的な急落リスクは膨らんでいる。中国当局は17日、投資基金会社などによる貸株解禁を発表。空売りの拡大により過度の相場上昇をけん制する狙いだ。

上海市の大手証券、申万宏源証券。店頭は証券口座を新規開設しようとする大勢の市民でにぎわう。乳児を抱えてきた主婦は「株高が話題になっているので、自分も株式投資を始めてみようと思った」と話す。上海総合指数の17日終値は4287。過去1年間で約2倍に上昇した。投資歴22年という上海市の個人投資家は「上海総合指数は少なくとも4500までの上昇は確実だ」と強気だ。

世界取引所連盟(WFE)によると、上海株の時価総額は3月末で4兆7831億ドル(約570兆円)、日本株は同4兆8103億ドルだった。3月末と比べて上海総合指数は17日までに14%上昇した。一方、日経平均株価は同2%高にとどまっている。

中国本土市場である上海と深センの時価総額合計ではこれまでも日本株を上回っていたが、4月は上海市場単体で初めて日本株を上回るのが確実となった。

個別銘柄の時価総額でも中国株の勢いが増している。米トムソン・ロイターによると、国有自動車大手の上海汽車集団の時価総額は17日、約490億ドルと、韓国の現代自動車(416億ドル)や日産自動車(475億ドル)を上回っている。

中国の今年1~3月の実質国内総生産(GDP)成長率は7.0%にとどまった。景気減速は追加金融緩和などの政策期待となって逆に株式の買い材料となっている。

証券紙、上海証券報が17日付で掲載した個人投資家アンケート調査では、今後の資金動向について、「証券口座に追加資金を投入する」との回答が51%、「口座から資金を引き出す」との回答は1%だった。

年金制度が未整備の中国では機関投資家が育っていない。外国人による売買も長く規制されてきたため、個人が株式売買の6~8割を占める。一般に企業業績や財務に対する関心は薄く、相場の流れに追随するような投資をしがちだ。2007年には株式バブルが発生し、上海総合指数は6124まで上昇。その後の急落を経験している。

この経験から中国政府は過熱気味の投資ブームに危機感を強めている。中国証券業協会と中国証券投資基金業協会、上海・深圳証券取引所は17日、連名で投資基金会社や証券会社の資産運用部門などの貸株業務を同日から認めると発表した。貸株対象銘柄も拡大する。

中国ではこれまで株券の貸し手が限られ、空売りが難しかった。今回の規制緩和で空売りがやりやすくなるため、急上昇を続けてきた株式相場にとっては下押し圧力となる。17日会見した証券監督管理委員会の鄧舸報道官は「株式市場にはリスクがある」と冷静な投資を呼びかけた。
[以上 引用/マクロ経済動向と資産運用形成研究室]